迷えるデカ羊(仮)

迷えるデカ羊(仮)

~「加納朋子」のページ~

加納朋子(かのうともこ)作品のページ
ミステリー作家ですが、ただのミステリー作家ではありません。
ミステリーというと殺人事件、ホームズ、深まる謎、トリック、etc という連想に思いがちですが
既成概念とか論理っというのをあまり関係ないのでしょうか?
非常に本で遊んでいるような感じです
謎という点ではミステリーしていますが、それまで読んだミステリーとは一線をおいています
実際には本を手にとってみるのが一番かと

是非この人の本を読むときは既成概念ってのを取り払って読むといいです

第3回鮎川哲也賞。48回日本推理作家協会賞(最年少)。
代表作:ななつのこ、ガラスの麒麟、螺旋階段のアリス など




出版社: 東京創元社、創元推理文庫(1992/09)
評価: ☆☆☆☆☆
解説:
表紙のイラストに惹かれ、思わず手にとった本「ななつのこ」から始まる物語です。
本の内容と現実を照らし合わせて物語は進んでいきます。
主人公の周りに起きる日常の謎を著者との手紙での交流にて解き明かしていきます。

全7つに分かれる短編小説ですが、
全部が繋がっていて、最後に一つのミステリーとして解き明かされます。
一つ一つの謎も最後にはニッコリと笑顔になれるハートフルな作品ばかりでした。
凄くいいです
僕にとってはどれもが斬新でした
興味ある方は、まず手にとって、頭をカラにして読むことをお勧めします

第3回鮎川哲也賞受賞作品。




出版社: 東京創元社、創元推理文庫(1993/07)
評価: ☆☆☆☆
解説:
「ななつのこ」の続編になります
主人公がリアルで起こった事件を物語として書き綴り
それを「ななつのこ」の作者宛に送り交流していく話です
前回と違うのは今度は読み手が物語の作者になり
作者が読み手として感想を書いてます
今回も全てが繋がって最後に大きな謎解きになります
結局ワトソンとホームズの関係は変わらないんですけどね
物語が一つ終わる度に謎の手紙が登場します
それが最後の大きな謎として解き明かされます

前回より多少ミステリー色が暗くなった感じがします
人のエゴとか嫉妬とか不安、そーいった部分がチラホラと
でも最後に受けた全体の印象はロマンチックでした




出版社: 集英社(1989/09)
評価: ☆☆☆☆
解説:
ごく普通のOL片桐陶子とリサーチ会社調査員萩の二人が身の回りに起きる事件を解決していきます。

ちょっと気の強い片桐さんがキュートで、間抜けで気の弱い萩君が憎めません
ミステリーなんですが、ほろ苦くて愛らしいといいますか・・・
事件をとおして毎日が輝いて見えるような作品です
読んでて気分が良かった作品でした

月曜日~日曜日まで7作の短編にまとまっています




出版社: 幻冬舎文庫、幻冬舎(2001/09)
評価: ☆☆☆☆☆
解説:
夫を突然の事故で失ったサヤは
生まれたばかりのユウスケとふたり「佐々良」という街へ移住します
そこでは数々の事件がサヤの身にふりかかりますが、
内気で弱々しいサヤとユウスケを他人を姿を借りた亡き夫が助けてくれます

んー、簡単に言っちゃうと映画の「ゴースト」のような話です
無くなった旦那さんは自分を見える人間に一度だけ身体を借りることが出来ます
基本的には一話完結で、一話一話に謎が用意されていて
最後に他人の身体を借りた旦那さんが謎を解決してくれます

作者の加納さんが得意とする比喩的表現が
今回も凄く活き活きと作品にアクセントを付けてくれてます
あと、特に今回は周りを固めてくれる登場人物達が個性豊かで
気付いたら登場人物が全て愛しくなります(注:亡き旦那の家族以外)

えーと、最期はホロリときましたね
最近涙腺が弱くなっていけません

「・・・ ささら さや ・・・」

本を読んだあと、この文字を見ると不思議と心が軽くなります




出版社: 東京創元社(2004/05)
評価: ☆☆☆☆
解説:
「ななつのこ」「魔法飛行」に続く駒子シリーズの3作目です
「スペース」「バックスペース」というタイトルの2本だてです
話は「魔法飛行」直後から始まります
今回も前回の2作同様イロイロと工夫していますね
前回の話を読んでいないと全く解らない部分が多々あります
今までの2作は手紙が謎を解くキーでしたが、
今回は手紙そのものが謎になります
そしてまた瀬尾さんの見事な謎解きが待っています
ちなみに謎が解かれた直後バカは僕は全然理解できませんでした
更に説明があってようやく理解できました ちなみに基本的に通勤中読んでるんですが、
ニヤニヤしてたら目の前の女性と目が合って気まづかったです

えと、スペースに謎があります
そして文字どおりスペースをバックスペースで埋めていきます
3部作通して最後まで読むと……





出版社: 文藝春秋、文春文庫(2000/11)
評価: ☆☆☆☆
解説:
脱サラ探偵仁木と「不思議の国のアリス」から現れたようなキュートな助手安梨沙
二人が挑む事件は殺人も怪人も本庁の警部も出てきません
彼らの周り、日常の中にある謎ばかりです

加納さんが得意とする切なく優しいハートウォーマーな作品です
作中では安梨沙がルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」のストーリーを連想し、
なぞっていきます
ちなみに僕「不思議の国のアリス」読んだ覚えはあるのですが、
すっかり忘れました

マイペースの安梨沙と生真面目な仁木、
二人のやりとりもどこかぎこちなく可笑しくて思わずニヤッっとして
作品の良いアクセントになってます

全体的には優しく心地良く仕上がっていて、加納さんのもつ感じが凄く良く出てます
昼下がり「金色の午後」、緩やかな日差しと心地よい風に吹かれながら
窓際で読むような作品です

表題含む全7作の連作になっています





出版社: 文藝春秋(2002/10)
評価: ☆☆☆☆
解説:
「螺旋階段のアリス」の続編です
話は前作「螺旋階段のアリス」の直後から始まります

文藝春秋社の本格ミステリーマスターズからの出版です
なので、ちょっと装丁がつまらないです
話は前回の続きそのままなので、「螺旋階段のアリス」を読まれた方は
そのまま続きとして読めるでしょう

表題含む全6作の連作になっています





出版社: 文藝春秋(2002/09)
評価: ☆☆☆
解説:
表題作含む全10作の短編集
不思議とか死とかが全体的なテーマのミステリーです
短編とあってキレの良い作品ばかりです
ただ加納さんの特有のハートフルな作品に物足りなさがシバシバ
珍しく後味の悪い作品なんかありましたね
作風に共通性が無かったので、思ったより印象に残りづらかったです





出版社: 東京創元社、創元推理文庫(2001/02)
評価: ☆☆★
解説:
女は美貌とセンス、大胆な行動力で周りの人間を虜にし、
男はクールな知的さ、豊かな発想力でパズルを解き明かす
っという二人の男女の連作です
この解説は合っているのか不安だ…

あとがきの解説にロマンチストなパズラー(謎解き小説)と加納さんを表現してますが
まさにそのとおりの小説でした
今回は非常に女性的な感性を必要とする話でした
トレンディドラマのような美男美女の運命的な出会いから始まって
二人の過去、現在を織り交ぜて続くミステリーでした

トリックの謎解きの裏にある背景的な部分、何故そうなるのかのきっかけ、
心情的な部分が、非常に難しかったです
人の心は理屈では計れません
得に女心は…







出版社: 東京創元社、創元推理文庫(2001/02)
評価: ☆☆☆☆★
解説:
親の夜逃げのために高校進学を諦めた照代。
そんな彼女の元に差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が現れる。
これらの謎が解ける時、照代を包む温かな真実が明らかになる。
不思議な街「佐々良」で暮らし始めた照代の日々を、
彼女を取り巻く人々との触れ合いと季節の移り変わりを通じて鮮明に描いた癒しと再生の物語。

『ささらさや』の姉妹本です。
不思議が起こる町佐々良を舞台に主人公を替えて新しい物語が始まります。
『ささらさや』でおなじみのさやとユウスケ、エリカ母子、おばあちゃんズもちゃんと出てきます。
ユウスケが3歳ぐらいだったので、多分『ささらさや』から2年後ぐらいの話かと。
今回はある事件から夜逃げをした15歳の照代が
おばあちゃんズの一人久代さんの家に転がり込むところから始まります。
そこで起きた不思議な体験と照代の成長が描かれています。

正直読んでる途中は、あまり盛り上がりもなく、
あんまり興味もない15歳ぐらいの女の子の話が続いていたので、ちょっと苦痛でした。
特に共感も出来なかったし、ミステリーな部分も全然紐解かれなかったので進みが悪かったです。
ただ、一番最後まで読んでみて長い布石だったなと十分に満足させられました。

一つの話に何かが壊れたり無くなったりします。
で、何かを失うたびに何かが一つ新しく生まれ育ち、それに気付く照代が一つ成長します。

ラストは悲しい内容になってます。
最後にメッセージの全てが込められているので
しっかりと途中を落とさずに最後まで読むことをお薦めします。






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