★み~んな愛されるため生まれた★

【証し】らみいちゃんの旅【1】



北国の広~い牧場で毎日楽しく暮らしていた羊のらみいちゃんは、羊飼いさんをお父さんのように慕ってそれはそれは恵まれた生活をしていました。羊学校の先生のお手伝いをしながら、本当に充実した幸せな毎日でした。

ところがある時、海を越えて遠い知らない所にお引越しすることになりました。お父さんのように信頼して何でも自分のことをわかってくれるお父さんである羊飼いさんの牧場を離れることが悲しくて悲しくて、お引越しの日が近づくにつれ、泣いてばかり日々でした。
とうとうお引越しの日がやってきた時、羊飼いさんは「ここはお前の家だよ。いつでも好きな時に帰ってきていいんだよ。」と温かくて力強い手でらみいちゃんの手をにぎりしめてくれました。その日は、11月の半ばでしたが、雪が降り積もる寒い日でした。涙が止まらないらみいちゃんは、だんだん遠くなる懐かしい風景をながめながら、お船に乗って海を越えました。

お引越ししてすぐにお家の近くの羊学校の先生としてのお手伝いをすることになりましたが、お引越ししてまだお友達が誰もいなかったらみいちゃんはいつもお友達がほしいなぁと思っていました。でも、そこの羊飼いさんには、「よその群れの羊さんのところには絶対に遊びにいってはダメ」っていつも厳しく言われていました。懐かしい北国の牧場の羊飼いさんは、そんなこと一度も言ったことなかったのに…。よその牧場の羊さんとお友達になっても、何も言われなかったし自由に誰とでも遊べたのに…。きっとここの羊飼いさんは、群れの悪口とかを、よそで言われたり、羊泥棒をされちゃうのを極端に恐れていたんだね。。。だから牧場の中に羊たちを閉じ込めてたのでした。
でも同じ群れには、同じくらいの歳で遊べる羊さんが一人もいなくて、だんだん元気がなくなってしまったらみいちゃんは、懐かしい故郷の羊飼いさんに電話して思いっきり泣きました。「他の牧場を探してごらんなさい」というアドバイスを聞いて、らみいちゃんは思いきってそこの牧場に別れを告げて旅に出ました。

懐かしい故郷の牧場が恋しくてしょうがなく、帰りたい思いでいっぱいで泣きながら、唯一のお友達である仲良しの猫ちゃんになぐさめられながら、自分にとっての新しい群れを探していました。お引越ししてきてから半年もたつのに、今までいた牧場では、牧場の外に出て他の群れの羊さんとお友達になることを許されたなかったから、とってもさみしくて泣きながら、群れを求めてらみいちゃんはさまよっていました。

【その2につづく】



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