今が生死

今が生死

2012.01.25
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カテゴリ: 健康
発熱はウィルス等による感染が起こった場合、免疫システムが活動してサイトカイン類を増加させて脳の視床下部でプロスタグランディンを産生し、延髄体温調節中枢に作用して体温設定温度を高めにセットして全身体温を上昇させて敵と戦い易い環境を作る為の生理的防御機構である。

発熱の原因は細菌感染など好ましくないことかも知れないが、発熱そのものはいいことで病原体をやっつけ易い環境を作ってくれた結果である。従ってむやみに熱を下げるべきではないのに、少しでも熱があるとすぐ氷枕で冷やすとか解熱剤を飲むとか熱を下げようとする人が多いが病気を早く治したかったら熱は下げない方がいいのである。

正常人の体温は朝は36度5分位で午後から夜にかけて37度3分位になり、明け方に最も低くなりまた午後から夜にかけて上昇していくパターンが普通だが、そのパターンを知らない人は午後体温を測って熱があるといって病院受診したりする。

明日山梨県農村医学会があるがそこで私は「原因不明の発熱症の検討」という演題を発表する。83歳女性でもう3年も前から熱がある熱があるとあちことの病医院を受診していた人である。朝はいいのだがいつも午後になると熱が出て来ると言っていた。

発熱の原因は、肺炎、結核、腎う炎等の細菌やウイルス感染、リュウマチなどの膠原病、腫瘍熱、甲状腺機能亢進症などが考えられるがこの症例ではそれらはいずれも否定的であった。
最後に残ったのは心因性の発熱で御主人が3年前に白血病で亡くなってからずっと熱が出るようになったとのことで、それが引き金になった心因性の発熱だった可能性がある。

病気と言うと発熱、発熱というと病気とすぐに結びつけて考える人が多いが、午前、午後の生理的体温の違いや、発熱は病気を治すために体が自ら調節して体温を上げるようにセットしてくれた結果ということを理解して、むりやり下げるべきではないことも認識してもらいたいと思う。





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Last updated  2012.01.25 23:38:55
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