今が生死

今が生死

2013.08.19
XML
カテゴリ: 生き方
残酷な集団婦女暴行事件が頻発していることで世界の注目を集めたインド、今朝の朝刊には「捨てられる老母」と題してインドの高齢者のことが掲載されていた。

インド北部のブリンダバンには夫に先立たれた年老いた女性が各地から身を寄せている。ヒンズー教社会では夫を亡くした女性は不吉な存在とみなす考えが根強く残っており、粗末な食事しか与えられず地味な白いサリーしか着られない。ノミタさん(95歳)は6年前息子夫婦に追い出されこの地にたどり着いた。政府の支援施設もあり、街の人口約6万人に対してノミタさんのような寡婦が1万5千人暮らしている。

日本でも昔「楢山節考」にみられたように姥捨てがあった。稼がない人は捨てるしかないという現実があった。それが今は介護保険や老人保健施設などで2重、3重に守られている。このように変わってきた原因はどこにあるのか?日本の国民一人あたりの所得は470万円に対してインドは15万円しかない(2012年国連推計)。日本は豊かになってきたからだと思う。

宗教や政治、社会通念などの違いもあるかもしれないが、日本とインドの高齢者に対する待遇の違いの最大の要因はお金だと思う。失業者があふれお金を稼ぐあてのない人も多い。「お年寄りが老後を豊かに暮らすにはどうしたらいいか」という考えそのものが浮かばないのがインドだと思う。

私はシュバイツアーの伝記を読んで、彼と同じように恵まれないアフリカの人達のお役にたちたいと思って医師になった。今も語学を必死で勉強しているのはその志を捨てていないからだが、この記事を読むとアフリカよりインドの方が恵まれていないのではないかと思えた。
その国の人達のお役に立つには医療だけではない。政治、経済、思想の方がもっと比重が大きいように思えるが、それらに役立つ力すべてを私はそなえていない。とりあえず医療を通じて何らかのお役に立ちたい。

私は恵まれない人達のために何らかのお役にたちたいと勉強してきたが、この恵まれた日本で暮らしていたのでは何もお役に立てないのではないかと思えた。ではどうしたらいいのか?数年前国境なき医師団に加わってアフリカに行こうと決意して応募したが様々な事情で挫折している。
インドの記事を読み、この恵まれた日本でのほほんと暮らしていて良いのか?という考えがまた強くなった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.08.20 13:25:06
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: