今が生死

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2024.09.08
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カテゴリ: 感動したこと

タマスダレ
入院していた奥さんに毎週届けられた旦那さんからの手紙200通
ラブレターは何歳になってからでも | 今が生死 - 楽天ブログ

4年前重症のパーキンソン病の方を受け持った。
その患者さんに4年間1度も欠かさず毎週ご主人が手紙を書き続けてきた。手の自由が効かず自分で封を切ったり封筒から取り出すことが出来ないので、看護師か医師が読んでやっていたが、理解力が落ちており、喋ることも出来ず、殆ど分からなかったのではないかと思う。旦那さんへの返事は一度もなかった。それなのに毎週一方通行の手紙が届いていた。看護師がその手紙を保存してくれており、約200通に達していた。
その患者さんが2週間くらい前からコロナ感染後熱が下がらず、間質性肺炎になり、播種性血管内凝固症候群(DIC)も合併してステロイドや抗生物質、ヘパリン、消化管出血に対する輸血などの治療もむなしく昨日お亡くなりになった。享年80歳だった。
最後は医師から下顎呼吸をしており危篤状態で、今日明日だと思いますと宣告を受けて看護師から何度も夜中に連絡を受けて旦那さんが病床に駆け付け背中をさすってやったりしていた。その愛情が通じたのか医師から最期と思われますと言われてから1週間以上延命した。

人の死に方は様々だと思う。健康に暮らしていて突然コロリと亡くなる、ピンピンコロリが理想かも知れないが、そのような死に方が出来る人は少ない。がんの末期ではモルヒネ注射を受けながら苦しみながら亡くなることが多く、パーキンソン病等の難病では体が動かなくなったり、喋れなくなったりして惨めな状態で生きながらえて最後は何らかの合併症でお亡くなりになることが多い。昨日亡くなったケースもそれに近い状態だったと思われるが、ご主人の愛情に支えられて1週間以上も命を伸ばし、外から見ると苦しみの時間を長引かせ、可哀そうと思われたかもしれないが、ご主人にとっては最後の最後まで面倒がみれて思い残すことがなく、幸せだったのではないかと思った。患者さんご本人は意識がないのでどのように感じていたか分からないが、なんとなくご主人の愛情を感じて幸せだったのではないかと推察した。






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Last updated  2024.09.08 16:10:47
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Re:最後まで奥さんに愛情を注ぎ、思い残すことがないと思われたご主人(09/08)  
かんぼう さん
年前重症のパーキンソン病の方を受け持った。
その患者さんに4年間1度も欠かさず毎週ご主人が手紙を書き続けてきた。手の自由が効かず自分で封を切ったり封筒から取り出すことが出来ないので、看護師か医師が読んでやっていたが、理解力が落ちており、喋ることも出来ず、殆ど分からなかったのではないかと思う。旦那さんへの返事は一度もなかった。
今日明日だと思いますと宣告を受けて看護師から何度も夜中に連絡を受けて旦那さんが病床に駆け付け背中をさすってやったりしていた。
◎タマスダレ
入院していた奥さんに毎週届けられた旦那さんからの手紙200通
凄い夫婦愛ですね。その思いの深さにあたが下がります。最後の最後まで凄い愛情の深さを見せて頂きましたね。ピンコロは0、003%の稀な生涯のドラマです。
こうした最期を遂げる幕引きもあるんですね。考えさせられます。合掌 (2024.09.08 19:49:42)

こんばんは!(#^.^#)  
でも…やはり悲しいですね。ご主人さまもお辛いでしょう! ( 一一)
人はいつか亡くなるけど、最後の最後まで尽くしてあげられたことが素晴らしい!
なかなか出来ないことですね。お手紙200通とは凄い! 凄いなぁ~! 素晴らしい愛情の深さ!
私は絵はがきは書けても手紙までは書けないでしょう! ( 一一) 返事が欲しくて書いて出しているのではありません・・・
私も家内を見送る時があればそうしてあげたい! でも運命は分からない!私が後でないとそれも出来ない!

看護師さん、医師の皆さん色々とお世話になりましてありがとう! (#^.^#)
お悔やみ申し上げご冥福をお祈りいたします。 ( ^)o(^ ) (2024.09.08 20:43:26)

Re:最後まで奥さんに愛情を注ぎ、思い残すことがないと思われたご主人(09/08)  
moto,jc  さん
おはようございます

ご主人の愛情でここまで来られましたが奥様は幸せだったのでしょうね 多分ですが? (2024.09.08 21:27:55)

死というのは本人と見送る人達との関係で決まる  
楽天星no1  さん
かんぼうさんへ

「凄い夫婦愛ですね。その思いの深さにあたまが下がります。最後の最後まで凄い愛情の深さを見せて頂きましたね」

私は立場上様々な死を見てきました。一人で孤独に死ぬケースもありますが多くは見送る誰かがいてその人(達)との連携の中でお亡くなりになるケースがほとんどです。子供に見送られながら静かにあの世に旅立つケースが多いですが、中には奥さんに見送られるケースもあり、少ないですが旦那さんに見送られるケースもあります。2年くらい前にやはりパーキンソン病の奥さんを旦那さんが見送ったケースがありましたが、その時は旦那さんの落胆が大きすぎて取り乱し、我々の入りこむ余裕が全くありませんでした。今度のケースでも同じように取り乱すのではないかと心配しましたが、悲しいことは悲しいが運命だから仕方ないとさらりとしていました。これから寂しさに襲われるのかも知れませんが医療スタッフは助かりました。 (2024.09.08 21:33:23)

最後の最後まで尽くしてあげられたことが素晴らしい  
楽天星no1  さん
だいちゃん0204さんへ

「人はいつか亡くなるけど、最後の最後まで尽くしてあげられたことが素晴らしい!」

私もそう思います。自分にはとてもできそうもないので、尊敬します。奥さんは九州の人でわざわざ山梨まで来てくれたことに感謝していたのかもしれません。若い時には二人で旅行したりして楽しい思い出があるのかもしれません。
でも65歳頃からは少しずつ症状が出はじめ、70歳頃からは自宅でご主人が食事、排便、入浴など全ての世話を一人でしていました。周囲は施設に入れてもらった方がよいと忠告しましたが、その頃はまだ奥さんに意思表示する力があったので、「本人がどこにも行きたくない、家が良い」と言うものですからと言っていました。しかし意識がなくなったような状態になって救急車で大病院に運ばれてからは自分の意思表示もできなくなり、病院に入院し、その後我々のリハビリ病院に転院してきましたが、ご主人は「この病院に入れてもらってどんなに助かっているかしれない」と言っていました。自宅で自分一人で介護することは出来ないことはないですが、如何に大変だったが推察されました。 (2024.09.08 21:56:25)

意識のない人は周りの状況を感ずることが出来るのか  
楽天星no1 さん
moto,jcさんへ

多分幸せだったと私も思います。
意識のない人は声も出ないし見えているのか聞こえているのかも全く分かりません。でも周りの状況は分かっているという研究報告もあります。
その一つの実例が事故で頭をうち、意識がなくなり死線をさまよった末に奇跡的に助かった人が自分が意識がなかった時でも周りの様子は見えていたと証言しています。全ての症例で意識がなくても周りが見えているとは言えないと思いますがケースによっては見えている可能性は十分あると思います。 (2024.09.08 22:07:53)

Re:死というのは本人と見送る人達との関係で決まる(09/08)  
かんぼう さん
楽天星no1さんへ
私は立場上様々な死を見てきました。
◎そうですよね。色々な最期の息を引き取る姿。立会人ですね。ご苦労さんです。医師の仕事も因果な処が有りますが此れも使命ですね。
今回は悔い無く見守ったという気持ちの整理が行き届いた素晴らしい身内の見送り方に学ぶものが有りますね。 (2024.09.09 10:22:42)

死亡時の動揺の程度は患者さんの年齢によっても違う  
楽天星no1  さん
かんぼうさんへ

本人が悔いを残して死ぬ場合と、見送る人が悔いを残して死ぬ場合がありますが、本例では両者とも悔いを残さず死ぬことができたように思います。
2年前、同じようにパーキンソン病の奥さんを失くされたご主人が悲しみで取り付く島もないような状態でしたが、ご主人はああしてやればよかったという後悔もあり、一層の悲しみ、苦しみになったのだと思われました。後悔するなと言っても難しいですので、死は一定であり、そうしてやったからと言って生きながらえたとはかぎらないと申し上げましたが、何の慰めにもならなかったみたいでした。
死亡時の動揺は患者さんの年齢にもより、若ければ大きく、高齢になっていくにつれて少なくなっていくように思いますが、日ごろから死についてよく考えておいていただきたいと思っています。 (2024.09.09 13:07:54)

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