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太陽と月 第2章
森の中で女の子とずっと話をしていた僕。
それが現実だったら、どれだけいいことか。。。
何度こんな夢をみたものか。。。
今度こそ夢でないことを祈りながら、うっすらと目を開けてみた。
少しだけ、周りも見渡してみた。
誰も居ない…やっぱり夢だったのか…。
僕はまた眠りにつくことにした。
そしたら急に、
「おはよぉ!」
夢の中の女の子が笑顔で僕の顔の目の前に現れた。
「…??!」
「寝坊だよ、太陽^^わたしなんかもぅ薪も集めてきちゃった☆…って大丈夫??ぁ、ごめん。寝起きにちょっと煩いかな。。」
困ったような顔をしながら、その女の子は言った。
「???」
状況がまだ飲み込めてない。
「ぁ。。えっとぉ…わたしの事覚えてる?昨日ね、森の中でお話してたでしょう?それから、森から出るのに太陽が道を示す魔法を使ってくれて、、無事にでてこれたのはいいんだけど、太陽すぐに寝ちゃったの。」
「…ぁ。。。ぁあ!」
やっと頭が起きてきた。
そうだ、そうだった。
この子は女神の子で、月って言う名前だ。
夢じゃなかったんだ。。
今日からは喋れる人がいるんだ!
「思い出した??よかった~。びっくりしたよ!」
笑いながら月がすっと僕に手を差し伸べる。
「うん。思い出したよ。そっか、僕は寝ちゃったんだね。」
これは現実なんだ…。
僕たちは、一度僕の宿に戻る事にした。
戻ってみると、すでに宿のおやじはカウンターに座っていた。
なんか様子がおかしい…。
近くに行ってみると、酒の空ビンが何本も置いてあった。
理由はこれか。。
「おはようございます。僕の部屋に、もう一人追加して下さい。」
やっぱりなるべく小さめの声で伝えた。
「お?ぁ、おぉ。。。」
気のない返事をしながら、宿のおやじはまた眠りにはいったようだ。
その間月はずっと沈黙で立っていた。
そんな彼女を見るのは少し悲しかったけど、
これは僕たちにはしょうがないことで、
我慢してもらうしかなった。。
前入った時みたいに、ドアを蹴った。
今度はなるべく優しく、とんっと。
ドアがゆっくり、ギィィっと前と同じ音を立てて開いた。
ドアが閉まったことを確認して、
「これが僕の借りてる部屋だよ。」
分かっているとは思ったけど、言ってみた。
「そぅ。。。素敵ね。わたしこういう部屋、好きだな。」
やっぱり森にいた時より元気がないみたいだ。
「よかった、気に入って。 窓も閉めてるし、ローブとっていいよ。」
「・・・・・・うん。。そうだね・・・・・・・」
二人共もぞもぞとローブを脱いだ。
..............
沈黙が二人を包んだ。
僕が水を飲もうと思って立ったとたん、
「ぁ、あの!」
って急に彼女が叫んだ。
(本当に叫んだ感じだったんだ。)
少しびっくりした僕は、
「ぅん??!」
少し声が裏返ってしまった。
「これから、、、これから、太陽はどうするつもりだったの? ほら、わたしと会う前に、何か目的があってここに来たのでしょう?」
少し間を置いて、
「それが何なのかなぁと思って・・・。」
そして彼女はうつむいてしまった。
気まずいことでも聞いたと思ったのだろうか。
「んー。僕の目的は、、、なんだろう。 僕は何かを探してるんだ。其れが何かは分からないけど。探してるんだ。 だからずっと旅をしててる。 その何かを見つけるまで。 それで昨日、この最後の大陸に着いて、君に出あった。だからほんとは、しっかりした目的なんて、ないよ。」
「そう。」
彼女は何かを考えているような顔で
「その何か、見つかるといいね!」
とだけ言った。
少し嬉しかった。
僕もほんとに見つかるといいな。と思ってるから。
「月は?普通に生活したいのは分かるけど、実際、どうするの?」
「わたしは、、、、決まってないんだ。 とにかく、家を飛び出して、、、今考えてるところなの。」
「そっか。」
また沈黙になった。
「戦える?」
突然だったけど、僕は調べたいことがあった。
月はまた考え込んだ。
「…戦えると思う。身を守るために、剣術や魔術を習っていたの。けど、、実戦を経験したことが無いから…。」
悩みの元は経験がないってことだったらしい。
確かに危ないと思った。経験がないことは結果を大きく左右することが多い。
「じゃぁ、出来るだけの力を使って、僕と戦って欲しい。」
月が驚いて返す
「太陽と??!だって、、そんな、太陽とは戦えないよ!出来るだけの力って、、怪我したら大変だし、、そんな…」
まず突然だったから理由を説明した。
「僕が一番いいんだ。この先なにがあるか分からない。いつかは戦わなきゃいけないと思う。経験が無いのは正直危ないんだ。初めから魔物相手は危ないし、第一、月は此処にいることがばれてはいけない。誰かに相手を頼んだとして、ローブをつけたまま戦うのは大変だよ。僕となら危なくないし、ばれる危険性もない。」
「でも…だって、、、そぅだけど。。。」
月は黙ってしまった。理由は納得してくれたなら、後はあおるだけ。
「…それに僕、月に負けるほど弱くないよ。月の攻撃、全部よけれるから、怪我の心配もないし^^」
実際月の戦ったとこみたこと無いから、分からないけど、今はそれでも気にしない。
月がのってくれたら作戦成功。
「…。 わたしそんなに弱くないよ?怪我するよ、絶対。」
月はのってきた。なんとなく負けず嫌いだったのかもしれない。
僕はもぅ少し言ってみることにした。怒ってくれるほうが今は都合がいい。
「へぇ。自信あるんだ?どぅだろぅねぇ。僕もここまで生き残ってきたし、月より経験もあるし。やっぱり負ける気も、怪我する気もないよ^^寧ろ上手く手加減できるかなぁ。あぁ、、月が怪我してしまうかもしれないから、やっぱりやめておこうか?」
「………っっ!!…どこで戦うの?」
よし、作戦成功!
月は乱暴に自分と僕のローブをとって、僕のローブを僕に投げた。
「はい!!はやく行こっ!!」
意外とすごく怒らせてしまったらしい。。
僕らは森の奥へ移動した。
昨日僕と月が会った場所だ。
あそこなら誰も来ないだろうし、聞こえないと思う。
さっきのでかなり怒っている月は、スタスタと僕の先を歩いていた。
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