++inakamiso++

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マザーネイチャー


※英語と日本語、両方読むと分かるのですが、少し内容が違っています。それは何故かというと、英語に直すときに、この言い方のほうがいいや、とか、宿題の決まりで、あの語法使わないといけなかったとか、そんな感じで英語バージョンでは変わっていったのです。基本的に、こっちがオリジナル。英語バージョンはマザーネイチャー改みたいな雰囲気です。
※点の多さや、まとまりのなさはお許し下さい。



「おじいさん、今日はどんな話をきかせてくれるの?」
「今日はね、ソフィア、地球の話をしよう」
「地球の話??」
「そう、地球の誕生の話・・・」



昔昔
全ての宇宙は神様たちのものでした。
宇宙は神様の国だったのです。
たくさんの神様が宇宙のところどころに住んでいました。
神様の中には、皆に選ばれた一番偉大な神様がいました。
偉大な神様は誰よりも大きく、大きな椅子に、いつも座っていました。

神様の子供には名前は無く、皆、私の愛しい子供、と呼ばれていました。
名のある神様になるには、一つのテストを受けなければならなかったのです。
それは、13歳になったら、偉大な神様から受け取った子供の手にすっぽり治まるくらいの大きさの、少しぼこぼこした、球形の石から惑星を自分だけで一つ作る事。
ただ作るのではなく、偉大な神様の要望に応えてなければなりませんでした。
太陽を作った子供は、偉大な神様にこう言われました。
「熱く、自ら輝きを放ち、重力のある、大きな惑星を創れ」と。
月を作った子供は、偉大な神様にこう言われました。
「無重力で、凸凹のある、暗い惑星を創れ」と。
もしこのテストに受からなければ、名の無い子供は一生、名の無いままなのです。

このお話は、地球を作った名も無い神様のお話。


ある日、名の無い子供が、13歳になりました。
その子供は偉大な神様に呼ばれ、こう言われました。
「何か今までにないような惑星を創れ」と、偉大な神様は座ったまま、子供に球形の石を渡しました。
石を受け取りながらその子供は要望が少なかったことに驚き、思わず聞いてしまいました。
「それだけでよろしいのですか」と。
そう問われた偉大な神様は、「そうだ。 なにか意見はあるのか」と言いました。
子供は慌てて、「そんなことはありません」と答え、一礼をして、偉大な神様の元を去りました。


子供が去った後、
「あの子供は心優しく、利巧で、 想像力の豊かな子だ。 何を創ってくるか、楽しみだな」と、偉大な神様は呟きました。


子供は困りました。
もっと具体的な要望がくると思っていたからです。
何か今までに無いような惑星、というのは、想像とは真逆の、とても抽象的な要望でした。
でも驚きの反面、とても嬉しくも思っていました。
何か今までにない、ということは、自由に創っていい、ということだと考えたのです。
たくさんのアイディアを搾り出し、たくさんの構造をたてました。
惑星のバランスを考え、誰も考えつかない案とは何か。。。
子供は何日も何日も悩みました。

何の良いアイディアも出ず、子供は途方にくれてしまいました。
でも諦めるということは絶対にしませんでした。
でも、少しぼこぼこした球形の石を両手の手のひらに置き眺めていると、子供は泣き始めてしまいました。
すると、手のひらの石に変化が起こったのです。
子供の流した涙が小さな窪みに溜まっていきました。
海、が誕生したのです。
それを見た子供の頭には、暗闇に一筋の光がさすように一気にアイディアが浮かんできました。

まず、水が宇宙へと蒸発してしまうのを抑えるために、層を創りました。
それから子供は残っていた陸地に、植物を植え始めました
小さな木や大きな木、草や花、すべての植物をいろんなところに植えました。
植えることに疲れてしまった子供は、虚ろ虚ろと寝てしまいました。

子供は起きてみてびっくりしました。
目に見えない何かが、層の中を渦巻いているのを感じたのです。
そう、さっき植えた植物たちが、酸素を創り出していたのです。
そしてそれを包むように層が捕まえていました。

この惑星はもう、創られるのでなく、自分で成長できるのだ、と子供は感じました。
自分が何もしなくても、この惑星は生きているのだと。
子供は偉大な神様のところへ行く事を決心しました。


子供は急いで偉大な神様の元へ行きました。
「偉大な神様、私は一人で惑星を創る事ができませんでした。どうかお許し下さい。」
と、自分の手の平においてある惑星を偉大な神様に見せながら、子供は言いました。
偉大な神様は、惑星を見ようと、子供の手から惑星をとりました。
「これは凄い!これの名はなんと」
偉大な神様は海を、酸素を、層を見て、感じて、驚きました。
「ぁ、、地球、と名づけたいと思っています。」少し不安げに、子供は答えました。
実は名前を聞かれて、急に思いついた言葉を言っただけだったのだ。
「地球か。良い名だ。 …そしてこれを一人で作ったのではないというのか? 誰が手伝ったのだ」
偉大な神様は子供に聞きます。
「誰も手伝ってはいないのです。」と、子供が言う。
「それならば一人で作っていない、というのはどういうことか」
偉大な神様は不思議に思いました。誰も手伝っていないのに、一人で作っていないという子供の考えが分かりませんでした。
「偉大な神様もお気づきのように、その惑星には酸素、という物質があります。 それを創ったのは、私ではなのです。」子供ははっきりと、そしてしっかり偉大な神様の目を見つめながら話しました。
「私の植えた植物たちが創ったのです。 そして層がそれを捕まえています。 もうこの惑星は、自分で成長できるのです。」子供は全てを偉大な神様に伝えました。
「そうだったのか。。確かにお前は一人でこの惑星を創ってはいないということになるな。違うものが惑星のものを創ってしまった。ものであれ何であれ、自分一人で創る、というのが掟だ。 …一人で創らなければ、不合格だという事は知っておるだろう。 その後の結果も分かっているな?」と偉大な神様は少し残念そうに言いました。
「はい。わかっています。」子供は少し気を落としながらも答えました。
「わしもどうにかしてやりたいが、長年の掟、そう簡単に変える事はできん。 お前は一生、名の無い神様となるのだ。 しかし、わしはお前に言うた。“今までにないものを創れ”と。 そしてお前はそれを創り出した。」地球を見つめながら、偉大な神様は一息ついた。
子供はじっと偉大な神様を見つめている。
「お前は本当に新しいものを創りだした。 それは素晴らしい事だ。 だから名はやることはできないが、お前の願いを一つだけ叶えてやりたい。」偉大な神様はそう言い、いつも座っている椅子から立ち上がり、子供に惑星を渡しました。

地球を受け取りながら子供は、
「…そんな、本当によろしいのですか」と聞きました。
偉大な神様は、「お前は地球に植物を植えると、酸素ができると知っていたか?」と言いました。
「いいえ」子供は答えました。
「ならば、地球が自立し始めたのは、お前のせいではない。 だが、今まで例がなかったこともあるのだが…そうだとしても、何かが働いてしまったため、お前は一人で創っていない、ということになる。 こんなに美しいものを創ったのに、何もしないのでは、お前に申し訳ない。」
偉大な神様はそういうと、子供を見て、
「お前の願い事は何か。」と聞きました。
子供は地球を眺め、言いました。「私を、地球の自然にしてもらえませんか? そして私が責任をもって、綺麗で、生きた惑星を最後まで見守っていきたいと思います。」
「それがお前の願いか?」偉大な神様は子供の一途さに感動しながら、言いました。
子供はまっすぐ偉大な神様の目を見ながら、「はい。」と答えました。
「それでは、お前を地球の自然としてやろう。」偉大な神様がそういうと、子供はすぅっと地球に吸い込まれていきました。
「ありがとうございます」
子供は地球と一つになりながらいいました。

それから地球には、たくさんの植物が生え、山ができ、川ができ、自然いっぱいの惑星になりました。
するとそこには、小さな生命が誕生したのです。

本当に今までにない惑星を創りだした子供の姿を見て、偉大な神様は子供にどうしても名をつけてやりたいと思いました。
でも神様として名づけることはできません。
偉大な神様は考えました。
そして、思いついたのです。
子供を、マザーネイチャーと名づけよう。
地球の母として、一生あり続けるようにと願いながら。


「こうして地球は生まれたんだよ、ソフィア、マザーネイチャーの愛に包まれて。今があるのもこの神様のおかげなんだ」
「神様は一人ぼっちでさびしくなかったのかな? おじいさん」
「そうだね、だから偉大なる神も月をつくるよう、子供に言ったのかもしれないね。地球を、彼女を見守ってあげるように。」









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