さて,今さら説明は不要だろうけれど,Dumb Ways to Die とは,メルボルンの鉄道会社・メトロ社の安全啓発ソングである。先日,画像付きで YouTube に流されるや,世界中で一挙に大ブレイクした。 http://www.youtube.com/watch?v=IJNR2EpS0jw
以下,原詞と拙訳。
Dumb Ways to Die おバカな死に方
Set fire to your hair 火をつけちゃえ,自分の髪に Poke a stick at a grizzly bear つっついちゃえ,ハイイログマ Eat medicine that's out of date ボリボリ食べちゃえ,古くなった薬 Use your private parts as piranha bait 大事なあそこでおびき寄せてみよう,ピラニア Dumb ways to die, so many dumb ways to die ※ いろいろあるよ,おバカな死に方 dumb ways to di-i-i-ie, so many dumb ways to die ※ いろいろあるよ,おバカな死に方
Get your toast out with a fork 引っ張り出そう,トーストをフォークで Do your own electrical work 自分でやっちゃえ,電気工事 Teach yourself how to fly 適当に飛ばしてみよう,飛行機 Eat a two week old unrefrigerated pie 食べちゃえ,放置2週間のパイ (繰り返し ※×2)
Invite a psycho-killer inside うちにご招待しちゃえ,殺人狂 Scratch a drug dealer's brand new ride 傷をつけちゃえ,ヤクの売人の車 Take your helmet off in outer space 宇宙で脱いじゃえ,ヘルメット Use your clothes dryer as a hiding place 隠れんぼしてみよう,乾燥機で (繰り返し ※×2)
Keep a rattlesnake as pet ガラガラヘビはペットにしちゃえ Sell both your kidneys on the internet 腎臓は2つともネットで売っちゃえ Eat a tube of superglue 接着剤は1本丸々飲んじゃえ “I wonder what this red button do?” 「この赤いボタン押したら,どうなんのかなァ?」 (繰り返し ※×2)
Dress up like a moose during hunting season 狩猟シーズンには,ヘラジカの扮装しちゃえ Disturb a nest of wasps for no good reason スズメバチの巣には,訳もなく手を出してみよう Stand on the edge of a train station platform 駅ではホームの端っこに立っちゃえ Drive around the boom gates at a level crossing 踏切では遮断機をよけて車で強行しちゃえ Run across the tracks between the platforms 駆け抜けちゃえ,ホームの間の線路 They may not rhyme but they’re quite possibly このあたり,韻は踏んでないかもだけど,たぶんきっと Dumbest ways to die, Dumbest ways to die おバカな死に方一等賞,おバカな死に方一等賞 Dumbest ways to di-i-i-ie おバカな死に方一等賞 So many dumb ほんとにいろんな, So many dumb ways to die ほんとにいろんな,おバカな死に方
"Be safe around trains. A message from Metro." 「線路の近くでは気をつけよう メトロ社より」
twitter では,Happy Tree Friends,いわゆるハピツリに言及している人が多いようだけど,グロシーンを単純な絵柄で何とか見られるものにする,という手法は,South Park の Kenny 殺害ネタも思い出させる。 また,Dumbest Ways to Die という発想そのものは,ほぼ間違いなく,Darwin Award (ダーウィン賞:年間で最もおバカな死に方をした人たちに与えられる賞,映画化もされている)が下敷きだろうと思う。
直接の影響関係はなさそうだが,ほかに僕が連想したのは,同様に脚韻を踏んでいるエドワード・ゴーリーの『ギャシュリークラムのちびっ子たち』(子どもたちがアルファベット順に1人ずつ死んで/殺されていく),ポール・サイモンの“Fifty Ways to Leave Your Lover”のサビ(テンポのよい命令文の羅列),そして,ティム・バートン「ビートルジュース」(あの世の役所で,死者たちが自分が死んだときのままの姿で,順番待ちをしたり勤務したりしている)あたり。『ギャシュリークラム』は,英語版 Wikipedia の該当ページで引用された紹介記事でも(ダーウィン賞とともに)しっかりふれられていた。
で,実を言うと,(すでにほぼ回復しているが)一目見たときから,僕はこの Dumb Ways to Die がツボでツボで,フリータイムは可能な限り眺め続け,そうでなくてもずっと頭の中で流れているという,かなりヤバい状態だったのだ。 実際,「不思議な中毒性」がある,と紹介している記事もあり,YouTube に寄せられるコメントを見ても,そういう人は少なくないらしい。YouTube には,DWTD がひたすら繰り返される1時間バージョンまでアップされている。 僕は基本的にはダーク・コメディのファンなのだけれど,かといって,ハピツリやサウスパークが特段好きなわけではない。それがなぜこの歌と動画にだけここまで中毒してしまったのか,つらつら考えてみて,2つ,思いついたことがあった。