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先日の記事で、「DUNLOP FORT(テニスボール)は隠れたブランド品だ」ということを紹介させていただきましたが、今度は身近な企業/商品でそういったものがないか、考えてみました。ルイヴィトンなどは明らかな(誰でも知っている)ブランド企業/商品ですが、たとえば自分の仕事関連で考えると、あまり知られていないものが見つかると思います。私は機械系の研究開発の仕事についていますので、その関連で考えてみます。ただし、割安さなどは全く考慮していません。というか上場しているかどうかすら調査していませんので、興味のある企業がありましたらご自身で調査してください。また、当該商品がその会社の売上に占める割合が非常に小さかったり、そもそも市場規模が小さすぎる場合もあります(DUNLOP FORTはその一例です)。キーエンス計測器関連。「世界初」の商品が目白押しでヒキが強い。「商品としてのパッケージングがうまいだけ」と揶揄されることもあるが、実際売れている。営業利益率は脅威の50%で、社員の給料は異常に高い。研究開発に力を入れている。ハーモニックドライブシステムズ減速機構。このブログですでに紹介済み。ロボットアームなど、「ハーモニックドライブじゃないとだめ」なアプリケーション多数。ただし、設備投資動向に業績は左右される。共和電業ひずみゲージ。共和電業以外を見たこと自体があまりない(1回もないかも)。私自身、共和電業以外使う気がしない。評判が高いし、メーカーを変えて計測値の出方が変わってしまったらデータを活用できなくなる。東レリサーチセンター化学分析など請負。データの信頼度が高い。値段もむちゃくちゃ高い。そして1回頼むと、データの継続性から次回も頼まざるを得ない。分析データの信頼性はもちろん、分析ノウハウも多く持っており、サポートも厚い。(じゃないと高い金払う価値がないけど)他に日産アークなども力がある。日本ITFコーティング。切削工具などのコーティングで高い技術。日新電機の子会社。エスペック環境機器。恒温恒湿槽など。他メーカーでもいいけどなんとなく使っている。決め手が分からないのでとりあえず有名で信頼性の高そうなところ、という選択基準。そういう意味では他メーカーの営業がきっちりアピールできれば乗り換える余地はある。キムワイプ(商品名)実験室で、溶剤を拭いたりするときのティッシュのようなもの。それは何?と聞かれたら「キムワイプ」としか答えようがない。(コピー機をゼロックスと呼ぶようなもの。「コピー機」に対応する品名が分からず、「キムワイプ」と呼んでいる(笑)。)性能がいいのかどうかは分からない。他の商品しらないしみんな買ってる。恐るべし習慣。キムタオルってのもある(紙のぞうきんみたいな感じ)。太陽日酸工業用ガス最大手。入札したら大体勝ってる。ガス業はスケールメリットが効くらしいので強いのだろう。国際チャート紙ペンレコのチャート紙。どこみても国際チャート紙のものばかり。ただし、計測器のデジタル化でマーケット縮小傾向。業績もよろしくない。しかし、アナログの良さというものがあって、電子データと比べると使い勝手は劣るが、確実にデータが残るのでデータ保存のバックアップとしては今後も確実に生き残る。オートデスク社(アメリカ)CADのスタンダード。少なくとも2次元CADでは。3次元CADでの独占っぷりは知らん。3次元ではPro/Eとかいろいろあるように思える。National Instruments社(アメリカ)LabViewという、アイコンを配置していくだけで直観的に、簡単に計測制御計のプログラミングができるソフトを開発・販売。非常に便利。素人でも5分で簡単なプログラミングができてしまう。そして値段が高いし、サポート料金も高い。書籍があんまり出ておらず、技術的な情報を得ようとおもったらサポートプログラムに入って、セミナーを受講するのが最良なのでサポートに入らざるを得ない。とりあえずこんな感じですかね。研究開発の分野は、もちろん近年はコストダウンの圧力は強いですけどデータの信頼性が第一なので、いいものは高くても買わざるを得ない傾向があると思います。みなさんの専門分野でのブランド企業も教えてくださいよー。ブランド価値の創造日本発ブランド価値評価モデルブランド価値を高める統合型マーケティング戦略
2008.05.19
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投資家も~ちゃんさんが、成長株と景気循環株の違いを、経常利益の推移から判定する方法を提唱されています。 数値で判定するので主観が入りにくく、誰がやっても同じ結果になるのがいいと思います。 ただ、7年間も経常利益が成長している企業は、その後どのくらい、さらに伸びる余地があるか?を属する業界の動向、シェアなどから類推する必要があると思います。 まあ、景気循環株を振るい落とすための判定方法でしょうから、単独で用いなければ全然問題ないと思います。 私の理解では、景気循環株に分類される企業≒固定費率が高い企業、です。 集合として完全に一致しているわけではないでしょうが、固定費率が高いと景気循環株的な動きをする可能性が高いと思われます。 固定費率が高いと、少しの売り上げの上下でも利益の額が大きく変動します。 また、固定費率が高いと損益分岐点が高くなってしまうので、固定費率の低い企業と比べて少しの売り上げ不振で赤字が出やすい経営構造になってしまいます。 つまり、景気の影響を敏感に受ける企業であると言えます。 そういうこともあって、最近では製造業でファブレス(工場を自前に持たない)の形態を取っている企業が増えているようですね。 ファブレスにすることによって固定費率を下げ、業績(利益)の変動を抑えることができます。 その代わり、売り上げが爆発的に伸びてもそれほど利益の方は恩恵を受けないのが固定費率の低い企業の特徴です。 損益点分析の図を書けば一発で分かるんですけどね・・・。ものぐさなので。 確か、大手電機メーカーでもシャープは固定費率が低く、業績のブレが少なかったはずです。ちゃんと調べたわけではありませんが、業績予想の修正も少ないのではないでしょうか?? でもシャープといえば亀山工場ですね。ファブレスじゃないぢやん!!逆に言えば、シャープの経営構造は、最近の積極的な設備投資で変わりつつあるのかもしれません。時系列で損益点分析を行うとその変化を捕らえることができる可能性があります。 私はキャッシュフロー分析(運転資金構造分析)と損益点分析は、ファンダメンタル分析をする上で極めて重要だと考えていますが、話題に上ることは少ないようですね。 これには分析のためにそれなりに手間がかかることと、情報が少ないことが原因だと考えています。 例えば損益点分析には固変分解をすることが必須ですが、通常の財務諸表から正確にこれを行うことはまず不可能です。 売り上げをX軸に、営業利益をY軸にして四半期決算ごとに値をプロットし、最小二乗法で直線のフィッティングをすれば、Y軸切片が固定費額、直線の傾きが変動費率ということで「統計的に」固変分解を行うことが可能ですが、四半期ごとでは年間4点しかプロットできないので誤差が大きく、私の経験では固定費額がマイナスになったりすることがよくありました。 それでもやったほうがいいのですが、時間に対するコストパフォーマンスが悪いです。 ときどき、比較対象の2社の経営構造の違いがこれら運転資金構造分析や損益点分析結果の違いにきれいに現れ、投資判断の役に立つことがあるのでやめられません。 私が思うに、役に立ち、使いたい情報って入手するのが困難な場合が多いんですよね。 だから人は、手っ取り早いPER、PBR、ROEなんかですませるんでしょうね。 これらの指標はもちろん私も使ってますけど、多くの人が見ていますから基本的には単独ではそれほど意味がある指標だとは思えませんね。投資対象にならない企業をはじくために使うものだと解釈しています。 PERだけじゃなくてちょっと「真のPER」とかを計算してみるだけでもずいぶん違うと思うんですけどね。真のPERは財務の違いも考慮してくれるのでオススメです。 役に立つけど入手しづらいデータの例としては、他にオプションのIVのヒストリカルデータなどがありますね。 アメリカ市場(シカゴCBOE)ではコード ^VIXでIVのヒストリカルデータが見れます。しかも異なる権利行使価格や(異なる限月も?うろ覚え)の異なるIVの値を適切に重み付けして1つの値にしてくれる優れものです。興味のある方はここをどうぞ。 業績予想の修正癖なんかも、過去のIR資料などを漁る労力が最低限必要ですよね。 決算書類なんかも、私は出来る限り過去のものから集めないと気がすみません。 しかし、3年や5年で十分だという意見もよく聞きますし、分析にかける時間との兼ね合いを考えたらそれが正解なのかもしれません。私の場合は性格ですね。 価値がある情報が入手しづらいのではなく、入手しづらいからデータとしての価値があるといったところが本当のところかもしれません。簡単に手に入ったら広まって有効性が薄れてしまいそうです。 我慢してシコシコと計算していくしかなさそうです・・・。
2007.03.01
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ドラッグストア、ディスカウントストア、100円ショップ、食品スーパー、ホームセンター、これらに共通するのは「安さを売りにしている」ことです。これらを「安売り系小売業」と勝手に名付けることにします。 ホームセンターは他と少し品揃えが異なり、本当に安いのかどうか、ちょっと判断しかねる部分もありますけど、まあ価格を目立たせたチラシを打ってくることからも一応は安さを売りにしていると考えることができます。 この5業態に、安売りではないものの商品構成のかぶる雑貨屋、コンビニの2業態を参考に加えて、商品構成を比較したのが下の図です。 ◎は特に品揃えの豊富なカテゴリー、逆に△は一応置いてはいるものの品揃えの悪いカテゴリーです。 印を打つのに迷った項目もありましたが、まあざっくりとはこんな感じだと思います。(ウーロン茶とか置いてるホームセンターは見たことありますけど食品置いてるところとかあります?) こうしてみると、100円ショップとディスカウントショップって、やっぱり似ていますね。もちろん、100円にできないものをディスカウントショップは置いていますので商品構成は違います。 100円という制限を付けてないのでディスカウントショップは品揃えの点で有利ですが、100円ショップはどの商品も100円だという安心感と明朗さが顧客を惹きつけると思います(最近は300円、500円の「高額」商品もありますが)。 100円ショップはPB(プライベートブランド)商品の比率が高いですから、意外と儲かる商売だと思います。消費の二極化(大前研一氏の言うところのM字型社会)によって、景気が良かろうが悪かろうが、客層は厚いです。企業業績が給料に還元されていない今、需要はまだまだ大きいと思います。 他の業態を見てみますと、薬はドラッグストアか、表にはない調剤薬局で買わなければなりません。 規制緩和でコンビニでも一部の薬の販売ができるようになるとのことで、競争激化が心配されますが、個人的な見解としては影響は限定的だと思います。 この中でビジネスモデル的に優れているのは、なんだかんだでドラッグストアだと思います。成長鈍化だとか飽和状態だとか、おまけにあるある大事典の件もありましたが人々の健康に対する関心は高く、集客力があります。 また、利益率の高い薬や健康食品を抑えているおかげで食品や日用雑貨の価格を下げることができます。逆に安い食品・日用雑貨を買いに来た顧客が薬・健康食品を買うという相乗効果を見込むことができます。 その次に魅力的だと思うのが上述の通りの理由で100円ショップで、食品スーパーは地域特性に合わせた店舗作りが必要なことから規模を拡大しづらいし、ディスカウントショップは何か尖った品揃えなり、マーケティングが必要になると思います。雑貨屋も同様で魅力ある店舗作りと商品のセンスにかかっていると思います。 ホームセンターは、ホームセンターじゃないと買いづらいものも結構ありますが、非上場のジョイフル本田の存在が気になります。まだ全国には展開していないみたいですが、仮にそうなったら既存のホームセンターは太刀打ちできないのではないかという印象を持っています。
2007.02.27
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競争優位性のある企業は過当競争に巻き込まれること無く利益を上げられる。では、競争優位性の源泉とは何か?ちょっと考えてみた。1.参入障壁規制産業 タバコ、TV局、競輪・競馬など、かつての銀行業 タバコ: JTが独占。政府が価格決定権を持つ。 世界的な禁煙傾向があるが、独占事業のため価格を上げることができる。 しかもタバコは中毒性があるので、多少の価格アップくらいでは止められないことが多い。 ・規制緩和によって競争優位性を失うこともある。 ・社会の変化により競争優位性が脅威に曝されることもある。 cf.)世界的な禁煙ブーム、電力自由化、インターネットの普及によるメディア革命、巨額の投資・研究費が必要 鉄鋼業、自動車製造、製薬、化学原材料の調達可能性 原材料の供給が少量、業者が少数、既存業者の流通チャンネルに入り込めない2.撤退障壁多額の設備投資の償却が済んでおらず、多額の特損が発生する 経済合理性からはそれでも撤退すべき場合があるが、退職引当金不足、従業員の反発などがある。地域に大きな雇用を生み出している、地域の助成金などを使っていた cf. 日産座間工場 助成金による参入コストの低下は潜在的な撤退コストの上昇につながる。重要な製品である cf. 半導体産業:半導体はハイテク機器の性能を決める重要な部品。 他社に依存して技術をコントロールできないのを恐れる。経営者の意思決定(行動心理学) 自尊心、愛着など設備が特殊 特殊な設備はタダ同然で処分される、使い回しが利かない。3.移動障壁戦略グループ間移動の障壁 企業イメージを変えられない。 経営資源(設備、人)が移動先グループにそぐわない。その他参入障壁と同じ 規模の経済、流通チャンネル、巨額投資など4.その他ブランドイメージ インパクト21:ポロラルフローレン サマンサタバサ カッシーナ SHOEI マキタ製品の差別化/スイッチングコスト プロネクサス衰退・ニッチ産業である 成長性のないイメージから参入を控える 限られたパイの奪い合いになるため参入を控える 家具:ニトリ、ボウリング:ラウンドワン 日本金銭機械、亜細亜証券印刷利益率が低い 利益率が低いと参入魅力に欠ける → 独占が起こる 低コストオペレーションができる企業が残る 生鮮コンビニ:99プラス 最近はローソンの参入あり 私見:利益率が低いと結局は大成できないのでは。不振に弱い。高い技術力・ノウハウを必要とする 競争力を人材に頼る企業:投資業など 人材がいなくなると競争力を失う危険性あり。イメージが悪い、人がやりたがらない 清掃業 葬儀 エイジス:棚卸代行、めんどくさいうーん、まとまらない・・・。
2006.12.28
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