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パチンコ道 副主任時代



『ライブ』は一応チェーン店(店舗数かなり少ない)
その本店に「アドバイザー」(コンサルタント)が入った。
その訳はその当時知る事は出来なかった。
本店のかなり早いスピードで変化していってると小耳に。
ミーティングや研修なんぞ全くなかった会社で
『今度本店でミーティングがあるので
 うちからはmocha君出てきてくれ。』と副店長。
(行きたくないことは俺ですか・・・)

当日初めて行く“本店”
本店は本部であり
社長、専務、常務、統括部長
年功序列の土台を築いてきた大物が居る。
店長もかなりの大先輩。だと聞いている。
パチ・スロ合わせて約1000台を纏めるとなりゃ
かなり『やり手』の人だと勝手な想像。

歴史が長くまずまず老体化した店内。
カウンターに行く『○○店から来ました』
そして最上階に案内されドアを開けると
30人以上の制服軍団(何人いんだ?)と
スーツ2人。この2人がコンサルタントか。

次々と制服が追加で入ってくる。
40人くらい集まったか・・・。
(店は大丈夫なのか?)
さてミーティングスタート。
すると店舗運営・経営に関しての
“意識”について淡々と話をし出す。
話の口調はかなり慣れている。
「はぁ~仕事出来そうだね」(私何様?)
30分ほど話したら今度は
パチの専門知識
『稼動とは』『玉粗利とは』『台粗利ってのは』
かなり得意げに話をしている。
周囲の皆さんは沈黙。しかも視線は下がってる。
そしてその後『皆さんに宿題を出してありましたね』
また・・・私は聞いてないし・・・。
(副店長いつもこんなん)
話を聞くと
『現状の店舗において気付いた改良点を出し合う』
こりゃ私には無理だ。本店で働いたことがない。
それどころか初めて来たくらいだ(苦笑)
誰も口を開かない。
『積極的な発言が無いのは意識が低い』
なんだコイツ・・・
世の中には発言に対し得意不得意あんだよ。
さらに沈黙が流れ
『このことだけでなく質問等でもいいんですよ』
なんだかイライラしてきてた私はとうとう
『先ほどお話していた時間IN稼動ですが
 考えとして総遊技時間数で見るのではなく
 IN玉で考えるのかのメリットを教えてください。
 それと今まで計数管理等筋には離れていた会社ですので
 ・・・あ、それはもうご存知でしょうね。すみません。
 全員がりかいできるように説明をお願いします。
それと先ほどの改善点ですが~~~~』
一人で永遠と話をし始めた自分。
周りの皆さんは黙って聞くだけ
コンサルさんは頷いて聞いている
もう一人は私が言ってることを
一生懸命ホワイトボードに書いていた。
話し終わるとコンサル(講師的に話をしていた方)が
少し間を置いて『えぇー・・・時間INの事ですが
今もうこっちで始めていて記録しているノートが・・・
下の事務所にあるから持ってきてくれ!』と
ホワイトボードに書いていたコンサルが
ドアを開けドンドン言わしながら階段を下りていく。
その間に私のした意見に対しての返答が続く
そかし最後に『時間ももうないですし
他の方にもまだ難しいでしょうからまた後日説明しますね』
『皆さんに難しいからって、最初に説明しようとしていたのは
 ○○さんでは・・・』と返すと
『それはこれから残ることになってるので
 皆さんと話をしていきます。
 はい、とりあえずお疲れ様でした。』
と同時にドアからノートを持って戻ってきたコンサルが
『えーっとね、ココがこうだからこう記入して・・・』と
説明が始まる。とりあえず『わかりました、ありがとうございました。』
と言って終了。
目の前ではいくつかグループ別けになった人達が
雑談チックにコンサルを交え話しをしている。
(さっきまでの静けさは・・・)
荷物を持ちデカイ声で『お疲れ様でした!』
返ってくる言葉はかなりマバラ。

何だか冷やかな目を貰いながら終了しました。

でも正直ちょっと楽しかった(苦笑)
さてこの『ライブ』これからどう変化していくのか?



パチンコ店 仮名『ライブ』店長移動 左遷?

今まで計数管理すら出来ない知らない連中の集まり
『割』しか考えずに日々の調整が進んでいく
それがコンサルが入った事で
威張りくさっていた連中が手のひらを返す。

『ナメられてたまるかっ!』ってタイプ
そう思うならそれだけ仕事をしろ。
『はい。おっしゃるとーりです』
コンサルの言う事を聞いて
今までのスタイルを完全に失う者。

コンサルが入った事で正直会社的には成長した。
お店がというだけでない。会社として。

ただ今まで江戸っ子調で
店をみてきた私所属店舗の店長は立場が厳しい。
業者や町内会の人たちとも仲がよく
地元密着型店 店長 には適した人材だった。
が、・・・数字には滅法弱い。
当時のデータを見ると
売上、粗利、経費においての予算立てもなく
実績においては全くと言っていいほど理解していない。
何にいくらつかったのかすら・・・
それを知ったオーナーが激怒。
主任クラスや事務員さんのいる前で
怒鳴り散らし『そこに立ってろ!』
オーナーはまだ若い35歳前後。
そして店長は55歳前後。
見ていられない光景だったそうだ。

その後しばらくそんな事が続いたらしい。
(私が居る時は一切みていない)
そして店長はあまり店にこなくなった。
体調不良をうったえて来なくなった。

そして2,3ヶ月経った時に
店長が『本部 営業部 勤務』と命じられた。
本人は出勤していない。電話で告げられたそうだ。
仲の良い業者さんたちから聞く言葉は
『飛ばされたんだろ・・・』

そして私の大嫌いな副店長が『店長』に。
彼は喜んだ。それが目に見えてわかる。
『店長と呼ばないでいいよ』っていいながら
業者が来て『店長』と呼ばれると声が
1オクターブ上がる。単純だ。

それが店長になり店の状況は悪化した。



パチンコ店 仮名『ライヴ』無情な声

ヤツが店長になり店は纏まりを失いつつあった。
ヤツは早番に偏った出勤で遅番にはほぼノータッチ。
私はまだ被害は少ないほうだった。

この数ヶ月前から釘などの調整に入り
毎晩遅くまでの調整が続いていた。
が、ヤツは昼過ぎに来て
店のピークには帰宅。

釘の調整などやった事もない。
このころ遅番の主任様が偉そうに
釘について「うんちく」を語る。
が、これまた「オカルト」だらけ。
釘の動きすら完全無視だ。
思い道りにいかない調整にイラつく姿も。
しかし結局は『自分が正しい』のだ。

そんな矢先に当店にも「コンサルタント」登場。
気の優しそうな・・・いや気の弱そうなキャラだった。

彼は一月あまりで色々な改革を進めていく。
しかしヤツ(店長)のワガママ強引に
結局最後は押されている。
意見は言うが結局流される。
流されるとオーナーに直接言う。
なんら改革にもなっていない。
そのお陰でオーナーが良く顔を出す様になってきた。

小さい事でもチクチクと言い
『調子こいた店長様』も徐々に疲れた表情を見せるようになった。

そんな時だった。
コンサルの口から思いもしなかった言葉が。
「mocha君、本店勤務になりそうだよ。」
この状況で・・・
みんなを放って行けますか?
みんなのために思ったことを意見する人がいなくなったら
誰が自分の立場も考えずに店長や主任に
「それは違う」と言うのですか?
コンサルよ・・・何を言い出すんだ?



パチンコ店 『ライブ』への怒り

コンサルが入って最初の行動は
店舗経費等の節約から入り。
静かな立ち上がり。かと思えた。

が、「本店移動」の話が出たころに・・・
大型解雇。いわゆるリストラが決定していた。
だいぶ年上のおじさん社員がいたのだが
優しく 決して仕事を選ばない
難しく考えない 積極性はない
一時は他の店舗(潰れた店舗)の役職もやっていた人材。
その人と早番の女性社員(40代後半)
が対象となったと耳に入った。

と、同時にアルバイトも30代を対象に解雇の話。

これまでにない怒り。
現場を知りもしない輩が決定した事。
しばらくすると本店では30名以上のリストラ決定との
情報も耳に入ってきた。
怒りが収まらない状況に。

長年に渡り真剣に仕事に取り組んできた。
アルバイトも社員も・・・
人材の材は財産の『財』だと
そんな話を聞いたこともないのか?

店長に申し立てた。
上に対しては何も言えない店長もどきは
もちろん聞き流すだけ。
コンサルに聞くとその時は濁した。

その後コンサルに「本店勤務」の話を進められ
バッサリと「お断りします」
数日間に渡り説得も「応える気はありません」
「リストラする意味がわからない。」
「今まで数年に渡り貢献し
 今も充分に戦力になっているのに理由がわからない」
それに関して明確な応えは一切返ってこない。

断わり続けていたがオーナーが直接話しに来た。



パチンコ店 仮名『ライブ』オーナー

コンサルからの『本店行き』の話を断わり続けた結果
オーナーから呼び出しを食らう事になった。

オーナーと初めて会ったのは
社員になって数ヵ月後の入替の日。
その日は入替台数が多く
スタッフが全員汗をダラダラかくながら作業に入った。
その中にTシャツGパン、頭にタオルの男性が一人。
台を黙々と運び出した。
が、台を運ぶ往復の際に階段ですれ違う
誰だか知らないが堂々としてるのはいいが
正直邪魔だ・・・店内はあまり広くない。
その人は体格も良く通路、階段ではかなり邪魔。
その繰り返しに耐えられず
『すんませーん。ちょっとどいてもらえます』
『あ、すまんな』気持ちよく譲ってくれた。

その後作業も終盤に。
あと少しというところで頭のタオルを脱いだ。
そして店長が『ありがとうございました!』
        ん?
『じゃぁ、よろしく頼むな』
        ん?
店長『はい!専務!!!』
はぁぁぁ?!
これがオーナーとの出会い。

その専務が本店で15時に待機して私を待つ。
本店に着いた。もうこうなりゃ何でも言ってやる。
部屋に入るとコンサルも同席。

『よく来たな』『はい。』
そこから話が始まった。
だが『申し訳ありませんが・・・』を通す。
でも納得して頂けない。
仕方ない本音トークを。
『今の状態で私が抜けるわけにはいかないと思っています。
 転勤しそうだと皆に伝えたら嘆願書を書くとまで言ってくれました。
 それは私が抜けたら誰からも信頼されていない店長・主任の
 思うようにいってしまう可能性があるからです。
 まともにホールにも下りてこないで
 決まりを作ったから従えと言われて誰がやりますか?
 業者との打合せだと言っては業者一人に対して
 店長・主任2人・副主任で話をして大笑いしてる光景を見て
 誰が「頑張ろう」と思えますか。』
すると少し表情がムっと変わる。が、耐えたのを感じた。
『私はそうは思わないが、もしそうだとしても
 君がいなければ良くない店だと困るんだよ。
 君がいなきゃ成り立たないのでは意味がないんだ。』
私はもう止まらない
『だとすると本店に私が必要な意味がみつかりません』
このチョー生意気な言葉にオーナーは・・・キレない。
『この本店に必要な事は幹部全員一致の上だ。』
わからない・・・幹部のほとんどと面識がないのに。
横に居たコンサルも
『君が必要なと言うのは今の様にオーナーにでも
 しっかりと意見を言えること。
 お店のためにスタッフのために必要と思ったことは
 みんなで取り組める様にすぐに動く事。
 判断、決断、実行、信頼、成果
 これが今の本店に必要なんだよ』
こいつらか・・・
以前本店で行なわれたミーティングに参加した時に
目を付けられたんだ・・・
隣でオーナーは笑顔で頷いている。
しかしなかなか『わかりました』と口から出てこない。
『ひとつ宜しいでしょうか?』と言い生意気発言第2弾
少し前に30歳を超えたアルバイトなどは解雇し
若返りをと聞いた。(店長から。普通それを言うか…
言う前に、そんなもん却下してこい)
うちの店には信頼をおける30代2名がいる。
そして今回のリストラ騒動。
それに対してどうしても納得がいっていなかった。
『アルバイトの年齢に関して問題視されている様ですが…
 社員は30代がゴロゴロいます。
 お客様から見れば「この人バイト。この人社員」
 なんて区別はつきません。
 お客様からすればスタッフはスタッフだと思います。
 働きも良く社員からも良い手本になっています。
 このお話をどうか考え見直して頂きたいのですが』
オーナーは下を向き数秒間の沈黙
やっちまったか・・・クビか・・・
『そうだな。その件に関しては会議の時に話が出た。
 まだ決まった事ではない。ただココ(本店)に関しては
 年齢の高いバイトが機能してるとは言い難い状況。
 mocha君がココ(本店)に来て改革してくれるのなら考える。
そうきましたか・・・困った。
『申し訳ありませんが考えさせて頂けますか。』

数日悩んでいたが考える事は悪い事ばかり
『俺が移動したらバイトは解雇されるのか・・・
 社員のリストラも止められないのか・・・』

数日後オーナーに報告

『決心がつきました。
 引継ぎを完璧に行いたいと思います。』
『一緒に頑張ろう!不安な事はない。
 これからドンドン相談しに来い!』

    本店勤務が   決まった。



パチンコ店 仮名『ライブ』オーナーの涙

本店勤務が決まり
30歳以上のアルバイト解雇の話は消えた。
しかし社員リストラの話は揺るぐ事はなかった。

どうしても抑えられない怒り。
もう本店勤務が決まり残り少ない期間でどうにかしたかった。
が、ただの副主任に何の力もなかった。

しかしコンサルの口から
『今度正式に辞令を言い渡されたらわかるけど楽しみだね~』
『何が楽しみなの?どうせ俺もいつかはお払い箱でしょ』
と、言うとコンサルは複雑な表情を見せた。

この店での勤務も残り3週間というときに
オーナーが本店元店長の部長とともにやっていた。
事務所奥の応接室に呼ばれる。
部長が口と手に持っていた辞令を広げる。
と、同時にコンサルから『おめでとう!』
ん・・・・・・・・・・・・・・・。
『mocha殿 ○月○日より
本店(実際には○○店)店長を命ずる

驚いたなんでもんじゃない。
長年年功序列制度を守り
実力の無いものも有るものも関係なく役職に就いてきた
この会社が何を狂った事を言い出したのか・・・。
驚いた表情は見せずに冷静さをグッと引き出し口を開いた。
『ありがとうございます(実際はカミカミだったかもしれない)
 しかし…私がこのままお世話になり頑張ったとしても
 いつの日か歳を重ねたあとには今回の様に
 リストラされるのであれば
 私は互いに信頼・信用し働く事は難しいかと思っています。
 今回の件、どうか考え直していただけませんでしょうか・・・』
オーナーの隣にいる部長は驚いた表情で
オーナーが怒鳴り始めないかビクついた顔に変わった。
そのオーナーは笑っていた顔が悲しさに変わっていたように感じた。
そして数秒の沈黙後口を開いた
『この会社は業績自体では何等不振もなく続けてきたのだが、
 数年前のバブル崩壊後数店舗をたたむ他なくなった。
 つまり負債をかかえている。なので彼、そして本店にも
 彼のような人がいる状態だ。
 Mochaが思う以上に負債は大きく今までの方針では
 今以上に返済できないと判断した返済会社は
 今後営業を続けるにあたって色々と口を出す。
 それに従わなければ営業できない様になる可能性もある。
 今回のリストラは人徳的には悔しく悲しい。
 その責任は自分にあると重々捕らえている。
 しかし残る社員の今後を考えるのなら
 将来の未来の有望な社員と会社のためには
 そうしなければならなかった。
 それを今後一緒にやっていくのが君なんだ。』

唖然とした。呆然とした。
オーナーの目にうっすら涙があったように見えた。

もう私は何も言えない。
言ってはいけない。
期待に応えなければいけない。



パチンコ店 仮名『ライブ』副主任としてのラスト

数日後店舗でミーティングが行なわれた。
社員全員集められた。
6月11日から社の体制・仕組みが大幅に変わる説明会だ。

15枚ほどにまとまった書類が配られた。
一枚目から説明が始まる。
まずは給料形態。休暇の割り当て。
細かい点の説明が行なわれた。

そして書類中頃にさしかかる。
めくると『本社』と『支店』のフローチャートが。
本店店長に私の名前。その下に続く名前は知らない名ばかり。
歳すらもしらない。しかも人数が少ない事に気付いた。
それを見た他の社員は驚いた様子。
本店勤務は伝えてあったが店長とは知らせてなかった。
驚いた様子だったが『すごいね』と隣に居た女子社員が言った。
私の名の横には支店店長の名。
ずっと私の上司とし何も耳にしない奴が
今は同じ立場になったわけだ。

本店勤務までの時間は必死だった。
『引継儀』だ。
いままで抱えていた。いや、バカ店長から
バカ主任から奪い取った仕事を皆に振らないと。
また彼らの手に戻せば店はよくなるどころか
悪化する。また役職を誤解した使い方をする。
細かく人の向き不向きを考えて仕事を投げた。
もちろん理解してくれるように
一人一人との時間もしっかり取った。

本店から私とすれ違いに移動してくる2人にも
会ったこともないのに連絡帳に仕事と名前を書いた。

あっという間に支店での時間は過ぎた。
最終日。ホールを回りながら
『ここで働くのもしばらくないんだろうな・・・』
なんて考えた。

仕事が終わり送別会をしてくれた。
涙してくれた子もいた(しかも男)
笑いながら送ってくれた。
御三家とよばれたバイト時代の大先輩も。
彼らには『30代バイトの解雇』の話が
あったことさえ伝えていない。

最後に大きな声で挨拶をした。
リストラをつめる事ができなかったのは
自分の責任も大きい。すみません。
と、おじさん社員にペコっ。
おじさん社員は笑っている。

今まで大きな声で怒鳴って叱ったり
ホール回しでも急遽変更したりと
みんなには迷惑もかけてきました。
みんなのためにと上と喧嘩したりと
してきたことが自分の成長になっていました。

○○店最高でしたよ。
今度副主任で戻ってきますんでヨロシク♪


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