戦う障害者

戦う障害者

現状


 長年ずっと自営業でしたが、取引先が閉鎖することになり、昨年春から父はタクシーの運転手をしています。父は体力もあり、見た目も年齢よりずっと若く見えるのですが、年が年ですから働けるのもあと数年だと思います。母は年末頃から週に数回パートに出ています。我が家は借家なので、県営か市営の住宅に入れるように応募しています。これに病気と家族問題が加わるので環境的には今が底辺だと思います。お蔭で下を見てうつむく、ということはありません。底辺にいるので、上を見てばかりです。あ、開き直りか!
 86年に運良く話があったので家を出ました。その後は楽しく毎日を送っていたのですが、あるきっかけで一時的に実家に戻っているときに不調になり、その後病気になってしまいました。

第一の問題は、私の場合、一緒に住んでいる家族問題です。病気がわかった時、まず思ったのは病気を憂えることよりも、まず「うへえ、あそこで病人やるのはタイヘンそうだなあ」、でした。で、実際タイヘンですが、ま、いじめがないだけマシかな。最近はちょっと痴呆の入った老人や病人への虐待が深刻化しているそうなので。こういうのは深刻すぎるので表面化しないんですかねえ。情報少ないですよね。私が毎日思うのは、「ま、虐待受けているわけじゃなし」と「1人暮しと思えば」の2点です。
3人の家族に共通しているのは「想像力の欠如」なので、もっとも介護者に適していない3人です。

こういう最悪な環境ですが、悔しいことに利点もあります。
まず、他の人の状態を思いやるなんてとんでもなく、しない人に囲まれているので、自分が動けなくなったらすべておしまいです。今でも言うとビックリされるくらい動かされますよ。それが結局は、少しは、進行を遅らせてるのじゃないかと思います。また、まったく状況が理解できない家族なので、仕事がなくなって、両親は老体にむち打って仕事を今でもし、上の娘は病気で、それでも下の娘は仕事につかず、金も家もなく、どう考えても最悪な状況なのに、我が家にはなんと「悲壮感」がありません。また、私のネックもこの「悲壮感」なので、これがないから強気で生意気でいられるのかもしれません。






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