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彼女は長年、「20回シリーズの聖書講座」の企画運営担当者としてお仕事をされてきました。カトリックではつい離れ気味になってしまう聖書「み言葉」に目を向け、年間を通していろんな講師の方をお招きし講演をしていただく。その中からいくつかの講演を活字に直し、本も作ってくださっています。
その経験を生かして、何年か前からこの 「深読会」 をしてくださっているそうです。
ここでは誰かが何かを教えるという形をとるのではなくて、一緒に読んだ聖書の部分について、心に残ったこと、考えたこと、思い出されたこと、気がついたこと・・・いろんなことを一人一人が語ります。
聴き手はうなずくことはあっても、はっきりと同意、反対など心に思うことは、その場では言葉にすることなく、 そっと家に持って帰ってそこでまたゆっくりと考えましょう 、というルールがあります。
プロテスタントの方々はよく聖書の勉強会においでになるからお分かりになるだろうと思いますが、聖書の基本的知識がある、ないは言葉にするとすぐにわかります。
私は講演を聞くことすら滅多になく、頑張っても月2回ぐらいしか御ミサ(礼拝)に行くこともできない、そんな状況も珍しくはありません。だからはっきりいって、聖書の知識は皆無です。
そんな私ですが、この深読会の席では、全く皆さんとおなじ大きさのものとして、語ることができ、またシスター自身もやはり同じ身の丈なのです。どこにもリーダーはいません。
そのようにして一人一人の言葉を聴かせていただくと、自分にとっては当り前なイメージや気づきが決してそうではないんだ、ということがとてもくっきり見えてきますね。
こんな感じは久しぶりです。
そしてそれは単なる意見や経験ではないのです。
一人の 人間が生きている ということがしっかりと見えるというか、 その意味が感じられる というか、短い時間だけれど 魂そのものに出会える ・・・
そんな場でした。
シスターが大切にしておられる時間だということが、私でも少しわかったような気がします。
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