桜の園

桜の園

流星



  突然 流星のように楽天に登場し、
鮮烈なイメージを残して未来へと飛立っていったシャアさんの小説です。



 * その日 *    (7月14日)


シャアさんの恋愛小説

  ケイ

1991年 7月下旬―――クーラーが効いているはずのケイの部屋でも、汗が止め処もなく流れ落ちた。
快楽に溺れる堕天使たちの午後。

ケイは全裸で両足をMの字に開脚した格好で悶えていた。
人差し指と中指でヴァギナを、親指の腹でクリトリスを攻め続ける。
ケイの鼻から淫靡な鼻声が漏れてきた。

「はぁん・・・んっ・・・」
「気持ちいい?」
「・・・すごく」
「止めたら?」
「止めないで・・・お願い・・・」

熱く爛れたケイの秘部はドロドロに溶ける寸前だった。
ケイのアソコをグチャグチャに掻き回した。

「す、すごい・・・気持ちいいよ・・・イっちゃうかも・・・」

ケイの膣が俺の指を締め付けた―――エクスタシーまで秒読み。

「イ・・・イっちゃう・・・」

ケイの肉体が反り返った。
ぐったり体を横たえるケイ。
俺を上目遣いで見つめた。

「気持ちよかった。(笑)次は、私の番だね。SHIGSくんのおチンチン舐めてあげる」

彼女が俺のペニスを頬張り、頬をへこませ、口内に溜めた唾液で音を立てて、しゃぶりついた。
ゆっくりと、ねちこっく。
ケイの口内で強度が増した。
唇で亀頭を愛撫し、右手で竿をしごき、左手で睾丸を揉み解す―――成人女性顔負けのテクニックだった。
生温い唾液が絡みつく。
俺は腰を引いた。

「イキそう?」
「・・・あ、ああ」

彼女の唇の動きが加速した。
卑猥な音がメロディを奏でる。

や、やばい・・・。

「一回、出しちゃう?」

彼女の頭を押さえつけた。
快感が脊髄を駆け上った。
ドクドクと音を立て、ケイの口内に精液を吐き出した。

ごくっ―――ケイが俺の精液を飲み干した。

「そんなもん美味いのか?」
「美味しいはずないじゃん(笑)」
「じゃ、無理して、飲むなよ」
「好きな人のなら飲めるの(笑)」
「どんな味?」
「すごい苦い。キスしてよ。そうすれば、分かるから(笑)」
「遠慮しておくよ(笑)」
「ねぇ、もう一回やろう?」

ケイが俺のペニスを握り、しごき始めた。
俺は弾力のある乳房に舌を這わせた。
堅く突起した乳首―――円を描くように舐めた。
右手でヴァギナの濡れ具合を確認した。
糸を引くほど、愛液は溢れていた。

「ねぇ・・・入れて・・・」
「なにを?」
「意地悪・・・」
「言わなきゃ、分からないよ」
「おチンチン」
「どこに?」
「私の・・・」
「私の?」
「アソコ」
「アソコって?」
「私のおまんこ」

座位と騎乗位のハーフ&ハーフの体勢で挿入した。
ケイは髪を振り乱し、俺のペニスをちぎれんばかりにグラインドのピッチを上げた。
俺の首を引き寄せ、縦横に弾む乳房を顔に押しつけた。

「あっ、あんっ!凄い・・・凄いぃっ・・・」

恥骨を砕いてしまうほど、激しく突き上げた。

破壊的な衝動―――ケイを壊したかった、汚したかった。
俺の精液と錆びついた日常で。

「ながぁに・・・だじてぇ・・・イグぅ・・・」

ケイと俺は同時に果てた。

ケイは襞に付着した精液の残滓をティッシュで拭っていた。

「中で出しちまったけど、大丈夫かな?」
「大丈夫。安全日だから。それに2回目だから、薄いでしょ?」
「さぁ~。薄いのか?」
「いいよ。妊娠したって。SHIGSくんの赤ちゃんなら産みたいし」

この頃から、ケイは少し壊れ始めていた。

「よくないよ・・・」
「えっ?」
「お前が妊娠したら、俺、困るよ・・・」
「なんで?」
「だってそうだろ?俺たち、まだ16だぞ!どうやって、生活するんだ?どうやって、子供育てるんだ?」
「そしたら、私、学校辞めて、働く。でね、SHIGSくんが高校卒業したら、結婚する!」

背筋に悪寒が走った。

「確かに、俺たちは付き合ってる。けど、ずっと一緒にいれる保証なんてどこにもないんだよ」
「それは、私とは結婚しないってこと?」
「そういう意味とは違う」

嘘だった―――ケイと結婚する自分の姿が想像できなかった。
俺は自分がなによりもかわいい。
なによりも、自分の保身を考える。
愛より金。
恋人より夢。
俺は愛に恂ずることのできない人間だ。

「そ、そう。私とは結婚するつもりなんてないんだ・・・」
「今はそういうつもりはないって言ってるだけだ。お前は俺と結婚したくて付き合ったのか?そうじゃないだろ?」
「そんなの言い訳だよ・・・。好きな人と結婚したいと思うのは自然なことでしょ?」
「確かにそうだ。ただ、俺たちは若すぎる」
「やっぱり、言い訳じゃん」
「じゃ、なにか、子供ができて、お前と結婚して、大学にも行かず、肉体労働でもしろって言うのか?田舎のヤンキーカップルみたいに!」
「うん」
「ごめんだね。俺にはやりたいことが腐るほどあるんだ。夢だってある。お前も知ってるだろ?俺の夢。それを諦めろって言うのか?」
「私の夢はSHIGSくんのお嫁さんになることだもん・・・」

ため息が出た。
ケイの愛情―――受け止めるには重く激しすぎた。
付き合い始めて、8ヶ月。
なにもかもが変わりすぎた。
いや、変わり果てた。

「今度から、ちゃんとゴムつけよう。それか、外で出そう。とにかく、俺は責任取れないから」
「・・・分かった」

ケイの寂しそうな顔が夕焼けに照らされた。








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