不思議の泉

不思議の泉

1.春の女神

1.春の女神



あなたの心が痛む時、未来の声がノックノック。
  ――夢たまご――
何億光年の彼方から、あなたの時をあけにくる。

空飛ぶ夢たまごの宇宙飛行
アンドロメダの星屑あつめて
銀河の光めざして

        ばびゅーん ばびゅーん

青い地球を回る、まわる夢軌道
シルバー☆ふりまき
秘密の時のロードを開ける、あける夢たまご


  *    *    *


   都会の雨はアメジスト。
   夜を水底に沈め、孤独を宝石箱に紛らせる。
   煉瓦のざらつきに指をすくめる者を、洞窟へと身を潜めさせる。

人生に苦悩する若い物書きが一人、
今夜も闇の襞を数え、解の見つからない問いに煩わされていました。

「なぜ人生は私に牙を向く。ただ純粋でありたいと望んでいるだけなのに。」

ふと部屋の隅に、、何とも異様な臭いが、ゆらゆらと。
  /十二頭二十四舌の一匹の大蛇が、トグロいて。
  /地から這い出した魔物たちが、蠢いて。
身の毛もよだつ、灯写物。
若者は恐怖に声を上げることすら覚束なく、、
ローソク一本分の、
おぼつかない輪郭の中央_
       ☆
  光の金粉ふりかけて
  春の女神がやってくる

         ☆
    光の金粉ふりかけて
    春の女神がやってくる

           ☆
      光の金粉ふりかけて
      春の女神がやってくる
             ☆

突然の。キラ、ラ、きら、ら。
煌めく光彩。咲き開く木蓮の花。中から、
   春の女神が、
     〈 春の子羊をつれ、〉
柔らかい色の薄絹をまとい現れました。
両手で、たおやかに。
光の棒が振られると、
十二頭二十四舌の一匹の大蛇と蠢く魔物たちはアーチを作りました。

「どうか懼れずに。
この嘆きのトンネルを抜け、その先の勇気の途を進んでください。
けれど決して。
道端に歌う微笑みの花を踏み拉いてはいけません。
それは、あなたの心の詩そのものなのですから。」

若い物書きはアーチへ… 知らず知らず… 一歩一歩…




© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: