不思議の泉

不思議の泉

37.覇者の肖像画

37.覇者の肖像画




時代の覇者の顔は、さまざまに語り広められ。


           *


    黒のベールに縁どられた 【肖像画】

           蒼ざめた無慈悲なる眼光
             Cold, Cold, Cold blue eyes

     おぞましく・・
          「  嗚呼 救われぬ
おまえは 救われぬ  」 と繰り返して

                     ありふれた・・
                   蜥蜴/の尻尾/の如く/

             陰鬱な部屋_蝋燭の灯

                この世への不信に ゆ れ て
          滴り落ちる 血の臭気を た だ よ わ せ



           *



酒場での噂話は、誰も見たことのない覇者の素顔。
霧に沈む、くず鉄色の異空間の街。
黒いマントにフードを目深に被った男が一人。


     ・・ ・・ ・・ ・・

        歩い て

         ・・ ・・ ・・ ・・

            城門 へ

       ・・ ・・ ・・ ・・


堀にかかる橋を渡り、赤鬼のような門番に手紙を。
顔色を変える門番。
慌しい連絡網は、1つの答を得て。
出迎えは、剣の包囲と衛兵隊長の威厳。


「ついてまいれ。あのお方が直々に会われるそうだ。」


男は、城の中の幾つもの扉を通り。
温室のような場所へ。

      ―― 衛兵隊長は扉の外で

植物の手入れをする、ウサギたち。
ところどころ天井から吊り下げられた、煌めく光のランプ。
ランプの中には…


「あっ!」


男が驚いてフードをぬいで、見上げた先。
それは、ランプの中で輝く


      ☆          ☆         ☆          ☆
  〈  光の妖精  〉  〈  光の妖精  〉  〈  光の妖精  〉  〈  光の妖精 



灯りに照らし出された、男。
それは、国王の使者として異空間へと旅立った若い物書きでした。
そして、若い物書きのマントの中には、
“魔法の秘薬”をたずさえたキャンドルの妖精が隠れていました。






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