不思議の泉

不思議の泉

40.異文化の庭

40.異文化の庭





       加護のひかりは、やわらかな輪郭で、

    わたしたちを懐に包んでいます。



       叡智は年輪のように、ゆっくりと蓄えられ、

    わたしたちに新葉の輝きをもたらしています。



           その慈しみで、



           その育みで、



       わたしたちは人生の礎を築くでしょう。




「“魔法の森”で長老から私たちは様々な教育を受け、

異文化に暮す意義を学びました。

光の妖精族に対する耐性も、その5年で得ました。

こうして光の妖精のランプの下でも平気なのは、そのせいです。

ですが、“魔法の森”に私たちが潜んでいることが知られてしまい、

政敵主導による盗掘が始まりました。

盗掘のもう1つの目的は、私たちを捕まえることだったのです。

あのまま潜んでいては“魔法の森”は破壊し尽くされてしまいます。

それで、長老は危険だと反対したのですが、

私たちはこの城に戻ってきました。

というのも、折りしも政敵が、私たちの味方である烏族との戦いが烈しくなり、

和睦を望んでいると知ったからです。ですが、一筋縄ではゆきません。

どのような人物かは、城下の噂でお聞き及びかと思います。

敵の目を欺くため、貴方にも、ここに来られるまで事情をお伝えできずにいました。

幸い、この城一帯の領土は、現在のところ、父の親友の統治下におかれていますので、

戦略を安心して練ることができます。」


             美しき覇者のことばに‥




「その戦略というのが、“魔法の秘薬”というわけなのですね?

キャンドルの妖精、出ておいで。」


             若い物書きのことばに‥






つぼみ 、蕾よ―――


        あなた、の  甘い  吐息にふる(へ、


あゝ 、そのベルベットな言葉に、


        未知なる)

            未知なる)     の花を ひらくでしょう。


よ、 つぼみ ―――


        「どうか、いとしい人、

            わたし、の尽きせぬ愛の泉に、

         切ない想いを 目覚めさせてください。


For the future,


Lady ミツコ 」」

                  の香水のように‥


               いつか、試練の末に、

            異国の庭にも、花かおるように。







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