tomorrow

tomorrow

日はまた昇る。



オヤジの通夜の後、

僕は、ポッリとオヤジの祭壇の前に残された。

オヤジのお通夜には、連絡していなくても、疎遠の親戚やら色々な人が、オヤジの事を聞き付けてやって来た。

どうやら、人の不幸は興味をそそるらしい!

お坊さんのお経の話は、とても興味深かった。

遥か無いと云う意味は、はかどるとか、と同義語でもともとは、田植えの稲と稲との間隔が均等に取れている事で、

あの世とこの世の間隔が取れている時と云うのが、通夜の事らしい。

昔のお坊さんの書いた、お経はさすがにすごいね!

どんなに栄えた人でも、永遠は無く衰退は訪れると言っていた。(親鸞)

オヤジは死ぬ前に、

もう一度一旗上げたいが口癖だったが、

金を持った人間が一文無しになり、都内の路上で弁当売ったり、していた。

大きな金あれば、勝負するのに!

彼は残った弁当を、墨田川の畔のホームレスに配っていたらしい。

僕は彼には、色々な話持ちかけられたが、断った。

僕には、魅力がなかったからだ。

僕が最後の

夢だったのかも?

あれから、平行線の僕らは意見を交わす事も無く、オヤジは何も言わなくなった。

オヤジは病院に行かなかった。

体が悪いとわかっていても、先が長く無いとわかっていたのだろう。

オヤジは好きな事やって死ねれば本望で酒もタバコも辞めなかった。

ある朝、吐血して、救急車で病院に運ばれたが、手遅れだった。

僕宛てに、遺言が残されていた。

「ウメへ!この手紙を君が読む頃には、僕は病院のベッドの上だと思う。もし、皆に迷惑をかける事になるようなら、延命はしないで下さい。喜んで見送って下さい。」

と書いてあった。

三月に書いた物だった。

僕はオヤジと飲んだ時の言葉を思い出した「死んだら終わりだよ。オレなんて、デタラメな人生送ってきたから、ウメはエライよなぁ!オレは人に雇われた事なんて無いからなぁ」

と言っていた。

僕は缶ビールと、ロングピースをオヤジの祭壇に備えた。

愛も命も永遠では無いから、遥か無い!遥か無いからいとおしい。

オヤジの引き際はサムライの様だと思う。

もうすぐ、朝です。あなたがいなくても、この世は朝が訪
れます。 つづく。



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: