奔るジャッドンたのうえ、追っかけ帳

奔るジャッドンたのうえ、追っかけ帳

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   「白圭、風のたより」(ジャッドンKA通信)   
                   18-13号
               2006-09-01配信
       発行:(有)地方産業経営研究所 
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  *************************【目次】******************************
   ▲「創視点 32」~創造プロセスモデル~・・・・・ 嶋崎喜一
   ▲「虚から実のマーケティングへ」  ・・・・・・・田上康朗                    
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 1ケ月ぶりです。1回、お盆の最中でもあり、お休みさせていただきました。
 皆さん、お変わりないことと思います。

 私ごとですが、小さな「お変わり」を、ご連絡です。
1に、HPのhttp://www.geocities.jp/jatudonka/index.htmlを31日をもって廃し、http://jatsudon.in.coocan.jp/へ仮移転しました。お手数ですがブックマークなりの変更をよろしくお願いします。
 仮店舗に、ということは、せっかく移転するなら、構想新たに全面的に作り直そうということで、その間(1ケ月をメド)、仮店舗として、という意味です。
2に、これまで主に使ってきましたメールID、jatudon_k_a@ybb.ne.jp を廃止します。当面これまで使用していますニフティのID、ja_tsu-don@nifty.comでよろしくお願いします。

 それでは、嶋崎、田上の順。ご一笑ください。(ジャッドンたのうえ)
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 ▲ 創視点32~創造プロセスモデル~▲      嶋崎 喜一
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 創造プロセスモデルを創ってみた。

 改善や改良ではなく、全く新しいものを創るときの状況を簡単に説明できればと思ったのが発端である。「場」「情報共有の場」「情報の重心」「創出」「創造」などの、言葉・文字とイメージの世界でしか存在できなかったものを、パワーポイントを駆使して、形として表現し、それらを現したり消したり動かしたりすることによって、何とか説明しようと思った。

 やってみるとなかなかの難物であり、うまく説明できないことが色々出てきた。
こういう時は、考えることを止めて体を動かすに限る。創造なんてものは、考えてできるものではないと思っているから、いつ何時現れても大丈夫なように、メモ用紙は絶えず持ち歩いている。夢で見たのも何とか利用しようと、眠い眼をこすりながら書き付けてみる。その中にはあまりヒントになるようなものはないが、それでも突破口を開く鍵を時々見つけることができる。それらはいつも簡単な言葉だ。複雑な公理・公式が出てきたことはない。

 創造をしなければ成らないときは、特に、聞いてくれる人や話の中にヒントを含んでいる人を大事にしなければならない。妻の美穂子と息子の万太郎、従業員の小川さんがそれらの役を果たしてくれている。遠くには、田上康朗先生も含まれている。出来上がったらぜひ見てもらいたいものだ。

 思考が進むにつれ、「場」や「重心」という概念を入れなければ、この先進めないような気がした。「場」とは人が集まり、色々な情報を交換できるところ、「重心」とは相似性や情報の重みの中心でもあり、己の生命を吹き込む場所でもある。

 定義を言葉や文字ですればとても難しいけれど、絵や図で表せば簡単であり、その絵や図が出現させたり消滅させたり移動させることができれば説明はなお一層簡単になる。今までの論文は、文字・数字・図が主体であり、それらを有機的に動かしたりして説明することは困難であった。それゆえ簡単なことを遠回りに難しくせざるを得なかったのだろうと思う。パワーポイントやビデオを使いこなせれば、上記の問題は一挙に解決する。思うようにイメージを展開することや新しい概念を表現することができる。

 色々試行錯誤している中で感じたことは、「創造」とは「子作り・子育て」ときわめて似ている現象だったということだ。

参考
「場」の概念の定義
遠山・野中(2000)は、知識創造のプロセスにおいて共有され再定義される動的な文脈を「場」と呼んでいる。このような視点に基づくならば、場とは、単に物理的な空間だけを意味するわけではなく、電子メール等によるヴァーチャルな空間や、同じ経験の共有、同じアイデアの共有といったよりメンタルな空間を含む。
 このことから、遠山・野中は、場を、多くの哲学者からの提唱にならい、「人間存在の基盤となる時空間を含む場所性の概念」と捉えている。Nonaka & Konno (1998)、遠山・野中(2000)は、知識創造過程の理論化という目的から、場を、知識創造との関連においてのみ定義づけているが、経営一般を考える際には、必ずしも、知識創造とための場として、場の概念を制限する必要もないと思われる。

 重心 [Center of Gravity(第8編第4章)」
 クラウゼヴィッツは、攻撃で最も重要なこととして、「敵の重心」を攻めること、と言いました。重心とは、敵の軍事力・政治力の核のことです。例としてクラウゼヴィッツは、同盟国に頼る小国の場合は、その同盟国の軍隊が「重心」、国民の武装蜂起の場合は、その指導者個人と世論が「重心」と言っています。この「重心」の概念はベトナム戦争の結果の分析においてよく使われるようになりました。例えば、アメリカ軍の失敗は、本当の重心はゲリラ軍をサポートする大衆にあったのに、間違って重心をゲリラの兵隊たちにあると考え、大衆とゲリラの隔離を図らなかったから、などの議論です。
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      (株)双申HP           http://www.soshin.cc/
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    タノウエの「日常の脳力開発道場」 http://12257150.at.webry.info/
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┃ ┃ ★ 「虚から実のマーケティングへ」 ★      田上康朗
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CDの売り上げが激減していると聞く。
買い手は、CD自体を欲しているのではない。各人それぞれのお目当ての歌手の歌なり曲を聴きたいというニーズがあるから買うのである。だからそれらがインターネット(以下ITと略称)からダウンロードでき、そちらが手軽で安いといったことであればCDは売れなくなる。この場合、空のCDもその競合品となってくる。なぜなら個々各人が好きな曲をコピーし、保管できるからである。

単に、「CDが売れなくなったその理由は、IT上のネット販売なりに食われたからだ」、では本質的な、理由としては物足りず、不満が残る。
(1)仮説 1~「消費者は、用途、使い道の充足を欲している」
そこで、冒頭の現象から、一つの仮説として「消費者は、用途、使い道を欲しがっている」では、と考えてみた。

そうすると、これまでの販促のあり方に、
1に、消費者の「用途」をニーズとして的確に押さえること。加えて、これまでにない用途のモデルを示すこと。
2に、用途を示すが、その用途の充足はユーザー各自に委ねること。
の2点を重視することが求められることになる、と考えた。

次に、この2点を、上のCDのケースにはめ込んで示してみる。
まず上の1。たとえばAという歌手のBという曲入りのCDは、他の歌手の曲を求めている大勢の消費者には関心がない。それだけではないBという曲以外の歌を欲している人にも関心がない。

上の2では、「空のCDであれば自分の好きなAという歌手のBという歌を収めることができるのに、他の歌手、他の歌が入っていたのではそれができない」、という意味で、自らの選択権を奪われたことになる。

この2点が、CDのネックとして挙げることができる。対して、IT上からユーザーが自由に好きな曲をダウンロードして購入するケースでは、上の1と2ともクリアできているのである。
これがCDの苦戦要因ということになる。
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(2)仮説 2~「これまでの販促は、顕在ニーズへの対応が中心である」。
作り手や売り手が、消費者のニーズに対応したものを作れば売れる。品揃えすれば売れる、ということは顕在化されたニーズに限定されてのことである。
時間の流れが緩やかな時代には、これで十分間に合い、うまくいった。よその新商品の動きを見て、追従し漁夫の利を得る戦略も成り立った。
 この点、とりわけ大手はコモンディティ化したカテゴリーに対しては、特に有利性を発揮できた。有名な事例では、「真似した」と揶揄された松下が、すでにコモンディティ化した商品に後発で進出し、強力な総合的ブランド力を背景にシェアを奪い取る戦略は、まさに正道の戦略だったといえる。 当時としては、である。

競争商品間の差別化特性(機能、品質、ブランド力など)が失われ、価格あるいは量を判断基準に、消費者の購買が行われるようになることが、コモンディティ化を意味するわけだが、機能も品質も同じものを生産するとしたら、強力な販売力を背景に、強力な生産力をもつ大手がまず有利になる。どうせ同じものなら、ということになれば、やはりバックの松下のブランド力がものを言うからである。

しかし、いつの時代も、どこにおいても、勝者は、勝利した理由で、次の敗者となる。うまくいった理由が、そのままうまくいかない理由になる。
当然松下も例外ではなかった。
時代の流れが速くなると、後追いの戦略では、ことごとく漁夫の不利になる。
追いついたときにはそこには獲物はおらず、ということである。(後述するが、今やそれは顕在ニーズへの対応でとどまってくれなかった)。

そうなると追従では手遅れになる。消費者のニーズにどこより先に対応するスピードが求められるようなった。松下の例で続けると、事業部制は、スピードに関しては難点があった、とした中村さんの慧眼は、お見事に尽きる。

今や、もう顕在ニーズを押さえ、それにいかに敏速に対応するか、といったレベルでのスピードを争う時ではなくなった。断定が極端といわれるのであれば一歩下がって、今、潜在ニーズを先取りしないと、潜在ニーズをキャッチし、それで消費者のニーズ商品を企画し、生産し、店頭に陳列して販売する、その流通タイムの間に、消費者の関心は喪失、あるいは次の新たなニーズに転じている、ということになるからである。
 空振りとは、球がキッチャーミットに収まった後、バットを振ることである。

こうした「空振り」は、消費者のニーズに逢わない商品を生産したことが理由と言うより、消費者ニーズの流れのスピードに間に合わなかった、というのが実態ではないかと思っている。

その結果、「買わなくて済んでしまった(よかった、よかった)」、「興味はあったが、違うものに関心が移った(即買わずに助かった)」、「まてばもっとピッタシのものがでるかも。次にしようか」という消費者たちが、もしそれらを購入したならば、という総和を、いわゆる機会損失として金額に概算したら、とてつもなく大きなものになるのでは、と、私は考えている。

逆に言うなら、マーケティングからみたこの機会損失は、ほとんど手つかずの宝の山である。ただしここに手をつけるためには、これまでのマーケティングのあり方を変えなければならない。いや必然的に変わっていく。そう思っている。
 それは、「顕在にニーズに対応するのではなく、潜在ニーズを消費者の潜在ニーズをくみ取り、それにどう対応するか、ということで、ものが作られ、新たなサービスが構築され、それらを販売、提供すること」である。こうした形が、仮説の先に浮かんでくる。
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ある映画を見ていて思った。
ハンターが、獲物の逃げる方向と距離瞬時につかみ、今の獲物の位置(的)ではなく、弾が到達するまでの時間に、獲物が逃げるに違いない位置(的)に狙いをつける。これと同じことがこれからのマーケティングの主流になる。こう書くと、
「予測学ではないですか」と思われるかも知れないが、私はそうではないと考えている。
ハンターが狙う先が、現実の位置であり、今見える位置は、過去いた位置、という理解をしているからである。

なぜ思うとおりそれらが売れないか、あるいは計画とおり、予測通りいかないかといったら、理由は簡単である。100%実態のないバーチァル、虚だからである。そして実際の売れた数こそ、実なのである。虚に向けて矢であろうと鉄砲であろうと向けていたのでは、獲物は得られないばかりか、実の獲物に飛びかかれ倒れるのは自分の方、ということをプロのハンターならみな知っているのではないか。

そう考えれば、これまでのマーケティングの対象は、過ぎ去ったあとの「虚」を的とした、といえなくもない。このことは歴史を学ぶことや、過去を分析することを批判するものではけしてない。「実」をとらえようと瞬間、それは「虚」になっている、ということを指摘し、これがいわゆる「当たりはずれ」を招きその結果莫大な浪費と、得るべき巨大な利益を逸しているとしたら、その方向へマーケティングの理論や手法の修正することをためらう理由はまったくない、と考えている。

いわゆる営業のあり方でいわれているプッシュ戦略にしろ、プル戦略にしろ、この時間的乖離を詰め切っていない点では、同じことではないか。そういった疑問がわいてきた。
 当時、ITが急激に台頭してきた頃である。

飛行機が初めて、音速を超えたとき、パイロットは異様な静寂に包まれ、驚愕したという。だが彼はまもなくその理由に気づく。「音が飛行機に追いつけない」。

音を作り手、売り手。飛行機が消費者とおきかえたら、すなわち世の変化は、この頃からこの話と同じくらいのスピード性を帯びてきたのではないか、私はそう思った。 

こうしたぼんやりとした断片が、「羊たちのちんもく」(1999年4月10日発刊)の、原稿を書いている最中、頭をよぎり、そうしたことを整理し、内容に書き加えたい衝動に駆られたことを、今でも覚えている。
しかし、この小さな本の企画を支援してくれていた友人たちに、「仮説は、立証してから、次にまた書けばいいではないですか」と、止められた。

ちなみにこのタイトル、あの「羊たちの沈黙」とは無関係である。タイトルの意味は、「消費者(羊たちは、黙ってあなたの企業に背を向ける)という、当時、大きな問題なった客離れに対して、その警告と処方を説いた小冊子で、あえて真っ赤な表紙にした。
そのアドバイスは正解だったと思う。大げさな表現を許していただきたいのだが、なにせ知識や過去の文献や事例すらも、すべて「おいといて」の検証であるから、自ら試み、実績を評価しなければならない。
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3年経て、「作り手・売り手はただ消費者の購買行動を、待ち受けていればいい。
これがマーケットの本質ではないか」という仮説に至った。

売れない時代は、皮肉なことに、景気の本とおびただしいマーケティング理論や手法が巷姦しいぐらい氾濫し、事実そうした類いの本が売れる。
だが、それは本質へのアプローチにはほど遠く、むしろ本質に逆らうことになるでは、と思い、上の仮説とごくわずかの事例を根拠に、「羊たちの探しもの」(2002年6月17日発刊)を自費出版し、予測的にそのことに触れた。

探しものは、探している場所に「ある」という前提で行われる。ないとわかっていたら探す必要がないからだ。だがその場になかったとしたら、場を変えるしかない。私たち(羊たち)は、そのことに気づかずに、今の場所で一所懸命探す努力をしているのではないか、というのが、テーマであり、タイトルの意味である。ちなみに「要注意ですよ」、という意味を含めて黄色の表紙にした。

この本を出して4年に入った。
今、こうではないか、と新たな仮説をたて、考えていることがある。近いうちに、それを青(緑)の表紙にした本を出そうと考えているのだが。

実験を繰り返しているうち、「待ち伏せ理論」には、少なくとも以下の問題があることが明らかになった。
1に、消費者の潜在ニーズから外れていた。これではいくら待ち伏せしていてもこない。
2に、待ち伏せの時間が早すぎた、あるいは場所が遠すぎたのである。

1は、笑えない喜劇、報われない努力である。翌檜が檜を目指したあの愚である。
2は、超天才に多くみられる。モーツアルトが然り。ゴッホが然り。待ち伏せしていた当人が逝ってから後、消費者が殺到する。

いずれにしても、当人にとっては悲劇である。
これを避けるためには、消費者のニーズに無関係に作り、売る努力をする。これが現実的に思えるが、1と2が個人の悲劇であるのに対し、こちらは大仰に言えば人類の悲劇だ。

マーケットの幸せは、生きている間に、待ち伏せしたところで、おびただしい消費者の到着を、こちらも大喜びで迎えることができることだ。
あの松下さんみたいに。あの井深さんみたいに。あの本田さんみたいに。

これが、黄色い本にも、理想として簡単に触れておいた、「待ち受け理論」である。たとえの乱暴さをゆるしていただけるなら、もの不足の時代には、何でも売れた。売らなくても消費者が、待ち受け、待ちこがれてくれるからである。

 だから松下さん、井深さん、本田さんの会社は、大きくなれた。待ち受けていた消費者が押し上げてくださったからだ。

「この待ち受けを起こすには、どう考え、どう行動したらいいのか」、このことが次に私が書きたい、「青(緑、以下同様)い本」のモティーフである。青の意味は、赤、黄、青、交通信号、それに青い鳥の青、私が住んでいる、今の田んぼの色。
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 ジャッドン経営一口アドバイス     http://jatsudon.exblog.jp/
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 最後まで読んでいただきありがとうございました。 
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田上康朗(たのうえ やすろう) 地方産業経営研究所 / 中小企業診断士
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     タノウエ脳力経営塾/ MMAPで経営革新の会/白圭塾
    TEL: 0996-20-0659 FAX:0996-20-0696(専用)
    メールID:ja_tsu-don@nifty.com
    URL: http://jatsudon.in.coocan.jp/
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