わたしのブログ

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NO.8-『一望監視方式』について



1) 過去5年の国家公務員及び地方上級試験において、論文試験のテ-マでもっとも頻度の高いものに、「行政分野」では、行政の役割、情報公開・行政の透明化、行政サ-ビス・住民参加、地方分権・市町村合併、地方経済の活性化・地方財政の改革、まちづくり、また「厚生・労働分野」では、雇用、少子高齢化、社会福祉、そして、「科学技術の分野」では、環境問題、情報化、さらに「社会分野」では、男女共同参画、教育文化行政、国際化などが取上げられている。専門記述式においては、さらに詳細な内容となっている。すなわち、法学、経済学、社会学を専攻した人にとっては有利なテ-マでもある。しかし、この論文のテ-マをみるに、重要なことは、手続きに関する規制や行政立法・行政計画策定手続きにおいて、「規制の設定改廃に関する意見提出手続き」、すなわち、パブリックコメント制度の必要性、また、重要性を決して見逃してはならないと考える。

2)ミシェル・フ-コ-の「監獄の誕生」のなかで、一望監視施設は、受刑者すなわち被収容者を監視するために、必ずしも監視者を必要とするものではないと述べている。この意味は、受刑者同士が監視し合っているから、改めて監視者(権力関係)を置く必要がないと考えられる。脱権力化あるいは、権力を自動化させ、没個人化を促しているのである。つまり、一望監視施設を建築することによって、人為的権力関係をなくし、お互いが監視者としての立場を生み出すことにより、規律社会が創られることを意味している。
  「一望監視方式」は、監獄に限らず様々な方面で活用できるのではなかろうか?行政の仕組みを一望監視できるのであれば、自然と不正は防止できると言えないことはないと考える。以前、筆者は、一部の「エリ-ト」による独裁政治は、その秘密性・閉鎖性が一般意思からかけ離れているのであると述べ、モニタリング制度の必要性について「民意が反映される、ガラス張りのシステムの構築が望ましい」点について触れたが、この「一望監視方式」を行政システムに取り入れることに何か問題があるのであろうか?と考える。 以前、政策マネ-ジャ-設置について、その目的・効果を問うたことがある。そこに、新たな権力関係が創設されることで、その秘密性・閉鎖性が生ずることを危惧したものである。言い方をかえるなら、目的の正当性、手段の目的との合理的関連性、さらに効果(利益と不利益との均衡)の検討がなされ、他に方法がない場合なのかを十分考慮したものなのかを問うたものである。一般市民として、物議を醸した。

3)「一望監視方式」をどのように行政の仕組みに取り入れるか、行政法との関係が問題となる。つまり、「法律の留保」との関係であるが、一定の行政分野では、法律の専管領域に留保され、法律によって一定の要件のもとに一定の行為をするよう授権される必要がある。すなわち、法律の根拠規定(規範)がなければ、行政機関は活動することができない、こうした領域を、「法律に留保された領域」というが、この考え方は、本来の目的を、行政の民主化におくのではなく、法律の根拠がない限り、行政活動を行わせないこととし、市民社会への行政の関与を極力抑制し、国民の自由財産を国家権力の侵害ないし干渉から防御しようとする国家観に基づくものであった。
  しかし、行政行為は、必ずしも法律の根拠を必要と場合だけではない、例えば、給付行政における補助金等は、法律の根拠というより予算の範囲内という制限に拘束されるし、行政指導などは、行政庁が国民に作為・不作為を義務づけるのではなく、助言・指導・勧告といった穏やかな方法で、国民に対し、一定の作為・不作為を求め、国民の自発的協力を得て、行政目標を達成しようとするもので、法律の根拠を要しないものである。つまり、その目的が正当である限り、「法律優位の原則」に反するものでなく、行政指導は許されることとなる。したがって、行政権の統制の必要から、法律に規定がない場合にも、行政活動(行為)は直ちに違法とされるのではなく、例えば、市場原理に反する経済政策上の指導は、目的の正当性を欠き、さらに、基本的人権を侵害したり、平等原則や比例原則に反する行為などは違法と解されることになる。

4)「一望監視方式」を取り入れられるのは、現状社会では、手続きに関する規制や行政立法・行政計画策定手続きにおいて、「規制の設定改廃に関する意見提出手続き」、すなわち、パブリックコメント制度を十分に活用することと言える。
例えば、所沢市の進めている都市再生デザインでは、大まかな内容としては、「基本構想」「基本計画」「実施計画」で構成され、現状に対応していく用意ができておる段階ですが、これについて具体的に述べると、将来都市像としては「ゆとり・うるおい・活力ある生活文化都市」を掲げ、まちづくりの目標としては、1)緑ゆたかな ゆとり・うるおいのあるまち 2)安全・安心で快適なすみよいまち 3)豊かな心で健やかに暮らせる支え合いのまち 4)いきいきと学び 人・文化をはぐくむまち  5)にぎわいと活力に満ちた魅力あふれるまち 6)みんなが安心して暮らせるゆとりあるまち 7)人々がふれあう温かいまち 等の7項目を掲げております。こうした、構想の実現にむけて、分権型社会とパ-トナ-シップ さらに、都市経営の視点に立った行政運営という観点から、ワ-クショップという市民委員80名及び行政経営推進委員会の公募委員などを交え、市政の安定且つ市民のまちづくりに邁進し、組織づくりが行われている。こうした組織の中に、ガラス張りのシステムの構築とそうしたモニタリングの結果について即座に是正できるシステム、さらに成果主義・責任主義を積極的に取り入れ、法制度の欠缺を補う必要がある。こうした「一望監視方式」を採用することにより、パブリックコメント制度を十分に活用し、行政を民主化することが重要だと考える。                      以上


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