New Worid

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不安

 1990年8月27日ペンシルベニア州フィラデルフィアにてサマースラム90が開催されました。アルティメット・ウォリアーがWWE世界王者になって初のPPVだけに注目しました。もちろんハルク・ホーガンも参戦しています。
 全試合を紹介します。第1試合はザ・ロッカーズ(ショーン・マイケルズ&マーティ・ジャネッティ)VSパワー&グローリー(ハーキュリース&ポール・ローマ)。第2試合は”ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングVS”テキサス・トルネード”ケリー・フォン・エリックによるインターコンチネンタル王座戦。第3試合は”センセーショナル”シェリー・マーテルVSサファイア。第4試合はザ・ウォーロードVSティト・サンタナ。第5試合はザ・デモリッション(スマッシュ&クラッシュ)VSハート・ファンデーション(ブレット・ハート&ジム・ナイドハート)によるWWE世界タッグ王座戦。第6試合はジェイク”ザ・スネイク”ロバーツVSバッドニュース・ブラウン。第7試合はハクソー・ジム・ドゥガン&ニコライ・ボルコフVSオリエント・エキスプレス(タナカ&サトー)。第8試合は”マッチョマン”ランディ・サベージVS”アメリカン・ドリーム”ダスティ・ローデス。第9試合はハルク・ホーガンVsアースクエイク。そしてメインはアルティメット・ウォリアーVS”ラビシング”リック・ルード。ウォリアーが単独でメインというところが興味深いですね。
 第1試合はそれまでシングルで活動していたハーキュリースがローマと組んでチームを結成しました。そのせいかなんかロッカーズが噛ませ犬的な扱いな気が…。第2試合は今回初登場となったケリー・フォン・エリックとカート・ヘニングによるインタコンチ王座戦です。”鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックの三男であり1984年5月6日リック・フレアーを破りNWA世界王座を獲得したこともあるケリーが遂にWWE入りしました。ケリーとヘニング、共に親が有名レスラーであり自身も他団体で世界王者にもなったという共通点があるだけに好試合が期待されました。ただ1986年6月交通事故により右足首を失い義足を付けて試合をしているケリーと五体万全なヘニングではケリーが不利なのは否めません。それでもケリーが勝ち王座を獲得しました。第3試合はレッスルマニア6の再戦みたいなものですが、実力、センス共に勝るシェリーが快勝しました。第4試合はシングルに転向したウォーロードが成功するかどうかの試験的な試合だったのかも。そういう意味ではサンタナはリトマス試験紙みたいな存在だし。第5試合は3本勝負形式での試合でした。デモリッションはリーダーであるアックスが退き代わりにクラッシュがスマッシュと組んで試合に臨みました。1本目はクラッシュがブレットを破りましたが、2本目で暴走してDQ(反則負け)。3本目をブレットが制し2度目のタッグ王座獲得となりました。
 第6試合はビッグ・ボスマンがレフェリーを務めるというシチュエーションとなりました。ロバーツとブラウン、これまたシブい組み合わせです。でもブラウンのモチベーションが低かったような…。第7試合はなんか当時の世界情勢を反映するかのようなマッチメークです。アメリカを体感させるドゥガンとソ連なボルコフが組むというのは米ソ冷戦が終わりつつあることを示しているみたいで面白いです。第8試合は第3試合同様レッスルマニア6での再戦ですね。でも80年代初期だったらもっと面白かっただろうに…。第9試合、なんかホーガンがトリじゃないというのも当時は凄く新鮮な印象でした。ビンス・マクマホンはあくまでもウォリアーをメインにという方針なんでしょう。それでも前にホーガンを持ってきたのは保険の意味合いもありましたが。アースクエイクことジョン・テンタは予想通りホーガンの絶好の対戦相手になりました。ホーガンにしてみたら日本で揉まれたテンタはやりやすい相手でしょう。実際いい試合でした。
 そしてメインですが、2年連続ウォリアーVSルードとなりました。前回と違うのはメインであること、世界王座戦であることです。まあ戦いやすい相手同士ではあります。試合はルードが組み立てる展開、ウォリアーにはできないんだろうな…それは仕方ないことですが(苦笑)。結果はウォリアーが無難に勝利し王座を防衛しました。ホーガンの試合のほうが盛り上がってたのは否定できませんが。ウォリアー政権に一抹の不安を残したサマースラム90でした。



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