今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

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2012.02.29
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「古今集」(51)

角川書店 窪田章一郎校注

発行 昭和四十八年一月三十日



   春歌下(7)


        春のうたとてよめる                よしみねのむねさだ

花の色はかすみにこめて見せずとも香(か)をだにぬすめ春の山風

花の色:桜の花の色。香(か)をだにぬすめ:せめて香だけでも盗んで、持って来よ。山風を

擬人化する。

        寛平御時きさいの宮の歌合の歌              そせい法し

花の木もいまは掘りうゑ春たてばうつろふ色に人ならひけり

花の木も:花の咲く木でも。うつろふ色に:花の色が衰え変わり、散ってゆく。「うつろふ」

に人の心が変り、花の盛りのころには訪れた人も疎遠になる意を余情とする。

        題しらず                        よみ人しらず

春の色のいたりいたらぬ里はあらじ咲ける咲けざる花の見ゆらむ

春の色:春の景色で、春景とおなじ。いたりいたらぬ:「さけるさかざる」と対される。漢語

的手法で、当代の新風の一つ。

        はるのうたとてよめる                    つらゆき

みわ山をしかもかくすか春霞人にしられぬ花やさくらむ

みわ山をしかもかくすか:額田王の「三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなむ隠さふべし

や」(万葉集巻一~一八)を踏む。


(つづく)


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最終更新日  2012.02.29 05:21:55
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