今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

2019.03.29
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カテゴリ: 短歌

平成30年後藤瑞義入選歌(2)(賀茂短歌4月号から6月号)

躓くは先を見るため足元を見つめて歩く一歩また一歩

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   三 月二十八日  入選 梅内美華子 選)

北陸の友より受けし福寿草伊豆のわが家にその数を増す

(読売新聞静岡版 よみうり文芸  四 月  四日   入選 梅内美華子 選)

芸終えるつど餌をやる調教師イルカの口もさりげなく開く

(読売新聞静岡版  よみうり文芸  四 月十八日    佳作 梅内美華子 選)

(評)イルカショーでは芸の合間にイルカの口に何かを与えている。ごほうびをもら
うことが芸のモチベーションになるだろう。「さりげなく開く」口にイルカの賢さを見て
いる作者。

話し掛けてくれたる妻の亡くなれば水仙なども寂しかるらん  

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   五月二日      秀逸 梅内美華子 選)

(評)妻が先に旅立った悲しみと喪失感は日常のいろいろな場面でわいてくること
だろう。早春の水仙の花を見ても思い出すのだ。花に「話し掛けて」いた妻。水仙
に呼びかけるのは自身の寂しさである。

妻愛でし木蓮の花咲き始む空に向いて見てというがに

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   五月十六日    入選 梅内美華子 選)

倒れ伏す子象を鼻でなでながら叫び声上ぐ死を知るごとく

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   五月二十三日  佳作 梅内美華子 選)

一子の死一子の知的障害を嘆くことなく亡くなりし妻

(明治神宮春の大祭短歌大会       五月六日     佳作   岡野弘彦 選)

石のせてベンチに帽子置かれおり忘れたる人見つけたる人

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   五月三十日      佳作 梅内美華子 選)

(評)忘れ物の帽子、それが風にとばされないように石がのせてある。気づかう人
の存在が見えて、作者は感心したのだ。ベンチに生まれた小さな物語。着目した
歓声から歌が生まれた。

やわらかき葉におおわれる山々よわれも今日から始めんとする

(読売新聞静岡版 よみうり文芸   六月十三日     入選 梅内美華子 選)

喜びを上手く伝えること出来ず自閉児わが子が強くつねれる

(NHK伊香保短歌大会 六月十一日 特選 黒木三千代選  佳作 林田恒浩 選)

(評)言語に問題があるお子さんが、「つねる」ことでお母さんに気持ちを伝えよう
としています。「強く」つねるのは「喜び」が大きいのでしょう。子の母への信頼、母
の子への深い理解が読者にも伝わってきます。






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最終更新日  2019.03.29 09:07:23
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