6月26日(金)
昭和萬葉集(巻十)(232)(二十七年~二十九年の作品)
講談社発行(昭和 55 年)
Ⅳ(2)
仕事の歌(2)
炭坑で(2)
吉原賢二
八年経て忘れてゐたるゲートルの巻き方を習ふ入坑の前
石田武治
今朝の雨にすべる斜坑を 警 め合ひ下る底ひに沈む燈が見ゆ
和田義国
炭塵の湧き立つ 切羽 よりでて笑ふ 塵 の顔の 硬 ばりてをり
田中賢介
深度五百米の温気になめくぢの這ひつきてゐるが眼になぐむ
沖田活美
坑外は雨の降るらし流れ込む鉱車は濡れて鈍く光りつ
(つづく)
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