6月29日(月)
鈴木菊江さん百歳の短歌(平成29年9月)
(令和2年5月9日百二歳九か月にて亡くなられた
鈴木菊江さんの短歌です)
鈴木さんの百歳と一か月の短歌です。
災害
いきいきと紫紺の茄子を喜びし嫁ごの吐息鹿なせるわざ
水やれば風船かずら嬉しそう蔓ゆらゆらと水したたらす
耳すませば呼び合ふこえのやさしさよこちらが啼けばあちらが答ふ
あら草も虫の声生みそよ風の涼しかりけりころびて気づく
土砂崩れ家まで失う九州の人々の苦難ひたに思いぬ
歌評:後藤瑞義
あら草も虫の声生みそよ風の涼しかりけりころびて気づく
(評)「ころびて気づく」、この発見がこの一首を作ったのでしょう。やはり、
短歌は発見が大切です。マイナスをプラスに変える作者の心がすばらし
いと思いました。もしころばなかったら、あら草と虫の声はばらばらの関
係のないものであったでしょう。またあら草の葉先をかすかにゆするそよ
風の涼しさも発見できなかったでしょう。それにしましても、ころばないよ
うくれぐれもお気を付けください。
後藤瑞義入選歌(令和2年)(2) 2026.05.30
渡辺順三歌集「日本の地図」 1952年… 2026.05.30
与謝晶子の歌(371)花のある風景――(… 2026.05.30