9月29日(火)
歌集「方代」(昭和30年)(5)(抜粋)山崎方代
包丁の錆を落としてねてしまうただそれだけの方代と風
一足の泥靴がしめるその位置に呆然とわれ立ちすくみたり
人斬の辰も牢から帰り来てじやがたらいもの種下しおり
フランソファ・ヴィヨンの詩鈔をふところに一ツ木町を追われゆくなり
かたばみの葉をぬらす雨よ娘はひくく奪っていいのよ奪っていいのよ
(つづく)
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