1月31日(月)
閑吟集(5)
新潮社: 昭和五十七年九月十日
小歌の 作 りたる、 独 り人の物に 匪 ざるや 明 らけし。風行き雨施す
は、天地の小歌なり。流水の 淙々 たる、落葉の 索々 たる、万物の小
歌なり。しかのみならず、 龍 唫虎嘯 、 鶴唳 鳳声 、春にして 鶯 あり、
秋にして 蛬 あり、禽獣・昆虫の歌も、自然の小歌なるものか。而
るを 況 んや人情をや。 五千余軸 は 迦 文 の小歌なり。 五典三墳 は先王
の小歌なり。風を移し俗を 易 へ、夫婦を 経 め、孝敬を成し、人倫を
厚うす。 吁 、小歌の義たるや大なるかな。
(つづく)
風行き雨施す:風の音も雨の音も
天地の:自然界の
孝敬を成し:君臣父子の道を成し
人倫を厚うす:道徳新を厚くする
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