2月25日(水)
「幸福論」(ヒルティ)(第三部)(920)
発行所 岩波書店(1935年5月15日)
(注) あくまでも、訳にい忠実にしていますがい、簡略化や意訳や
表現の変更(例えば、「…である」を「…です」に変えたり)しました。
より高きをめざして(54)
二(12)
(前日)二(11) また「不滅」ということも、たとえばそれが或る人の「偉大な名声」、もしくはその人の何らかの業績が生きつづけるだけで、その名声を本人が少しも知ることができないのであれば、当人にとっては明らかに何の価値もありません。たとえ価値があるとしても、それはせいぜいその人が生きている間に先を予想して、つまり空想で、そのような将来の誉れを味わうくらいのことであって、それはしかしほとんど大した満足を与えるものではないでしょう。これは、古代の、またわれわれの時代の大きな実例が、いやというほど十分に示している通りです。 (よりつづく)
しかもそれが、政治や芸術や実業や科学の領域で、一生を名声というまぼろしに捧げた、きわめて多くの有名人たちの惨めな慰めです。つまり、死後に自分にかかわりなく自分の誉れがつづくことは、…。彼らはそうしたものをのり越えて、未来の存在を見つめようとはしません。そこでは、彼ら自身のものは何らの価値も認められず、ただ別の資格だけが問題とされるのです。(つづく)
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