5月28日(木)
歌集「涵養の地」(50)
発行所:いりの舎
著書:君山宇多子
発行:二〇二五年十二月十五日
作者とは、十数年前静岡県歌人協会の常任委員をともにいたしました。現在は歌人協会の副会長です。若い頃より一本筋金の入った印象がありました。作者の歌の師との師弟関係はほんとうに心温まるものがあります。彼女の師である温井松代氏の師は、大岡博氏(窪田空穂の弟子で、詩人大岡信の父)で、窪田空穂氏とは孫弟子となる人です。ですから、君山さんは空穂のひ孫弟子ということでしょう。そういう一本筋の通った感じが確かにありました
戴く(1)
鳥威しの鳴子名にもつ草百合は薬草にして父の愛でゐき
山土にまみれ野の草ひた掘りきわが源流に春じをんのはな
いとけなきわれをあやすは誰ならむあかときの夢の記憶は残る
黒南風の季は来たれりしだかれて還らぬ方へ薔薇は傾げり
十八歳 を発たす胸裡を語るなき 娘 を想ひをり 母なることを
(つづく)
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