観空

Oct 28, 2015
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カテゴリ: Instinctive Archery
スーパーリカーブ:定義
弓のリカーブ部分が弦に対してかなり前方へ伸びているモノ。この図↑でA=2インチ以上あるモノ。

だそうだ。


オリンピックライザー+スーパーリカーブリム 比較
オリンピック競技用ライザー(ハンドル部分)に普通のリカーブとスーパーリカーブを付けた弓の比較。
こうやって見るとその差が見やすいかと。

まぁ利点としてはテコの原理で引き終わり間際のプレッシャーがスッと落ちる事(狙いを付ける時にブレが少なくなる)、力を貯める”バネ”の部分が短くなるので引き始めからの力の「貯め」が普通のリカーブより大きい。弦を離した時に弓の先端が弦を「巻き込んで」行くので、結果として矢に伝わるエネルギー効率がかなり上がる。

つまり同じ引きの長さで同じ強さの弓を比べた場合
スーパーリカーブだと狙いがつけやすく、矢がより速く(結果としてより真っ直ぐに)飛ぶ。

。。。じゃぁ何故今まで誰も作らなかったの?

弓の先端を極端に前に曲げるという事は、弦が元の位置に戻る時の振動により細い弓先が左右にブレ安くなるという事。引きの効率を良くするテコの原理は左右のブレにも大きな影響を出す。例えば比較されている↑の弓先を持って左右に曲げようとしたら、スーパーリカーブのほうが捻じり安くみえる。安定性が低くなり、弦が弓先から横へ外れて弓を捻れさせかねない。最悪弓先が割れる。

じゃあ捻れないように強度を上げれば良い。しかしそうすると今度は弓先の重量が増し、弦が離された時の「バネの跳ね返り」で得たエネルギーの一部はこの重さを動かす為に消費されてしまい、結果として矢へ伝わるエネルギー効率は低くなる。

なので今までのリカーブのデザインは「安定性」と「効率」を天秤にかけた微妙なバランスから導き出されたモノだった訳だ。


で、何が変わったのか。。というと「弓」に使われる「素材」化学の進歩。

グラスファイバーからカーボンへという流れは30年前にはもう行われていたのだけど、カーボン繊維製造の精密度が飛躍的に上がり、加工コントロール方法(編み方から固定化)にも大きな影響を与え、剛性が格段にアップした素材が「一般的に」手に入りやすくなった。

ここで10年前に遡る。

スコットランドの弓師(個人営業)がこの素材を上手く使えないか。。。と試行錯誤を繰り返し始めた。他の弓師も同じ素材を使っていたのだけど、既存のデザインに新素材を使うだけだった。
が、彼は違った。

その変遷がコレ↓
スーパーリカーブ:リムの進化2

スーパーリカーブ:リムの進化

2004年から2014年までの変化。

少しずつ変化しているが、ただ形を変えるだけでも無ければ、カーボンを貼り付けて終わり、なんて単純なモンじゃない。データの蓄積と解析、そこから導き出された新しい形状の設計と加工。彼がこのプロジェクトに費やした時間と金額を考えるととてもじゃないが個人レベルの域を超えている。

そして彼が作った弓は欧米のアーチェリー競技でも常にトップクラスにあり、ここ数年で認知度が飛躍的に上がった。オンラインコミュニティーが彼の弓のデザインを「スーパーリカーブ」と呼び始めるまでそう時間はかからなかった。






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Last updated  Oct 29, 2015 09:21:33 AM
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