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『何年も何十年もかけて、ゆっくりと人の体をむしばんでいく。髪の毛の5千分の1ほどの石綿(アスベスト)の繊維が、やがて中皮腫などの命にかかわる疾患を引き起こす。それは「緩慢なる惨劇」と呼ばれる◆この人も惨劇の犠牲者である。先日亡くなった早川義一さん。尼崎市のクボタ旧神崎工場近くで生まれ育ち、中皮腫を発症した。工場から飛散した石綿の粉じんによる健康被害を訴え、救済運動の先頭に立ち続けた◆かつては工場で働く人だけが救済の対象とされた。周辺住民として初めて企業の見舞金を受け取ったのが早川さんたちだった。加害責任を直接追及した結果だ。多くの公害、薬害問題のように、被害者が自ら声を上げることで流れを変えたといえる◆記者会見で石綿被害の実情を説明したときには、こう語った。「号砲が鳴った」。口ぶりは静かだが、力強く響く救済への「号砲」である。それを機に運動に弾みがつき、石綿健康被害救済法が制定され、クボタも救済金の支払いを始めた◆ただし国は今も公害とは認めず、救済策も工場関係者と住民とで公平さを欠く。そうした問題の解決を病魔は待たない。共に救済を訴えた女性2人が先に逝った。そして今度は早川さんが燃え尽きた。まだ59歳の若さだった◆健康被害の認定者は増え続ける。 全ての人を救い「緩慢なる惨劇」に終止符を打つ。国も企業もそのことを最優先すべきではないか。
』
最初に種を撒いてしまったのは、企業なのだから、企業にこそ責任を。というのが国の考えなのかなぁ。でも、危険(かもしれない)と分かったなら、いち早く対策を建てる方策を企業には促す責任というものが国にはあると思う。
環境問題に関連する健康被害もこれからは増えると思う。また、福島原発の問題にしても、まだまだ続きそうだし。
私たち自身が防げるものと、そうでないものがある。自分では防げないなら、これは国に何とかしてもらわないと。人々が健康に生きる権利は、国家によって保障されているのだから。
企業においても、新開発は最優先だけど、その前に人に対して危険なのか安全なのか。薬の副作用の問題にしても、より安全な方へと進んで欲しい。でなければ、健康被害ということの線引きが益々難しくなってしまう。
早川さん、そして、先に逝ってしまわれた方々のご冥福を心よりお祈りします。
『刺激的情報で終わらぬために』。。。 2012.09.16 コメント(8)
『女性生徒が察知した暴力の匂い 男たち… 2012.09.04 コメント(2)