桜海

Dearest ~世界で一番愛しい君~



“本当に大切なもの以外全て捨ててしまえたらいいのにね”
言っても君は、
“皆が生きるこの世界を捨てる訳にはいかないわね”
と、少し笑うだろう。
捨てられないのならば、せめて一緒にいることを夢見るけど。
現実はただ残酷で。

僕は孤独を感じた時、罪を感じた時、狂いたくなる。
狂って頭を真っ白にしてしまえばあるいは束縛から逃れられると。
そんな時いつだって目を閉じれば笑ってる君がいる。
僕は弱いね。
君は僕よりずっと孤独で束縛されているのに――

いつか永遠の眠りにつく日まで
どうかその笑顔が絶え間なくある様に

人間は皆哀しいかな忘れゆく生き物だけど
            ――例え僕達がした事を忘れてしまっても
愛すべきもののため愛をくれるもののため
僕達が唯一、できること。

出会ったあの頃は
異性に慣れない僕と他人に慣れない君
全てが不器用で
遠回りしたよね傷つけあったよね

いつか永遠の眠りにつく日まで
            ――運命に束縛された人生だけど
どうかその笑顔が絶え間なくある様に

            ――君だけが僕の支えなんだ

そんな時いつだって目を閉じればわらってる君がいる。
僕は弱いね。
君は僕よりずっと孤独で束縛されているのに。
僕は君がいなければ空も飛べない鳥なんだ

出会ったあの頃は
異性に慣れない僕と他人に慣れない君
全てが不器用で
遠回りしたよね

けれど

辿りついたんだね


“今度は一緒に飛べるね”
言えば君は恥ずかしそうに笑った。
もう捨てるものはない。束縛もない。
本当に大切なものだけがある。
永遠の眠りについた後にも、君の笑顔が絶え間なくある。
もう、独りじゃないんだよ。

世界一綺麗な君の羽根と
いつの間にか生えた力強い僕の羽根。

“今度は一緒に飛べるね”
この世で一番愛しい君と





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