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「金は天下の回り物 ところがどっこい近頃は 天下が金の回し者」17年ぶりにシリーズを再開した必殺シリーズ第31弾「必殺仕事人2009」それはリーマンショック、少年犯罪、詐欺など乱世となった現代社会を江戸に例えその陰で恨み辛みに動く仕事人を描いた。忙しい事が何より嫌いで見廻りと称して芝居見物に興じ仕事をサボる不真面目な渡辺小五郎(東山紀之)食道楽で掛け軸や襖絵の補修を行う経師屋の涼次(松岡昌宏)小料理屋の板前に転職し仕事人としての自分に苦悩し続けているからくり屋の源太(大倉忠義)殉職した玉櫛の妹で、姉を追って江戸に来た伊賀流のくノ一・如月(谷村美月)情報収集や仕事の請け負いなど担当する元締め代行的存在、花御殿のお菊(和久井映見)そして長きに渡って法で裁けぬ悪人達を数多く始末し続け、仕事人チームの参謀役を務める大ベテランの仕事人・中村主水(藤田まこと)彼らは夫婦関係悪化、おれおれ詐欺、定額給付金、賞味期限改ざん、ゴミ屋敷などの裏に暗躍する悪人たちと戦うのである。しかし第11話「仕事人、死す!!」で迷いを抱えたまま仕事に臨んだ源太は殺しに失敗し南町同心に目撃されるという大失態を犯す。主水と涼次の手助けでその場は切り抜けたものの源太は行き別れの母と偽る近江の女狐・お冨(浅野ゆう子)への情けに流されてしまい胸を刺され致命傷を負ってしまうが最後の力を振り絞ってお冨を葬り去りそのまま息絶えた。遺骸は小五郎達によって火葬されたが小五郎の言葉が暗示するかのように直前に閉じていた眼をかっと見開き炎の中へ落ちていく・・・そして仕事人は新転機を迎える。小五郎の追う外道を瞬殺で仕留めた男がいた。素行も態度も悪く、酒に酔って騒いだり、強請りを働いたりする「池袋のチーマー」風な仕立て屋の匳(田中聖)が弟分の伊助を口入屋の松蔵一味に殺された事を知り小五郎達の力を借りるため自ら仕事を依頼、松蔵を葬った後、加入する。また殺しの武器は経師屋の涼次が本来の殺し技である毒を入手できなくなった為、仕込み筆から抜き出した長い錐を相手の背中から深く突き刺し心臓まで到達させ血を体内に噴出させる殺し技に変更している。これは藤枝梅安の針、念仏の鉄の骨外しで使用したレントゲン演出、村雨の大吉の心臓掴みの心音挿入を融合させた描写が特徴である。仕立て屋の匳の殺し技は仕立てに使う針と仕付け糸を投げて悪人の首に絡ませ絞殺する。そして最終回、鬼面集団・ニセ仕事人が出没し主水たちは窮地に追い込まれる事になった。涼次は囚われの身となり拷問を受けて死の寸前まで追い込まれたが乗り込んだ小五郎に助けられ一命を取り留めわずかに残された体力を頼りに一派の一人を仕留め如月と共に江戸から旅立っていった。本作の放送終了後、長年主水役として必殺シリーズに出演してきた藤田まことが死去し本作が中村主水シリーズの第16作目にして最終作となる。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村★*;.送料無料.;*★★必殺仕事人2009 DVD-BOX 上巻 [DVD] PCBE-63350 【中古】【都城店】
2013.04.12
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「この世に悪がある限り あなたのそばに仕事人」必殺シリーズの第30弾として4年ぶりに復活した「必殺仕事人・激突!」は仕事人シリーズでは第9作目中村主水シリーズとしては第15作目にあたる。江戸城大奥の中臈である初瀬(酒井和歌子)は仕事人の元締という裏の顔を持っており、彼女の配下には時計師の夢次(中村橋之助)お面売りのお歌(光本幸子)鎌使いの紋太(甲斐道夫)そして中村主水(藤田まこと)がいた。毎月五の日と十の日に上野東照宮で初瀬が頼み人から依頼と金を受け取るシステムで主水はその繋ぎ役であった。ある日の仕事の際、初瀬配下の仕事人たちは南町奉行所が極秘で結成した仕事人狩り部隊「覆面組」の襲撃を受け紋太が瀕死の重傷を負う。紋太は兼ねてからの知人である秀(三田村邦彦)に自分の死骸が残ると妻・さだと一人娘・おみよ(麻丘めぐみ)に奉行所の手が掛ると言い残し秀に後事を託し腹を鎌で切って川面に飛び込み自害した。秀は紋太の恨みを晴らすべく主水と再会。そして、28年前に自らが処刑した鼠小僧次郎吉が実は無実だった事を知り、彼を陥れた黒幕を成敗する為仕事人となった公儀の御試御用首切り役山田朝右衛門(滝田栄)を迎え新たな仕事人チームが誕生。覆面組の恐怖と闘いながら極悪人を闇に葬っていく!今回のメンバーである時計師の夢次は後に商売を廃業して日雇いや女郎屋の呼び込みで日銭を稼ぐ、色男の遊び人で調子のいい優男。殺し技はキセルと煙草入れを改造した特殊火鉄砲で火のついたキセルを煙草入れに差し込むとゼンマイが巻き上がり、キセルの雁首から赤く焼けたゼンマイが射出され、悪人の急所を突く。別名:百化けのお歌は暗殺も行うが情報収集も担当し狐の面で顔を隠して一般人と接する事もある。悪人に顔を見せる際には「お狐様の使い」と称し殺し技は相手の顔に裏に糊を塗った面を投げて貼りつかせ怯んだ所を匕首で斬る。山田朝右衛門は幕府の重役達とも顔見知りでそれを利用して情報を収集もする。殺し技は斬首用の刀で悪人を斬り倒し特にトドめに相手の首筋を切り、そのまま切り落とす。本作の特徴として前期は鼠小僧、水戸黄門、大久保彦左衛門、徳川家康と実在する人物が何だかの形で仕事人と関わるという設定で特に仕事人狩りを専門に行う組織・覆面組との戦いでその長は南町奉行所の与力・荒巻忠弥(菅貫太郎)南町奉行・酒井能登守の意を受けて覆面組を指揮し仕事人狩りを行う。最後は覆面組の会合場所で主水たち仕事人に壊滅させられる。そして最終回、初瀬が懐刀を使って大奥の悪人をすれ違い様に刺殺。その直後に遠島となり江戸を去る事になった。元締不在となった仕事人メンバーは解散、秀は江戸を去り、夢次は長崎へ旅立ちお歌は頼み人である瓦版屋の遺児を連れて旅立った。また本作は火曜21時枠の放送であった為裏番組には「なるほど!ザ・ワールド」「火曜サスペンス劇場」「ギミア・ぶれいく」といった有力番組が控える中20パーセントを超える高視聴率をマークしたが視聴率は伸び悩み苦戦を強いられた。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【25%OFF】[DVD] 必殺仕事人 激突! DVD-BOX(初回限定生産)
2012.05.25
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「今度の必殺剣劇人、大人のお伽噺です」必殺シリーズ第29弾「必殺剣劇人」は15年続いた連続テレビドラマとしては最終作となりモノクロ剣劇時代劇映画を彷彿とさせる作風でこれまでのシリーズとは一線を画した作品である。前作「必殺仕事人V・風雲竜虎編」の最終回で江戸城から1万両の御金蔵破りが起き、影太郎(三浦友和)政(村上弘明)ら仕事人は御金蔵破りの犯人に間違わられてしまい奉行所に追われ解散してしまう。実はこの犯人、世直し三人組という義賊の仕業で彼らはその半分の5千両を市民の人々にばら撒いた。その義賊とはカルタの綾太郎(近藤正臣)早縄の清次(田中健)すたすたの松坊主(あおい輝彦)の3人組で御金蔵破りの後、残りの5千両を飲み屋の女店主・お歌(二宮さよ子)に預け大人しく身を隠していた。数年後、3人の元にかつて3人が愛した女性お百の娘を名乗るお七(工藤夕貴)という少女が尋ねてきた。八丈島で生まれ育った自由奔放なお七はお百が病で死ぬ際「江戸に父親がいる」と聞かされ綾太郎、清次、松坊主を頼って江戸にやってくる。3人の内の誰かが実父らしいが実際に誰かは判らなくそれぞれをを「父ちゃん」と呼んでいる。ある日、正義感が強く無鉄砲なお七は友人が悪人達に惨殺され報復を企てるが、それを止めさせる為に3人はかつての衣装を引っ張り出し「幻の世直し三人組」として剣劇人を結成した。その後、お七は江戸に渦巻く非道な悪に率直過ぎる怒りを表しお七が頼み人であり彼女の願いを叶えるという形でお歌がその願いを汲み取り3人に三途の川の渡し賃である18文を渡し世直しとして殺しを依頼する。殺し技は今までの必殺シリーズと異なり悪人の屋敷などに正面から正々堂々と現れ、手下達は殺さず峰打ちで退けながら標的の悪人に近づくと武器を抜き仕留めるというもので賭場のカルタ札撒きの綾太郎の殺し技は腰に差した大刀と背中に背負った赤鞘の長刀の二刀流で相手を切り裂き、町火消しの清次は鳶口と鈎縄を使用し縄で絞め殺し鳶口を急所に刺す。家内安全を祈って踊る「すたすた踊り」の坊主の松坊主は錫杖に仕込んだ槍で悪人の急所を刺す。標的を仕留めた後は煙幕と共に松坊主の妖術「大ガマの術」で残った手下共を驚かせ腰を抜かしている所を脱出するのである。この様に本作は本来の必殺とは一線を画しておりこれはスタッフが視聴者を気にせずに一番作りたかった時代劇ではないかと評価した人物もいたがこれは必殺シリーズ枠でやる事ではなく、視聴者を無視したスタッフの自己満足ではないかというファンの意見もあり未だに本作を否定するファンも存在するのである。また本作が制作された時期は日本経済バブル絶好期であり剣劇人たちは悠々自適の生活を送っておりプロレスラーの天龍源一郎が起こした「革命」が流行し予告ナレーションでは「時代劇は今、革命を向かえた」と語っており当時の世相を反映させている。そして向かえた最終回、奉行所における乱闘から世直し三人組の正体を知った中村主水(藤田まこと)は旧知の仲であるお歌と綾太郎らに口止め料を要求する。しかしその晩に地震が起こり隠していた5千両と3人が裏稼業で使っていた道具・衣装一式が地震によって生じた穴の中へ落ちてしまう。そこで仕方なく3人は主水を交えた4人で最後の仕事を行なう事を決める。紛失した衣装と武器の代わりに綾太郎は「三味線屋の勇次」清次は「飾り職人の秀」松坊主は「念仏の鉄」のそれぞれの衣装と殺し技で裏稼業を決行する。仕事を終えた3人は以前から正体を知っていたお七と共に江戸を去る。ラストは主水一家が必殺シリーズの締め括りとして視聴者に最後のお礼の挨拶で15年続いたシリーズの幕を閉じたのでありました。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【送料無料選択可!】必殺剣劇人 DVD BOX [初回限定生産] / TVドラマ
2011.03.11
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「必ず仕留めてご覧にいれます」必殺シリーズの第28弾「必殺仕事人V・風雲竜虎編」は前作「旋風編」が異例の打ち切りとなった直後の作品で主題歌、オープニング等いくつかの要素はそのまま引き継がれている作品である。夜鶴の銀平(出門英)西順之助(ひかる一平)の死から1年後中村主水(藤田まこと)は燃えた百件長屋の番所から富岡八幡宮へ続く橋の番所(高速料金所)勤めになり橋の通行料を接収するという木端役人のままでいた。ある日、主水の目の前で元締・柳島の茂兵衛が殺害され茂兵衛の持っていた仕事人の名簿が奉行所に流れてしまい大規模な仕事人狩りが行われてしまう。鍛冶屋の政(村上弘明)を含めた江戸の仕事人たちは表稼業の業績が欲しい主水が裏切ったと考えさらに茂兵衛の妻・お絹(高橋ひとみ)は夜叉堂を拠点とする上方出身の坊主で殺しの依頼を受ける絵馬坊主の蝶丸(桂朝丸)に主水の殺しを依頼した事から主水は仕事人たちから命を狙われる事となる。その頃、謎の大道芸人・かげろうの影太郎(三浦友和)をパートナーに江戸に戻ってきたお玉(かとうかずこ)は蝶丸より主水殺しの依頼を受けた事により主水と再会、真相を問いただすも主水は身の潔白が証明できない。やがて黒幕は裏稼業界を支配し中村主水を仲間して闇の組織を牛耳ようと企んだ松平葵の門の殿様(御木本伸介)とお絹だと判り主水・政・影太郎・お玉は協力して彼らを葬る。こうして新たな仕事人チームが誕生するのである。本作の趣向として冒頭で頼み人は蝶丸が住む夜叉堂を訪れそこで恨みを晴らしたい人物の名を見えない墨で赤絵馬の裏に書きその際に有り金全てを賽銭という形で蝶丸に払う。そして絵馬を仕事を請け負う仕事人に渡し絵馬を炙ると相手の名前が浮かぶという「新・必殺からくり人」「必殺橋掛人」のようなサスペンスタッチで物語が進みまた新たなる殺し屋として通称「かげろうの影太郎」が登場しお玉と共に大道芸・南京玉すだれを表稼業としている。暢気な性格で女性からの人気は高いが世間知らずで礼儀正しく冷静で頭の回転も早く軽率な行動を取る事がないその殺し技は尖端に針を仕込んだ南京玉すだれで悪人の額を刺す。この時、お玉が悪人の顔に金粉を吹き掛けて怯ませ影太郎のサポートを行うのである。この正義感の強い影太郎の存在は念仏の鉄(山崎努)のようなインパクトが強いキャラクター性を持ちまたその素性は全く不明でパートナーのお玉も知らない正にミステリー的な存在でありました。また本作は「ふぞろいの林檎たち」で若者に圧倒的支持を得ていた高橋ひとみを悪役で登場させるなど毎回ビックなゲストを起用し津島恵子、三ツ矢歌子の銀幕の女優や平泉成、左時枝、二宮さよ子、音無真喜子、本阿弥周子、赤座美代子など「火曜サスペンス」「土曜ワイド劇場」の常連俳優陣を揃え正に必殺シリーズ健在をアピールする豪華さで音楽も今まで仕事人シリーズは過去のシリーズや仕事人で作曲されたテーマを使用し、非・主水シリーズは仕舞人、仕切人のテーマを使いまわすという差別を本作より取っ払い、仕舞人、仕切人のサスペンステーマが「風雲竜虎編」より使用される事になったため作品としての奥行きも深くなりそして“赤いシリーズ”大河ドラマ「独眼竜政宗」に出演し山口百恵を妻とし長男でPeaky SALTのヴォーカル・ユウの父である二枚目俳優・三浦友和を起用する事により視聴率が好転したのでした。迎えた最終回、殺しの的は将軍の子を産んだ側室を殺し子供を自分の手中に収める大奥の吉野局(三ツ矢歌子)で主水たちは江戸城に忍び込み吉野局とその仲間を仕置きする。その後、江戸城脱出の際に三人組の御金蔵破りが現れ厳重警戒が敷かれる中を主水達は何とか脱出する。奉行所は吉野局暗殺と御金蔵破りは同一犯と考えお玉は事件現場に残されていた殺しに使う金粉を持っており捕まりかけるが逃げ出す事に成功する。また影太郎も玉すだれの残骸から奉行所に目星を付けられギリギリの所で政に助けられ江戸郊外へ出る。政・影太郎・お玉は足が付き主水に別れを告げ江戸を旅立ち主水は一人ぼっちとなるのだった。ここで次作「剣劇人」を以て15年続いた必殺シリーズが終了する事が決定し、事実上第1次必殺シリーズにおける主水シリーズの最終作となった作品でありました。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【送料無料選択可!】必殺仕事人 V 風雲竜虎編 DVD-BOX [初回限定生産] / TVドラマ
2011.01.14
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「世の中こんなもんだよと 諦めないで来てくだせえ」必殺シリーズの第27弾「必殺仕事人V・旋風編」は仕事人Vシリーズの第3作目となり前作「激闘編」が初期の必殺を意識したハードボイルド路線で原点回帰作であったが第二次必殺ブームを支持したファン層とは合わず視聴率は低迷した。そこで再度、後期必殺シリーズらしいコメディ要素、コミカルなシーンを多く盛り込んだバラエティ色の強い作品である。南町奉行所で同心の班長を務めていた中村主水(藤田まこと)は新たに着任した与力の鬼塚より新設された石川島百軒長屋の番所(交番)への勤務を命じられる。事実上の左遷で憂鬱な主水だったが、そこでかつての仲間で長崎から帰ってきていた西順之助(ひかる一平)と再開し百軒長屋で順之助は歯医者を開業したのであった。その夜、主水はある悪党の死体を発見した。殺しの手口から主水はかつて仕置人の元締・虎(藤村富美男)の側近で死神(河原崎建三)同様虎の側近として仕えていた夜鶴の銀平(出門英)の仕業と推理した。やがて百軒長屋で便利屋を営むお玉(かとうかず子)と船宿「磯春」の船頭兼板前の銀平と出会いお玉は主水に元締・虎の娘と明かした上でそして裏稼業に主水を誘った。主水は再び裏稼業に踏み出す事を決意し主水・順之助の仕事人チームと銀平・お玉の仕置人チームが合併し仕事を決行する事になった。しかし主水はミスをして敵2人に追われてしまう。そこで偶然にも江戸に戻ってきた政の家に飛び込んでしまい政は主水を助け追っ手2人を殺したのだ。主水は借りを作るのは嫌だからと言って政に金を渡し、ここに政を含めた新たな仕事人チームが結成したのだ。殺し技も夜鶴の銀平は釣竿に通した糸の先につけた金属製の折鶴を飛ばして悪人の首に巻きつけ鶴の口ばしに仕込んだ剃刀で悪人の喉笛を突き刺し西順之助は竹製のバズーカ砲の中に火薬を仕込み悪人をめがけて発射、敵を粉々に肉片にして爆死させる。また殺しも夜だけではなく日中にテロの如く悪人に襲撃するという仕置きも決行しこれは必殺仕事人IIIの第37話以来の日中での殺しである。しかし後期必殺シリーズの人気ピーク時に行ったコメディタッチを復活させ必殺の人気回復を狙ったが視聴率は下がる一方で旋風編は中村主水シリーズとしては異例の14話で打ち切られる事になる・・・これが一般的な旋風編打ち切り説ではあるが実際は夜鶴の銀平役の出門英が末期の結腸ガンになってしまい半年程の闘病生活を送る事になった為、降板せざるを得ない事情があったのが本当の理由である。よって最終回は悪人によって百軒長屋が炎上し燃え盛る百軒長屋の中で主水たち仕事人は悪人たちを葬るが銀平と順之助が船に乗って脱出していた所順之助の火薬袋に火が付き船は爆発してしまう。順之助は爆死し銀平は瀕死の状態で川を流れていく。銀平を助けようと政は手を伸ばすが銀平はこれを断りそのまま闇に消えていった。主水は商売人の新次(梅宮辰夫)以来、殉職者を目の当たりにし「今度の仕事は高くつきやがった」と言い残してその場を去った。こうして劇的ではなかったものの仕事人崩壊劇が「翔べ!必殺うらごろし」以来、8年ぶりの殉職者による最終回であり、仕事人シリーズでは初めての殉職者が出たシリーズとなりました。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村必殺仕事人V旋風編 DVD-BOX(初回限定生産)(DVD) ◆20%OFF!
2010.12.03
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「悪に向かって、まっしぐら」秀が帰ってきた!必殺シリーズ第26弾「必殺まっしぐら!」は初期・仕事人シリーズの第5弾と考えられ、シリーズ中念仏の鉄と並び絶大的な人気を誇った飾り職人の秀が中村主水(藤田まこと)の仕事人グループから独立し一本立ちするまでの秀の青春像を描いた初主演作品である。本作のコンセプトは世間の人気を集めたファミコンゲームの「スーパーマリオブラザーズ」と「ドラゴンクエスト」でありマリオがピーチ姫を助ける為、大魔王クッパと立ち向かう設定を仕事人たちに置き換えているのです。物語は江戸に2つの闇の殺し屋勢力が存在していた。一つは裏稼業の世界に弱者の涙を重んじる正道の元締である神楽坂宋右衛門(睦五郎)もう一つは金の為なら善人でも平気で殺す外道元締向島仁十郎(藤岡重慶)である。闇の世界の一大抗争の中、かつて中村主水率いる仕事人チームの一人であった飾り職人の秀(三田村邦彦)は再び江戸に舞い戻り宋右衛門の配下となっていた。秀は一目惚れした吉原遊女見習いの若紫(菅原昌子)を身請けする為に大金を必要としており、宋右衛門の所に届いた殺しの依頼を請け日本全国を飛び回る派遣仕事人となった。しかし秀の前には仁十郎の配下である外道仕事人たちが牙を潜め幾度と無く襲い掛かる。ふとした経緯から仕事人である桂馬のお銀(秋野暢子)神主の綾麻呂(笑福亭鶴瓶)香車の東吉(西郷輝彦)が秀の元に集結した。また仕事人連絡係でそば屋の見習い・さぶ(大沢樹生)とここに秀をリーダー格とする仕事人チームが結成された。本作における秀の設定は「必殺仕事人」で主水、左門と解散した後、本作で江戸に舞い戻り、そのまま「新・必殺仕事人」で主水と再開し三味線屋の勇次と出会うという設定説がファンの間で根強く噂されているのです。また本品のもう一つの特徴として史実上の人物が登場、何だがの形で仕事人と関わるという設定が存在し勝海舟、桂小五郎、東洲斎写楽、平手造酒らが登場しました。中でも平手造酒を演じたのは当時、群を抜いて出てきた俳優・内藤剛志でありました。出演陣も「赤い運命」「男の家庭科」で若い女性に支持を得ていた秋野暢子を筆頭に明石家さんま、島田紳助と並ぶ関西の大物タレント・笑福亭鶴瓶、ジャニーズ事務所のアイドルグループ「光GENJI」のリーダー・大沢樹生ミス・ユニバースで準優勝を受賞した菅原昌子そして橋幸夫・舟木一夫と共に御三家と呼ばれ「江戸を斬る」の遠山金四郎役で主演を果たした西郷輝彦とビックなレギュラー陣で構成された仕事人シリーズとなりました。殺し技も桂馬のお銀が匕首で悪人の急所を斬り綾麻呂は仕事の出張先の神社に奉納されている神剣を無断で拝借し悪人を刺し香車の東吉は常に携帯する三尺の槍で悪人の急所を突き刺す。このメンバーの設定が「ドラゴンクエスト」を意識しており旅する一行が途中で合う向島仁十郎の刺客と戦い綾麻呂が神社の神剣というアイテムをゲットするというものでした。そして最終回、秀を襲っていた刺客の正体である向島仁十郎と対決、しかし本当の主犯は秀の上司元締の神楽坂宋右衛門であった。怒り心頭の秀は宋右衛門と対決。さぶと若紫を人質に取られるも仕事人達はチームワークで宋右衛門を倒し秀は若紫を救出するのである。これは「マリオブラザーズ」を意識しており若紫=ピーチ姫をマリオ=秀が宋右衛門=大魔王クッパと戦い姫を助け出すというもので、宋右衛門の殺し技も大魔王クッパ同様ハンマーでありました。この様にゲーム性を取り入れ、更に「必殺からくり人」の様に組織の2大抗争と史実に関わる内容をミックスした本作は当時の視聴者には受け入れられず、また本作のタイトルも当初「必殺!びっくり箱」「必殺!アクション編」であったためスタッフからも呆れられ必殺シリーズの終わりを感じさせたのです。また音楽も主水シリーズは過去の必殺作品の名曲を流用しており非・主水シリーズは「必殺仕舞人」以降、仕舞人と仕切人の音楽だけが流用されるという差別化があった為、これを不服としたファンが必殺離れをしたという大きい切っ掛けを作ってしまいました。本作の殺し技を「必殺仕事人」の初期殺しのテーマや「新・必殺仕事人」のNGとなった殺しのテーマを流用した方がファンに受け入れられたと当時は思いました。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村[DVDソフト] 必殺まっしぐら!
2010.11.19
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「この世は真っ赤な嘘ばかり」必殺シリーズの第25弾「必殺仕事人V・激闘編」は「必殺仕事人V」の第2作目となり、これは秀、勇次の仕事人シリーズと区別する為に仕事人Vを単独でシリーズ化したものである。奉行所による仕事人の取締まりで多くの仕事人が処刑された。日本橋の仕事人元締・丁字屋半右衛門が処刑される直前中村主水(藤田まこと)に対し裏稼業への復帰を強く躊躇させた。そんな厳しい中、江戸の一大殺し屋組織「闇の会」は江戸に残った仕事人達を集めて依頼人の顔と素性をアジトの小窓から確認、その恨みの声を直に聞き傘下の仕事人たちが殺しの逆オークション制度で仕事を競りに賭けて殺しを敢行させていた。江戸に舞い戻っていた加代(鮎川いずみ)は闇の会に加盟しており五十両という大金に魅せられて北町奉行殺しを請け負ってしまう。同じく江戸に戻っていた組紐屋の竜(京本政樹)と前作で正体を知られた政(村上弘明)は花屋から鍛冶屋へ転職し日常を無難に生活していたが加代の召集により警戒しながらも参加を決意するが主水は反発した。しかし主水は若く浅はかな加代、竜、政を叱責しながらも闇の会の傘下として裏稼業への復帰を決意。しかし、この4人だけでは面子が足りず大仕事はこなせなかった。そこに現れたのが丁字屋半右衛門の配下であったはぐれ仕事人の壱(柴俊夫)弐(梅沢富美男)参(笑福亭鶴瓶)で主水たちの助っ人を買って出たのである。彼らは主水グループの文字通り助っ人である為、正式なメンバーではない。粋な遊び人で仕事で得た大金は全て酒と女に使うと言った壱の設定は当初、念仏の鉄(山崎努)を復帰させる予定だったが山崎本人から断られた為、壱を念仏の鉄に似た設定にしました。役者崩れの弐は前作の最終回にてゲスト出演した梅沢富美男演じる殺し屋をそのまま妖艶かつ華麗な踊りを披露し映画「必殺!ブラウン館の怪物たち」で悪の仕事人丑寅の角助役でゲスト出演した笑福亭鶴瓶を起用したが梅沢は舞台公演、鶴瓶はバラエティ番組とスケジュールの問題で出演回数は少なかった。殺し技も組紐屋の竜は前作とは違い先端に小さな三角錐の分銅を付けた緑色の組紐を悪人の首筋目掛けて投げ三角錐を支点に突き刺し二点からの力で瞬時に絞殺する技になり鍛冶屋の政は「必殺仕置人」棺桶の錠が使用した物と似た手槍で悪人の首筋を突き刺す。そして、はぐれ仕事人の壱は握力で悪人の首を掴み喉笛を砕き首骨を折り、弐は針を仕込んだ扇子で悪人の首筋を斬る。参はガラス製の玩具のビードロの先端の球形部分を相手の眉間に打ち付けて割り、そのまま鋭利に欠けた管で貫く。また中村主水は「必殺仕事人」以来のアップテンポの闘う仕事人に乗せて殺しを行い久々に熱い主水を披露しました。最終回は「闇の会」が外道仕事人の強襲に逢い崩壊。闇の会を乗っ取ったのは上方の仕事人彼らの目的は松平伊予守(神田隆)が抜け荷の黒幕を突き止めた主水の新しい上司だった。上方仕事人の天満屋宗兵ヱ(島田順司)は自分達と手を組むよう主水に提案するが断られ、その腹いせに宗兵ヱは老中に手を回し主水以外の仕事人達の人相書きが出回る事になった。主水グループは上方仕事人と対立し決戦に挑み解散したのであった。この様に本作はハード路線であり「激闘編」放送に合わせて「必殺仕掛人」「必殺仕置人」の再放送をする等可なりの力を入れシリーズに緊張感を持たせ、後期必殺シリーズの名作と呼ばれるようになりました。また京本政樹は「仕置屋稼業」の市松(沖雅也)を意識して竜の住まいと髪型を真似ており、本作のテーマ曲を過去の必殺シリーズの音楽を聴き込んで研究し田上で作曲しレコード化の話も進んでいたが主題歌を歌った鮎川いずみはソニーに所属しており京本はビクターに所属、激闘編のテーマ曲集の発売はキングレコードという事で、この音楽集レコード発売の関して3社が対立した経緯があり発売不可能となり本作のオリジナル音楽も番組で使用が難しくなりました。最終回に出演した神田隆は撮影後の帰宅途中で京都駅のエスカレーターから転倒し帰らぬ人となりこれが神田隆の遺作となりました。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村必殺仕事人5 激闘編 VOL.1
2010.11.05
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「この世とあの世の橋掛けに そーっと送って、さしあげやしょう」必殺シリーズ第24弾「必殺橋掛人」は監督:工藤栄一を復帰させ主人公に個性的な悪人を演じてきた津川雅彦を起用するというハードボイルドな作風への原点回帰作となった作品である。橋掛人の元締・多助が何者かに襲われ瀕死の状態で娘・お光(西崎みどり)に13箇所に印のついた江戸の地図を渡し息絶えてしまった。この謎を究明すべくお光は父と関わりがあった瓦屋根職人のおくら(萬田久子)松(斎藤清六)夫婦に父や地図について尋ねた。この地図こそ元締・多助が請負った殺しの依頼件数であった。おくらは仲間の新吉(宅麻伸)に連絡し多助の死について調査。そんな時、頼み人と知り合った反物担ぎの行商人柳次(津川雅彦)はこの元締殺しの件で一枚噛んでしまいおくら達にプロの殺し屋だと見抜かれてしまった。元締・多助が残した殺しの依頼を敢行すべく柳次は橋掛人としておくら達の仲間になるのであった。物語は各話ごとに依頼を受けるのではなく既に依頼が受けられた状態でそれを受けた元締・多助が亡くなってしまっため橋掛人たちは唯一の手がかりである地図を基に毎話1件ずつ頼み人は誰か、動機は何か、依頼内容は何か、殺す標的は誰かを調べていき事件の真相を突き止めて行くミステリータッチで描かれており13箇所に印を付けた地図は誰にも知られぬよう炙り出しをしないと依頼者と殺しの的が解らないという仕組みになっている。この殺し屋・柳次は後妻で若妻のお紺(高部知子)と先妻との間にできた一人娘のお咲(安孫子里香)も大事にしておりお咲とお紺の不和に悩みつつ関係改善のために奔走するというホームコメディも展開していました。殺し技も柳次は屋内に侵入する際には床に反物を広げその上を歩いて足跡が付かない様に進み餓鬼の刺繍が施された反物を拡げ仕込まれた金色の糸を引き出し右手で糸を振り回した後、悪人の首に巻き付け絞め殺す。鳥刺しの新吉は鳥寄せの笛を吹き矢として使い仕込み針を発射、悪人の首筋や額に突き刺し絶命させる。この時、黒い上着を頭に被せアラビア人風の恰好で殺しを行うのだが、これは監督の工藤栄一のアイディアで前期必殺シリーズに見られた時代劇らしくない出で立ちを意識したものでありました。おくらは鋭く研いだ瓦を亭主の松が標的を攻撃しやすいように目印し悪人目掛けて投げ相手の首筋を斬り裂く。最終回は後期必殺恒例の超大物大名相手に殺しを敢行し正体が晒され解散するというパターンではなく普通に依頼13件を遂行し終了と共に全員が普通の生活に戻るという特別な事での解散はなく終焉するのである。これはシリーズ14弾「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」以来解散なしの最終回でありました。ちなみに主題歌は前作に引続き「さよならさざんか」でありその為か殺しのテーマ曲も前作「必殺仕事人V」からの流用曲であり、仕事人の曲が非・主水シリーズで使用されたのはこの「橋掛人」のみである。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【25%OFF】[DVD] 必殺橋掛人 VOL.1
2010.10.15
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「心の闇を晴らして見せやす」必殺シリーズの第23弾「必殺仕事人V」は中村主水シリーズ11作目で仕事人シリーズ5作目であります。今シリーズより秀を演じる三田村邦彦と勇次を演じる中条きよしに代わり組紐屋の竜を演じる京本政樹花屋の政を演じる村上弘明が出演し共に二十歳代で独身だった彼らの登場は新たなる仕事人シリーズとして生まれ変わりました。物語は必殺スペシャル「必殺仕事人・意外伝」にて秀、勇次らと組んだ仕事人チームが解散して1年たったある日、中村主水(藤田まこと)は加代(鮎川いずみ)と長崎から帰ってきた順之助(ひかる一平)と再開した。そんな矢先、仕事人を頼って千葉から来た百姓のお松(樹木希林)が街中で仕事人探しをしていた。その一部始終を見ていたのが加代と組紐屋の竜(京本政樹)花屋の政(村上弘明)であった。その頃、仕事人の元締・おりく(山田五十鈴)は主水と再開しこの依頼に助勢を求めたが、時同じくして一匹狼の殺し屋・竜と政がお松の依頼を受ける為主水チームと対立したが、今回のみ合同で仕事をする事で合意。利根川で殺しを決行したのだ。そして「必殺仕事人V」第1話にて裏稼業を知られ強請りに掛けられた主水に対し、竜と政は身の危険を感じ主水をマークした。しかし強請ったのは孤児の少年少女でありその少年たちを更に利用して殺したのが若い武家であった。孤児たちの恨みを晴らすべく主水は立ちあがり共感した竜と政は新たにチームに加入する事を決意しここに新仕事人チームが結成された。殺し技は組紐屋の竜は先に鈴の付いた赤と黒の二色の組紐を悪人の首筋目掛けて投げ首に巻き付けて宙吊りにして吊り上げ窒息死させ、花屋の政は季節の花の枝で悪人の首筋を突き刺す。この仕事人Vは1作目の「必殺仕事人」以来、豪華ゲスト陣が毎回登場しており野際陽子、萬田久子、賀来千香子、梅沢富美男、塩沢ときと言った大物俳優たちを中心にお笑い芸人の斉藤清六や横山ノック、元・必殺シリーズのレギュラー俳優、河原崎建三、本田博太郎更には東宝特撮や若大将シリーズでお馴染みの有島一郎、藤木悠極み付けは第9話「主水キン肉オトコに会う」にて漫画として登場したキン肉マンと原作者:ゆでたまごの出演と第6話「りつ、減量する」で出演した森次晃嗣、高峰圭二のウルトラ兄妹と森永奈緒美、八名信夫といった東映特撮陣のヒーロー路線という特撮ファン必見のゲストが登場しました。また西順之助の許婚としてお新(森口瑤子)が登場し神出鬼没のオカマ・玉助(梅津栄)と衝突する。これは「"せん"と"りつ"の中村主水へのいびり」「筆頭同心・田中の主水へのいびり」「順之助のストーカー玉助」とバラエティ色が強くなっていた仕事人シリーズの路線でありました。そして京本政樹が映画「必殺・ブラウン館」の撮影中に右脚を骨折するアクシデントがあった為、本作の撮影にも支障を来たす事となり21話以降、竜の出演シーンは殺しの場面のみとなり番組は京本の全快を待った後で再開するという事で従来の仕事人シリーズより短い26話で終了となりました。最終回は辻斬りをしていた将軍家の世継を殺すべく仕事人チームが立ち上り、仕事を慣行するものの政は殺しの現場を目撃され刺客たちに狙われていた。将軍家という事もあって追手を気にしていたチームは一時、解散をする事にした。また順之助は学問所の受験に合格し長崎へ再び旅立ち江戸を去っていくのである。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村必殺仕事人V VOL.1
2010.09.17
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「浮き世の気晴らし なすってくだせえ」必殺シリーズの第22弾「必殺仕切人」は中条きよし演じる三味線屋の勇次が連続出演を果たし前作「必殺仕事人IV」の続編という形で仕事人グループから独立した勇次が一本立ちし新たに仕切人を結成し恨みを断ち切るのです。主水シリーズの勇次が一本立ちした経緯は演じた中条きよしが限界として制作サイドに必殺降板を申し出た事が切っ掛けでシリーズが大人気という事もあり一本立ちという形で出演を頼まれて続投を決めたというエピソードがあります。江戸城内の権力争いに巻き込まれた大奥中臈・お国(京マチ子)と女中・お清(西崎みどり)は大奥を追放されてしまい行き場の無い二人は髪結いの勘平(芦屋雁之助)と妻・お勝(ひし美ゆり子)が住む四谷に腰を落ち着け同じく大奥を追放され、元・大奥御広敷番だった小鳥屋を営む虎田龍之助(高橋悦史)と再開し市井の人間として生きる事となった。そこに江戸の仕事人・鬼アザミよりお国の殺しの依頼を受けた三味線屋の勇次(中条きよし)と仕立屋の新吉(小野寺昭)がお国の前に立つが、彼女の無垢で清らかな心に躊躇した。勇次と新吉は仕事に裏を感じ取り独自に調査した所外道仕事人だった鬼アザミが大奥追放の張本人から依頼を受け悪の稼ぎを企んでいたのだ。鬼アザミと対立する現場を見ていたお国は勇次に始末され掛かったが凄腕の仕切人として名を馳せていた勘平が現れ鬼アザミを始末した上で勇次と新吉に協力を要請する。お国と虎田龍之助と日増(山本陽一)を加え悪人一派を仕置しプロとアマを交えた殺し屋・仕切人チームが結成されたのだ。殺し技もお国は筮竹占いに使う鋼鉄製筮竹で首を刺し新吉は物差しに仕込んだ刀で相手の急所を刺す。虎田龍之助は悪人の頭上に風呂敷を被せ鋼鉄製の長煙管で相手の頭蓋骨を叩き割る。勘平は四方にロープを張り巡らせてリングを作りプロレス技で悪人を殺すのだ。この仕切人のキャスティングは映画並みの大物俳優で構成され当時はこの豪華キャストに度肝を抜かれました。視聴率も大好評でサブタイトルも「もしも~だったら」でこれは当時人気番組の「欽ちゃんのどこまでやるの」の主題歌「もしも明日が」から得たものであります。しかし物語がピラミッド、狼男、ターザン、超能力者登場とバラエティに富んでしまいすぎて時代劇とは掛け離れた為旧知からの必殺ファンからクレームが来る始末。このやり過ぎたバラエティな内容はその後の必殺大人気を急降下させてしまう原因を作ってしまいました。最終回は仕切人チームと同じ手口で殺し技をやるニセ仕切人チームが登場し挑発する。善悪見境なしに殺しを決行したニセ仕切人チームのおかげで本当の仕切人たちは奉行所に追われる身となってしまった。ニセ仕切人と対決し見事勝利した仕切人たちは追手から逃れる為に解散し、勘平を覗いたメンバーは旅立って行くのである。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【22%OFF!】必殺仕切人 VOL.1(DVD)
2010.08.27
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「金、金、金の世の中で泣くのは弱い者ばかり」必殺シリーズの第21弾「必殺仕事人IV」は仕事人シリーズ最高の人気を博し、前作からレギュラー出演者が誰一人変わること無い唯一の作品となっています。ある日、中村主水(藤田まこと)に別の仕事人から依頼が来た。相手は江戸幕府の老中と別の老中であった。主水は老中の勢力争いと睨み仕事を断るが何者かに襲われてしまう。その頃、秀(三田村邦彦)・勇次(中条きよし)加代(鮎川いずみ)おりく(山田五十鈴)たちが江戸に舞い戻り江戸に残っていた西順之助(ひかる一平)と再開した。しかし、おりくと勇次は巡礼の旅に出る予定でありまた秀は旅先で仕置きした男の娘で孤児となったお民(林佳子)を殺しという己の罪の意味も込めて、お民を育てる事を決意しており共に裏稼業に戻る気は無いと言う。主水も現在の危機を言い出せないまま彼らと別れ一人で仕事を決行する覚悟を決めたが主水の素性が老中にバレてしまい危機が迫っていた。そんな主水に秀・勇次・加代・順之助・おりくが駆け付けここに仕事人チームが再結成される事になった。新キャラクターとして一目惚れした順之助を毎回いろんな手で追い掛け回すオカマの玉助(梅津栄)が登場しこれは前作で順之助に一目惚れするオカマの女形としてゲスト出演しており、これが本作の起用に繋がり玉助のモチーフとなっている。殺し技は主水・秀・勇次・おりくは前作と同じであるが今回より順之助はライデン瓶を父・順庵に捨てられた為手製の投石器を発明し、殺しには参加せずに主水たちの援護を担うようになる。これは10代の若者である順之助がエレキテルで人を殺す行為に視聴者から抗議が寄せられたのが原因である。また技も華麗になり、特に勇次は仕事の際に「南無阿彌陀佛」と背中に刺繍された羽織を着用しています。本作は仕事人ブームを呼び、その勢いはテレビだけに留まらず仕事人特集が組まれた数々の書籍の発行やキングレコードから発売された番組BGM集更にはシリーズ通算600回記念として劇場用映画「必殺! THE HISSATSU」が制作されるほどその人気は止まる事を知りませんでした。ちなみにシリーズ第600話目に当たるのが第39話「加代 エリマキトカゲを目撃する」である。そして最終回、秀は悪人を仕置きするも偶然に居合わせた少女に殺しの現場を目撃されてしまう。仕事人の掟通り目撃者の少女を始末しようとするが自分の身内的な少女・お民と思いを重ね合わせてしまい殺す事が出来なかった。結果、秀はお尋ね者となってしまいお民と一緒に江戸を去る事になり秀の友好関係から仲間が芋づる式に捕えられる可能性がある為おりくと加代は旅に立ち、順之助は長崎へ単身留学した。勇次は江戸に残るも別の場所に引越してしまう。主水も、いつもと変わらない生活を送り仕事人・第1シーズンは終了するのです。 にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村【サマーセール】必殺仕事人IV VOL.1(DVD) ◆24%OFF!
2010.08.13
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「三途の川の渡し人」必殺シリーズ第20弾「必殺渡し人」は殺し旅シリーズが続いた非主水シリーズにおいて「必殺からくり人・血風編」以来7年振りに江戸が舞台となっている作品である。江戸の鏡研ぎ職人・惣太(中村雅俊)は、ある日の夜“かまいたちの忍”と呼ばれる女殺し屋の仕置きを目撃する。一夜明け、大目付の屋敷に奉公する女中・お沢(西崎みどり)はそこの息子に犯された挙句、子供を宿してしまい鳴滝診療所で堕ろしたいと懇願するお沢の姿を見かねたのが江戸で様々な力仕事を請け負う大吉(渡辺篤史)であった。しかし息子の醜聞を恐れた大目付はお沢を闇に葬ろうと企て奉行所に手を回し捕縛。拷問により瀕死の重傷となったお沢。お腹の子は流産し診療所で絶命した。お沢と結婚した大吉は怒りに燃え二人の敵討ちを決意し惣太は逆上した大吉を帰らせ、ある女性に協力を要請する。この女性こそ惣太が目撃した“かまいたちの忍”こと鳴滝診療所の医師でシーボルトと日本女性の間に生まれた鳴滝忍(高峰三枝子)だった。惣太も闇の世界で「鏡」と呼ばれる渡し人としての顔を持ちそんな忍と惣太の話のやりとりを陰から耳にした大吉は仲間入りを志願する。ここに新たなる「渡し人」チームが誕生し、悪人たちを三途の川に渡して行く。この渡し人の元締として登場した高峰三枝子は歴代シリーズにおいて草笛光子、中村玉緒、山田五十鈴、京マチ子に続く5人目の女元締であり殺しに出掛ける前に必ず淋浴をして身を清めた後に出陣するのである。これは当時、JRのテレビCM「フルムーン」で高峰本人が上原謙と共演した事を狙った演出である。本作の物語に登場する悪人は金目当の殺人ではなく現在でもゾッとする怖い事件を取り扱っており集団による手籠、SM趣味の挙げ句に人を殺す精神異常的な殺人、夫婦交換という異常性愛を描いたモノが多くまた渡し人の殺し技もゾッとする程のものであり惣太は手製の手鏡の柄に仕込んだ針で首筋を刺し相手の目前に鏡をかざし絶命の瞬間の自分の顔を見せ付け自分の死に顔を見せながら死なせるのが特徴で大吉は素手で悪人の腸を掴み強い握力をもって捻り切る腸捻転が必殺技で念仏の鉄以来のレントゲン映像を使用し鳴滝忍は右小指にはめている鋭利な水晶の刃の付いた指輪で悪人の頚動脈を瞬時に斬り裂く。この渡し人のエピソードとして、まずタイトルは当時、細川たかしの歌唱で大ヒットした「矢切の渡し」から付けられ本作のキャスティングとして当初は必殺仕置人の棺桶の錠を主役に検討していたが演ずる沖雅也サイドの都合で立ち消えとなったので改めて主役の惣太役に学園青春ドラマで一躍スターのなった中村雅俊を起用したという経緯がありました。この他の出演では「必殺必中仕事屋稼業」でオカマの目明し・源五郎役を好演した大塚吾郎が8年振りのレギュラー出演を果たしました。そして最終回は将軍家ゆかりの人物と渡し人の大元締と対決した渡し人達は奉行所からの追手から逃れる為解散するが惣太は妻であるお直(藤山直美)を連れてゆくか江戸に置いて行くか迷っており、惣太が最後に決断したのはお直に黙って江戸を去る事だった。夫の惣太だけではなく友人の大吉や鳴滝忍までも蒸発しており、ラストは渡し人主観の解散ではなく取り残されたお直の愕然とした姿に印象を残す名最終回となりました。 にほんブログ村 にほんブログ村【22%OFF!】必殺渡し人 VOL.1(DVD)
2010.07.23
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「世の中の善と悪とをくらぶれば、恥ずかしながら悪が勝つ」必殺シリーズの第19弾「必殺仕事人III」は前作「新・必殺仕事人」の続編であり第2次必殺ブームを巻き起こした最強の中村主水シリーズの第9弾であります。前話に当たる必殺スペシャル「仕事人大集合」で江戸の大元締・鹿蔵(中村雁二郎)上方の大元締・虎(藤村富士男)からくり人・天平(森田健作)仕事人・与市(フランキー堺)の犠牲のもと大仕事を完遂した中村主水(藤田まこと)勇次(中条きよし)秀(三田村邦彦)加代(鮎川いずみ)おりく(山田五十鈴)は再びチームとして組む事となった。そんなある日の夜、主水たちは「殺し」の現場を医学受験生の西順之助(ひかる一平)に目撃されてしまう。主水たちは裏稼業の掟により順之助を始末しようとするが、仕事人の面々を前にしても臆すること無く仕事人は正義の味方と憧れる彼の言葉を聞いて主水たちは手に掛けることは出来なく誰にも口外しない事を条件に順之助は助けられた。その後、ある事件が起こり噂を聞きつけた順之助は主水たちの仲間に入りたいと志願するも、「殺しは遊びじゃない」と全く相手にされない。主水は「これ以上、周りをうろちょろされたら目障りだ」と順之助を殺そうとするが自分に息子がいたら彼と同い年と思い泣きじゃくる彼を殺すことが出来なかった。元締・おりくは「自分たちが殺しのからくり人形にならないために普通に泣ける人間が仲間にいた方がいいかも知れない」という提案で異色の受験生仕事人・西順之助が誕生した。殺し技は平賀源内が発明したエレキテルで高圧電流を充填させたライデン瓶を使い悪人を感電死させる。こうして新たな仲間を加えた仕事人チームであるが順之助は受験生であるため人間としても未熟、仕事人としても未熟な少年である。時には塾の試験勉強のために平気で裏の仕事を休むというこれまでの歴代の殺し屋たちが少なからず持ち合わせていたプロ意識というものが大幅に欠如しており彼は「正義のために」「世直しのために」という大義名分を持ち出して殺し考える観念的理想主義者でその為、主水たちを怒らせ殴られたり蹴られたりといった鉄拳制裁される描写が見られ、秀・勇次・加代が足手まといの彼を始末する相談をしたりと前作「新・仕事人」以上のハードな描写も多々見られた。この西順之助は秀を演じた三田村邦彦が「太陽にほえろ!」に出演が決まった為、秀は前作「新・必殺仕事人」にて殉職が予定されており、それに伴う新キャラクターとして当時、ジャニーズ事務所所属であったアイドルひかる一平を起用し設定されていたが、ファンからの強い要望で三田村は引き続き出演することになり順之助は新メンバーとして加わった形になりました。また本作品は現代で問題視されている事件を背景にしており略奪愛を描いた「恋の重荷を背負ったのは秀」子供数人を虐待した親代わりの悪者を仕置きする「月の船を待っていたのは秀」DVや校内暴力、同級生イジメによる10代の若者を仕置きする「暴力塾生にいじめられたのは順之助」婚カツをテーマにした「嫁の勤めを果たしたのは加代」がある。そして最終回は御三卿・清水家の隠居という将軍家直属の大物が標的でこの仕事を引き受けた仕事人たちは大物を仕留めた。しかし将軍家の老中たちは奉行所に仕事人狩りを発動させ加代は指名手配となり頼み人と関わりがある秀と勇次も別件逮捕される聞きがある為、主水は仕事人の解散を決断する。主水と順之助を残し加代・秀・勇次は江戸を去った。本作の主題歌「冬の花」を歌った鮎川いずみは当時の日本有線大賞新人賞の栄冠に輝き「暗闇仕留人」の主題歌「旅愁」以来の大ヒットを記録し視聴率も必殺シリーズ歴代最高視聴率37.1%も記録する作品でした。にほんブログ村必殺仕事人III VOL.1(DVD) ◆20%OFF!
2010.06.25
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「お命!ご用心」必殺シリーズの第18弾として制作されたのが殺し旅シリーズ最終作「新・必殺仕舞人」である。前作「必殺仕舞人」最終回にて、晋松(高橋悦史)は瀕死の重傷を負うものの辛うじて生き延び、仕舞人チームは解散してしまったのでる。それから1年の歳月が経ち、自分たちに関わって命を落とした人々を供養する巡礼の旅に出ていた坂東京山(京マチ子)と、おはな(西崎みどり)は旅を終え鎌倉・本然寺に戻り正式に尼になろうという日を迎えていた。しかしそこに直次郎(本田博太郎)とかつての京山一座の娘たちがヤクザに追われて、助けを求めて駆け込んできた。直次郎たちは藤沢で踊りの興行を予定していたのだが、当地の興行師に娘たちは25両で女郎として売られ、その興行師も逃げ出してしまっていたのだ。しかも売られた相手は上州草津のヤクザで京山はヤクザと掛け合うため、直次郎を伴い草津温泉へと向かうのだが、道中で晋松とも再会するのである。ここに闇の仕舞人一座が復活し駆け込み寺に寄せられた弱い女たちの恨みを晴すのである。そして新レギュラーに本然寺から事件の全容を明記した手紙を京山一行に届ける役割を果たす権太(花紀京)が登場しました。殺し技は坂東京山と直次郎は前作同様であるが晋松は新必殺武器で紐で結んだ拍子木を敵の首に絞め、「お命…ご用心」と悪人に行った後打ち鳴らされる拍子木の音を合図に相手は絶命するのである。最終回は、おはなが慕う若侍が藍玉の秘法を探りに潜入していた。若侍は藍玉奉行と公儀御庭番にハメられ殺されてしまい仕舞人、最後の依頼者がおはなであり、仕舞人たちは覚悟を決めて困難な敵に立ち向かい相手が大物なだけに追手を免れる為に再び解散するのである。この殺しの相手が大物で解散するという方式は以降、何シリーズか続き定番となるのですが、これは視聴者層が若者になったため殺し屋の死を描かず、敢えて娯楽性を追求した配慮と考えられるのです。にほんブログ村新・必殺仕舞人1
2010.05.31
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「とかくこの世は悪党ぞろい」必殺シリーズ第17弾「新・必殺仕事人」は前作「必殺仕事人」の続編であり仕事人ブームを巻き起こす切っ掛けを作った作分であります。前作より起こった飾り職の秀の人気をそのまま受け継ぐ形で、三田村邦彦が連続登板し、仕事人の密偵役として鮎川いずみも引き続き登板した他、元締役として山田五十鈴が再び必殺シリーズに登場し仕事人シリーズの方向性を決定づけた中条きよし演じる三味線屋・勇次が登場しました。仕事人稼業から足を洗い平凡な毎日を過ごしてた中村主水(藤田まこと)の前に江戸を離れていた加代(鮎川いずみ)がボロボロの姿で主水の前に現れそして飾り職人の秀(三田村邦彦)も密かに江戸に舞い戻っており3人の仕事人は再会を果たしたのだ。三味線屋を営んでいる闇の仕事人おりく(山田五十鈴)と勇次(中条きよし)の親子に興味を持った加代は2人を監視していた。加代に不審を抱いた勇次は加代を捕えるも仲間の秀と対立しまた主水はおりくと対立していた為、お互いが仕事人だと悟った。そして女の恨みを晴らすべく主水は裏稼業への復帰を決意、加代と秀を呼び出し仕置を宣言した。そこへおりく・勇次親子が現れ主水たちに協力を申し出たのだ。かくして不信感に満ちた2つの仕事人チームは1つに統合し、新しい仕事人チームが誕生したのである。今回より登場した勇次は仕置屋のクールな一匹狼・市松と仕業人のキザなプレイボーイ・又衛門を合わせたような性格で実の父親は悪人で仕事人・おりくに始末されており当時三歳の勇次はおりくに引き取られ子供として育てられた。殺し技は三味線の糸で相手の首に糸を投げて巻きつけ宙吊りにして窒息死させる。これは前作のスペシャル「恐怖の大仕事」にて中条きよしが悪役で登場した際、仕事人・与市(フランキー堺)の殺し技が紐による宙吊りで彼にこの技で仕置きされているのです。おりくの殺し技は「必殺からくり人」同様三味線のバチによる悪人の喉笛を斬る。また鮎川いずみ扮する加代も連続登板しており前作の後半より“おきゃん”な性格になった加代を、更に今回は金に執着心が強く第8話より「何でも屋」を開業するのでした。これは当時、キャリアウーマン、ハイミスという社会的に強くなったOLを意識したキャラなのです。また中村主水の上司として第13話より筆頭同心・田中(山内としお)が登場しており当時の一流大学出身で若いうちに早出世したエリートサラリーマンをイメージしたキャラが登場し主水に対しても当初は「あんた」呼ばわりをしていました。そして最終回は秀が奉行所から追われる立場になり加代も富くじで大金を当てるなどをして主水と勇次を江戸に残して解散してしまう。当初は三田村邦彦が「太陽にほえろ」のジプシー刑事で出演が決まっており、同作品の最終回で命を落とす予定であった。しかし、それを知ったファンからの熱烈な助命嘆願により大幅に脚本が変更され最後まで生き残る事になったのです。にほんブログ村新必殺仕事人 VOL.4
2010.05.14
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「代わって晴らそう女の涙」必殺シリーズの第16弾「必殺仕舞人」は当時の民謡ブームを取り入れた殺し旅シリーズ第4作であります。今回のテーマは頼み人が女性限定であり日本中の駆け込み寺に寄せられた弱い女の恨みを晴らす為、全国各地を巡業する殺しの旅を始める仕舞人一座を描いている。前作「必殺仕事人」のスペシャル番組「恐怖の大仕事」で中村主水(藤田まこと)に加勢する仕事人として登場した芸人一座の坂東京山(京マチ子)が、そのまま登場しており表稼業は7人の踊り子たちを従う民謡手踊り一座坂東一座の座長であり、裏では凄腕の殺し屋である。京山は愛する男・奉行所与力の戸塚に裏切られその上、赤ん坊を死なせてしまった。戸塚を殺しのターゲットしていた京山に同じく戸塚を狙っていた晋松(高橋悦史)と出会う。その殺しの現場を目撃した京山を慕うヤクザ崩れの直次郎(本田博太郎)が仲間入りした。そして手踊り一座のリーダー格を務めていた、おはな(西崎みどり)は京山の裏の顔を目撃したのを切っ掛けに、晋松に始末されかけた所を京山に救われ、以後は裏でも密偵として京山をサポートする事になる。殺し技も京山は合気道を駆使した華やかな立ち回りで敵を翻弄し、髪に刺した長簪で敵の急所を突き刺す。晋松は鋼の刃を仕込んだ腰縄を敵の首に巻きつけ、刃を引き抜いて頚動脈を切断する。 そして直次郎は殺しに関しては素人であり武器は長いドスであり、彼は自身を限界まで窮地に追い込み、テンションが高まると異様な呼吸音を立て始め居合い斬りをする。出演した京マチ子は山田五十鈴、草笛光子に続く3代目・女元締であり銀幕のスターの起用となりました。また前作に登場した三田村邦彦により若い女性が必殺シリーズを見るようになり、仕舞人では同じく「ただいま放課後」の先生役で女性に人気のあった本田博太郎を起用する事によって視聴率低下を防ぐ事に成功している。そして最終回、将軍家の従姉妹である聖妙尼を狙うが、晋松は殺し屋・帷子の辰に刺され重傷を負う。京山は一座の娘たちを巻き込まないよう舞台で破廉恥な演出をして奉行所から一座解散を言い渡され娘たちは他の一座に引き取られていく。殺しを成功させた京山たちは相手が大物のため追手から逃れるため解散し晋松は京山たちとの別れの後に一人倒れ伏すが「死んでたまるか」と執念で辛うじて生き延びたのだ。本来ならば晋松は殉職といった所だがこれは娯楽性が強くなった番組への気遣いと言えます。にほんブログ村必殺仕舞人 VOL.1(DVD) ◆20%OFF!
2010.04.23
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「仕掛けて殺して日が暮れて」必殺シリーズ第15弾「必殺仕事人」はその後の仕事人ブームを巻き起こす原点となった作品です。前作「翔べ! 必殺うらごろし」により視聴率が低迷し必殺シリーズ打ち切りという事態に今回は原点回帰を狙い、シリーズの顔と言える中村主水を登場させ、更に主水に直接の元締を付けるという「必殺仕掛人」と「必殺仕置人」をミックスした設定となっています。江戸で仕事人の取り締まりが強化されたのを機に殺し屋は江戸の町から姿を消した。一方、八王子へ左遷されていた中村主水(藤田まこと)は勘定奉行の稲葉より再び南町への異動が命じられた。実は主水の人事異動を裏で仕掛けていたのは闇の裏稼業の大元締・鹿蔵(中村鴈治郎)であった。鹿蔵は江戸に再び闇の裏稼業を復活させるため、主水を呼び戻したのだ。この鹿蔵の情熱に主水は再び裏稼業に舞い戻り逃亡生活を続けていた浪人・畷左門(伊吹吾郎)と血の気盛んな若者の飾り職人の秀(三田村邦彦)は鹿蔵の心意気に心動かされ仲間となった。この「必殺仕事人」は軌道修正が程なくされておりまず大元締の鹿蔵が第6話で降板し第7話より2代目元締・おとわ(山田五十鈴)が登場。しかし第21話で降板してしまうのです。情報収集係の半吉(山田隆夫)も当初「仕事人」は第26話で終了する予定が、人気により放送は延長され、山田のスケジュールなどの関連もあって第26話で殉職するのです。そして第29話からは3代目元締・六蔵(木村功)と配下に加代(鮎川いずみ)おしま(三島ゆり子)が登場し左門も浪人から坊主頭のおでん屋に変わり、殺し技も名刀・同田貫で悪人を斬り殺す技から怪力による腰骨外しに変更される。しかし六蔵役の木村功が食道癌で死去してしまい自動的に降板となってしまいました。番組の設定上、最終回まで仕切っていた事にはなっていました。番組は二転三転しサブタイトルも疑問形から「技」を取り入れたものに変更されました。そんな状況の中「必殺シリーズ」に救世主が現れました。飾り職人の秀こと三田村邦彦の登場である。髷を付けない現代の髪型でジージャンとジーンズ姿という時代劇とは掛け離れたファッションが女子学生に注目され、初回放送時は10%台だった視聴率が三田村邦彦登場により今まで「必殺シリーズ」を見ていたサラリーマンや年寄りから女子学生へと移り変わり視聴率が一気に20%台に登ったのです。秀は最初、血の気盛んな若者で勝手な行動を取る為主水や左門によく殴られており殺し技も簪作りに使う小型道具・ノミを使用し、悪人の首を刺すのだが第33話より金属製の房が付いた簪を武器として使用しワイルドな殺し方から華麗な殺しへと変わり番組後半にはクールな青年・秀が描かれていました。また中盤から三田村邦彦が歌う挿入歌「いま走れ! いま生きる!」が登場し、レギュラー出演陣による挿入歌が仕事人シリーズを通じて流される様になりました。この女子学生が「仕事人」を見るようになってからは内容もハードボイルドタッチから若者向けに分かりやすい内容へと変わっていき被害者と表稼業の仕事人は普段関わりを持ち悪人に殺された被害者は死ぬ間際に「晴らせぬ恨みを・・・」と仕事人に依頼するというパターンは本作品中盤以降最終シリーズまで続くのでありました。そして最終回は左門の妻が殺され、娘は記憶喪失になるも仕事人の殉職者もなく解散という形で幕を閉じました。これは続編が用意され、シリーズ化する意図によるものである。本来は第26回で最終回になる予定であり、秀は他の殺し屋組織との抗争で命を落とす予定であったが同作品のヒットと秀の人気が出始めたこともあって最終回まで生き残る結果となりました。音楽も多忙だった平尾昌晃が久々に復帰し、主題歌も民謡歌手・金沢明子の「浜千鳥情話」が使用され(第57、58話は「いま走れ!いま生きる!」が使用される)殺しのテーマも浜千鳥情話のロックバージョンから「新・必殺仕置人」の出陣テーマに変更され、これは「人の恨みをロックで楽しく殺すのか?」という疑問から変更された経緯がありまた第6話より中村主水の殺しのシーンにはスローバラードの曲が使用されました。これは藤田まことが背中で演技をする役者へと成長した事へのメッセージでもありました。にほんブログ村DVD/Blu-ray 期間限定 Special Sale TVドラマその他必殺仕事人: Vol.1 【DVD】
2010.03.20
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「合点承知の必殺供養」必殺シリーズの第14弾「翔べ!必殺うらごろし」はオカルトを取り上げた異色の必殺シリーズなのです。摩訶不思議な力を持ち、自らを修行中という行者、即ち霊能力者の通称・先生(中村敦夫)は記憶喪失となってしまい子供を探す旅に出ている通称・おばさん(市原悦子)と出会う。先生は霊視によりおばさんが元・殺し屋だったと見抜き、子供と生き別れになったと言う。その能力を知った正十(火野正平)は江戸で殺しの斡旋業をしていた為、先生をスカウトし、殺し稼業を始めようとした。そして周囲から女性と認められない為、男の様に生きてしまった通称・若(和田アキ子)と熊野権現のお札を売り歩く巫女のおねむ(鮎川いずみ)が加わり死者の恨みの声を聞き、各地で起こる超常現象とその恨みを晴らす旅に出るのである。この「うらごろし」で取り上げた超常現象は目から血の涙が出る像、幽体離脱、憑依、ポルターガイスト、人面瘡、エクトプラズムなど実際に科学で証明されない現象でありこの超常現象に晴らせぬ恨みが関わるという一風変わった物語になっています。また殺し技も先生は常に持ち歩いている大日如来を示す梵字が書かれた旗の旗竿で、悪人の急所を突き刺し心臓を貫く。おばさんは最初に悪人にブツブツと話し掛けその隙を狙って匕首で相手を刺し殺す。そして若の殺し技は顔面を狙った鉄拳で殴られた相手は首が180度回った形で崩れ落ちるのである。殺しの時刻も往来の必殺は夜、仕置きが敢行されるのに対し「うらごろし」は太陽が昇った瞬間、即ち朝一で仕置きを慣行するのである。、先生は太陽向かって座禅を組み被害に遭った死者の痛切な恨みの声を聞き殺す悪の元へ出陣するのである。また正十は中村主水と組んでいた正八と同一人物ではないかと思わせる節がある。そして最終回、催眠術を悪用した一味によって記憶を取り戻したおばさんは過去、殺しの現場を自分の息子に見られたショックで記憶を無くしたという記憶も蘇り、その子供の新しい家族を守るために悪党と戦う。しかし逆に殺されてしまい先生に後を託して正十に背負われながら息絶えた。おばさんの仇打ちをした一行は解散するのである。この「うらごろし」はオカルト時代劇を必殺シリーズに持ち込んだ為に往来のファンは生理的に合わなかった所為か過去最低視聴率を弾き出してしまった。結果、必殺シリーズ打ち切りという危機に陥ってしまったのだ。しかし物語のグレードは高く現在再評価されるほどストーリー性は良く出来ているのである。またオカルトを取り上げていたせいか出演者も中村敦夫は負傷してしまい、和田アキ子、市原悦子も病気に患うなどトラブルも相次いだのです。音楽は当時、平尾昌晃が「カナダからの手紙」による歌手活動が多忙だった為、植木等の長男である比呂公一が担当しています。当時はYMOによるシンセサイザーが主流となっておりシンセを巧みに使った音楽は必殺サウンドに新しい風を吹き込みました。彼は歌手として特撮番組「ミラーマン」の主題歌を担当していました。また当作品の主題歌「愛して」を歌ったのは出演者の和田アキ子で、この作品以降、レギュラー出演者が番組主題歌を歌う事になりました。にほんブログ村翔べ!必殺うらごろし VOL.1(DVD) ◆20%OFF!
2010.03.05
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「やさしさだけでは生きてはいけぬ」必殺シリーズ第13弾「必殺からくり人 富嶽百景殺し旅」は前作「新・必殺からくり人」の続編でからくり人シリーズ第4弾に当たる作品です。出雲太夫一座と名称を変えたお艶(山田五十鈴)の前に大元締・西村永寿堂与八が現れ再び殺し旅の依頼をする。今度の絵師は葛飾北斎(小沢栄太郎)であり彼が描く「富嶽百景」の絵の中に秘めた殺しのヒントとなる被害者やターゲットとなる悪人などあぶり出しによる手法でからくり人達に殺しの伝達をする。一座は番頭格のどじょうの宇蔵(芦屋雁之助)密偵の虫の鈴平(江戸家小猫)、一座の踊り子で女密偵のうさぎ(高橋洋子)というファミリーで構成されこの一座に北斎の絵を運び込むのがクールで凄腕の殺し屋・唐十郎(沖雅也)で彼の表稼業は板前である。殺し技も後の仕事人シリーズに影響を与える派手な武器が登場する。お艶は三味線の撥で相手の喉を斬り裂きまた今回は仕込み三味線が登場し柄の部分に太い針が仕込んであり槍のような役割で相手を刺し、弦の糸で首を絞めたり糸巻きの部分にも太めの針がある。唐十郎の武器は釣竿で先端に針が仕込んでありまた伸縮自在で数メートルにも伸びるため、遠距離にいる悪人の首を刺す。さらに釣竿の手元部分には長い千枚通しが仕込んであり、接近戦の時はこれを使用する。宇蔵は魚釣りの大型魚籠で悪人の頭部に被せたまま、怪力で魚籠を締め上げ相手の頭蓋骨を粉砕する。そして最終回、版元の梅屋は北斎を死んだ事にして北斎の絵を高騰する計画を立てていた。その頃、風景画より女性の人物画に目覚めた北斎は人物画を描きまくった。梅屋は北斎の人物画を写楽という名で売り出していた。これを知った北斎は梅屋に抗議するも殺されてしまうのである。娘・おえい(吉田日出子)はこの恨みをお艶に託したのだ。そして再びお艶一座は旅に出るのであった。このからくり人最終回は殺し屋の殉職者がいなくこれは「必殺仕置人」依頼であり、またチームが解散しないという珍しいパターンで終了するのです。また東洲斎写楽は現在でも判明出来てない謎の人物であり短期間の活動だった為、その理由解明をする研究者がいるほどである。からくり人シリーズは、この「富嶽百景」を最後に完結し「からくり人」「新・からくり人」「富嶽百景殺し旅」は関連性があり、史実や歴史上の実在する人物に絡むという歴史のからくりに挑戦した最高傑作だと言えるのです。にほんブログ村必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 VOL.2(DVD) ◆20%OFF!
2010.02.17
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「手折られ花は怨み花」必殺シリーズ第12弾「必殺商売人」は新・仕置人と仕事屋稼業の続編にあたる合併作品であり中村主水の太刀が豪快に振舞われています。仕置人解散後、中村主水(藤田まこと)と絵草紙屋からマッサージ屋へ転職した正八(火野正平)は毎日ちっぽけな小遣い稼ぎに明け暮れていた。ある夜、正八は神社の境内で殺しの現場を目撃した。かつて仕事屋の元締として裏稼業を仕切っていた嶋屋おせい(草笛光子)が仕事屋解散後、殺し屋の新次(梅宮辰夫)とコンビを組み晴らせぬ恨みを晴らしていた二人の仕事であった。そんな時、中村主水の妻・りつ(白木万里)が妊娠したのである。日頃、義母のせん(菅井きん)から種無しかぼちゃと呼ばれてた主水はこれを機に裏稼業から引退を決意する。しかし外国より奴隷として日本に連れてこられた黒人の金太を殺され、金太の友達であった少女・美代(斎藤こず恵)は神社の境内へ仕置きの依頼をする。そこへ主水率いる仕置人チームとおせい率いる仕事屋チームが仕事を奪いあい新次は役人である主水を信用できず対当する。しかし仕置きの現場に両者が現れお互いを信用し始めるのである。生まれて来る我が子の父親になる資格があるのかという葛藤を抱えながらも裏稼業に復帰する主水とおせいと新次は元夫婦であり、ある仕置の依頼で、標的を間違えて人を殺した事が原因となり、お互いの夫婦関係を解消していた。対照的な2チームが合併し闇の商売人が誕生し内容もアダルトな大人の味を見せた作品となりました。このストーリーは当時流行していた外国番組「ルーツ」のキンテ・クンタをモチーフに「山口さん家のツトムくん」の歌で人気のあった名子役・斎藤こず恵を起用した正に当時の流行を取り入れた作品に仕上がっている。また当時の流行として「カラオケ」があり「演歌チャンチャカチャン」を物語に取り込み江戸の町にカラオケが流行った設定となりました。殺し技も主水の太刀は二刀流と豪快になっており新次は表稼業の髪結いに使う櫛で悪人の額や首筋を刺す。 おせいの表稼業は舞踊の師匠で半月形の刃を仕込んだ舞扇を使用し悪人の首筋を斬る。 またゲストも当時のアイドル歌手であった風吹ジュンやアイドル女優の吉沢京子、佳那晃子、本阿弥周子といった若手女性を起用し始めた必殺シリーズであり後の仕事人への布石を残していました。オープニングナレーションもトップアイドルだった桜田淳子を起用し作品に一石を投じました。音楽も平尾昌晃から森田公一に担当が変わりこれは当時、平尾が「カナダからの手紙」で久し振りに歌手活動をしていた為、スケジュールの都合上森田にバトンタッチしたようです。主題歌も日活の小林旭が歌う「夢ん中」そして最終回、悪の商売人グループの罠にハマったおせいは捕えられてしまい、新次は単身敵地に乗り込み救出するも敵の放った矢を首に受けて絶命し、主水は悪の商売人達を絶滅させた。このあと帰宅した主水を待っていたのは、生まれたばかりの我が子の死んだ姿であり死産という結末で終わったのである。にほんブログ村キングレコード 江戸プロフェッショナル 必殺商売人 VOL.1
2010.01.30
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「人の一生は旅に似てると言いますが 本当にそうでございますね」必殺シリーズ第11弾「新・必殺からくり人」はシリーズ初の旅をして殺しをする必殺シリーズである。前作に当たる「必殺からくり人」と同じ3人のメンバーが存在するが関連性はなく別の世界を描いている。しかし前作同様、からくり人はファミリーで構成されからくり人の花乃屋仇吉の昔の名である「お艶」を使うなど、そのイメージを受継いでもいる。天保太夫一座は小屋掛けの芸人一座で三味線の弾き語りの泣き節お艶(山田五十鈴)火を使った芸のブラ平(芦屋雁之助)落語家の塩八(古今亭志ん朝)独楽芸の小駒(ジュディ・オング)の4人だが裏では晴らせぬ恨みを金で晴らす“からくり人”だった。ある夜、蛮社の獄で幕府から弾圧を受け追われていた蘭学の高野長英が一座に逃げ転んできた。お艶たちは彼を庇う事になる。彼は蘭兵衛(近藤正臣)と名乗り身を隠す事になる。 翌日、天保の改革による奢侈禁止令により、奉行所から江戸所払いを言い渡されてしまいさらに小屋に火を付けるなど追い打ちをかけてきた。この様子を見た絵師の安藤広重(緒形拳)は一座の裏稼業を知ると自分が東海道五十三次を描き上げる道中で各地の悪事非道を見てしまいお艶に殺しの依頼をしてきた。広重が書いた五十三次の絵には火であぶると殺しの相手、もしくは被害者が赤く染まるという仕掛けがあり必殺シリーズには珍しいサスペンスタッチの物語にもなっている。かくして一座は東海道五十三次殺し旅をするのである。第2話より蘭兵衛の正体を知ったお艶は彼を庇う条件として刀を仕込んだ杖を渡し殺し屋として一座に仲間入りさせるのである。頼み人が安藤広重で殺し屋が高野長英という歴史上の人物が、からくり人に関わる形は前作同様のテーマがありました。設定的に前作「必殺からくり人」第11、12話の継続としても考えられなくはないストーリーである。殺し技もお艶は三味線のバチで相手の喉を切り蘭兵衛は仕込み杖で敵を刺す。ブラ平は口に含んだ油を手に持っている蝋燭の炎めがけて吹きつけて相手を焼き殺し小駒は独楽の軸で相手の急所を刺す。ここで注目なのは塩八の殺し技で彼の得意な話術で相手を催眠術に掛け自殺させるという絶対証拠の残らない殺し技である。しかし第7話で塩八は悪人に銃で撃たれて瀕死の重傷を負ってしまうが、命がもう無いと悟ったのか一座で落語を披露し大勢の聴衆から拍手喝采を受ける幻を見ながら死ぬとう結末になる。最終回、蘭兵衛は再び幕府に追われてしまい、ブラ平に顔を焼いてもらい人相を変えて一座と別れて行く。そして安藤広重と京都で再開したお艶は彼が幕府の隠密である事を知ったのだ。無事、任務を終えた一座は再び芸人として旅に出たのであった。にほんブログ村【CD】必殺仕業人/新必殺からくり人/TVサントラ テレビサントラ
2010.01.19
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「ここにいう仕置人とは、法の網を潜って蔓延る悪を裁く闇の処刑人のことである」必殺史上、最高の大傑作である必殺シリーズ第10弾「新・必殺仕置人」は登場人物の魅力とドラマ性の高さがある作品です。江戸の殺し屋を束ねる巨大組織「寅の会」月2回「寅の日」に殺し屋が集結し俳句の中に標的となる相手の名前が詠まれ、頼み料の公開後、仕置人たちによる競りが始まる。この裏組織を束ね君臨するのが元締・虎(藤村富美男)その虎の用心棒で神出鬼没かつ絶対恐怖の存在で仕置人の監視役である死神(河原崎建三)がいる。このメンバーの中に再び江戸に舞い戻っていた念仏の鉄(山崎努)がいる。そして寅の会で中村主水(藤田まこと)が仕置の依頼に取り上げられたのを切っ掛けに主水と再会し、再び主水と組んで裏稼業を行うのです。この時期の主水は牢破りを未然に防いだ手柄により昇格、定町廻り同心に復帰していたのでした。この念仏の鉄一派に鋳掛屋の巳代松(中村嘉葎雄)絵草子屋で情報収集を担当する正八(火野正平)スリのおてい(中尾ミエ)がおり、主水は鉄一派に加入する形で仕置人へ戻るのです。新・仕置人は何と言っても物語の完成度が高く、巳代松が実の兄を仕置きする「情愛無用」中村主水が裏切り者と勘違いされる「裏切無用」巳代松が命の恩人を仕置き出来ず苦悩する「約束無用」正八の恋愛ストーリー「夢想無用」そして巳代松と自身が仕置した悪人の娘・おねことの葛藤を描く「質草無用」など傑作と呼ばれる物語が多い。殺し技も念仏の鉄は「必殺仕置人」同様の骨外し。巳代松は手製の竹鉄砲で悪人を射殺する。しかし使用する火薬の調整上射程距離が約4mしかなく発射すると銃身が砕け散ってしまう。寅の会の死神は狩猟の鉄製の銛を投げ相手の首筋を貫き元締・虎はバットで悪人の頭部を強打し撲殺する。このシーンになると藤村富美男の阪神現役時代の映像が挿入されるという演出も見られました。そして第40話「愛情無用」で死神が女仕置人・お徳と相思相愛の上、足抜けを図り、遂には奉行所に追われてしまう。正八は死神を匿い、その死神はギリヤーク人で虎に拾われ養子となり虎から殺人マシーンとして、育てられることになる。ラストでは寅の会の掟を破った上に死神は心中してしまうのです。そして必殺シリーズにて最高の中の最高傑作である最終回「解散無用」では巳代松が仕置きの現場を町方に目撃され、現行犯で捕えられてしまい、奉行所で拷問を受けてしまう。その頃、元締・虎は死神の死を栄えに寅の会を解散すると宣言。その後釜をめぐる抗争に巻き込まれた虎は自宅で外道仕置人辰蔵一味(佐藤慶)に襲撃されてしまうのです。駆け付けた鉄に辰蔵一味の仕置を依頼しつつ死亡する。そして巳代松は過酷な拷問の末、植物人間となってしまい鉄は巳代松を救う為に辰蔵一味に乗り込むが、襲撃され逆に右手を焼かれてしまう。その仇を討つ為、主水は自分が死んでもいいように妻のりつ(白木万里)に離縁を申し出たのだ。主水の存在は元締・虎、死神、及び仕置人達にはまったく知られていなかった為、辰蔵一味乗り込みに成功し一味を壊滅していくのである。巳代松は正八とおていのアシストで最後の仕置を敢行。鉄は最後の力を振り絞り自らの手で辰蔵を仕置するしかし自身も腹部に致命傷を受け相討ちとなってしまう。鉄は重体のまま女郎屋に赴き、女郎と床入りしたところで息絶えるという壮絶な最期を遂げたのです。巳代松はおていと共に旅立ち、主水は相変わらず民衆から賄賂を貰っているというシーンで幕は閉じるのです。必殺シリーズ崩壊3部作の1つでファンの間で語り草となっている最終回でありました。にほんブログ村送料無料!!【DVD】新必殺仕置人 Vol.1/藤田まこと フジタ マコト
2010.01.06
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「雨は降る降る血の雨が、人の情けは泥まみれ」必殺シリーズ第9弾「必殺からくり人・血風編」は前作同様、史実に殺し屋“からくり人”を絡ませた作品で舞台は幕末の品川という現代に一番近い必殺シリーズである。江戸幕府を打倒して明治維新による天皇親政体制の転換を目的とした坂本龍馬の薩長連合は江戸の街を攻め入ろうとしていた。世間では「ええじゃないか」が流行っておりそんな世直りを願っていた時代、暗躍していたのが晴らせぬ恨みを晴らす“からくり人”たちである。品川宿の旅館「白浜屋」を営む元締おりく(草笛光子)を筆頭に性風俗関係の職業・玉転がしが表稼業の直次郎(浜畑賢吉)寺の小姓で妖艶な新之介(ピーター、現・池畑慎之介)白浜屋の従業員のおいね(吉田日出子)が町民たちの晴らせぬ恨みを晴らして行く。ある日、からくり人による悪党岡っ引きの暗殺を目撃し銃弾で撃たれる重傷を負っていた土佐ヱ門(山崎努)は、からくり人に助けられる。この土佐ヱ門の正体は薩摩藩の密偵で姿を世間に隠す為、からくり人に加入するのである。物語は一匹狼の土佐ヱ門と人を信用せぬ直次郎との反目しあう仲でスタートし中盤から徐々に友情を高めて行き、さらに新之介も土佐ヱ門を尊敬する人物にするなど、信頼を高めていきました。殺し技も土佐ヱ門は拳銃、ライフル銃で悪人の息の音が止まるまで顔色一つ変えずに撃ち殺す非情なる殺し屋でありました。直次郎は自身の足の指を使い悪人の首を足で挟みながら喉笛を砕き首を折るという足技を使い新之介は口に含んだ針で悪人の首筋を飛ばし刺し殺す。そして最終回は生きて行くため官軍に身を投じた直次郎が白浜屋の女郎の恋人を官軍に売り、殺害させ非道に落ちた直次郎を攻めた土佐ヱ門は激怒。直次郎は責任を果たすべく官軍に抗議しに行くも官軍に裏切られ殺されてしまう。直次郎の仇打ちに土佐ヱ門は薩摩藩の上司をからくり人として暗殺する。その後、からくり人たちは解散し旅立つのだがそこには大砲の音が木霊し江戸は侵略され、明治の夜明けを感じながら旅立つのである。ちなみに血風編は前作「必殺からくり人」の後に本来製作される予定だった「新・必殺仕置人」が中村せん役の菅井きんとの交渉難航により遅延。この結果、急遽「からくり人」の続編的シリーズを制作し念仏の鉄役・山崎努の出演スケジュールを一年分確保している関係もあって山崎を「血風編」に出演させました。にほんブログ村《送料無料》川谷拓三 他/必殺からくり人/必殺からくり人血風編(CD)
2009.12.14
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「許せぬ悪に、とどめ刺す」必殺シリーズ第8弾「必殺からくり人」は江戸・天保の時代を背景に実際にあった史実、事件、歴史上人物に闇の殺し屋からくり人を絡ませた作品となっています。この「からくり人」より初めて“必殺シリーズ”と命名され、必殺を一貫したシリーズとして明確にしました。物語は闇の世界に元締の蘭兵衛(芦田伸介)率いるからくり人と裏で幕府と結び付いている曇り一家との抗争を描いており第1話にて鼠小僧次郎吉(財津一郎)が大名屋敷で見た裏事実を書き留めた覚書を狙って曇り一家は蘭兵衛を暗殺。その仇を討つべく2代目元締・花乃屋仇吉(山田五十鈴)と枕職人の夢屋時次郎(緒形拳)花火職人の仕掛の天平(森田健作)芸者置屋の船頭・八尺の藤兵ヱ(芦屋雁之助)仇吉の娘で読唇術が得意の花乃屋とんぼ(ジュディ・オング)藤兵ヱの息子で少々頭の弱い・八寸のへろ松(間寛平)は格安でも弱い者の依頼を請け負い曇り一家と幕府に挑戦するのである。冒頭は必ず現代の風景から物語の導入が始まるという必殺シリーズでは珍しいフォーマットでありました。史実も百姓一揆、陰間茶屋、人返しの令、キリスタン弾圧、蛮社の獄など天保時代を代表する事件を取り扱っており、歴史上人物も鼠小僧、水野忠邦、鳥居耀蔵、高野長英、大前田英五郎などといった天保を代表する人物が登場しておりました。また第7話「佐渡からお中元をどうぞ」は佐渡金山から掘られた金を幕府から横領するという殺し自体ない物語も存在するのです。この「からくり人」たちはファミリーであり殺し屋たちは同じ屋根の下で生活して前作「仕業人」と違い表商売でも通用する職業も持っている。しかしファミリー達は八丈島を島抜けした罪人であり、影の人間でもあるのです。殺し技も時次郎は枕作り用の金属製の鉄べらで、悪人の首筋を刺し、天平は携帯用の花火を相手の口の中に入れ体内で爆発させる。藤兵ヱは水に濡れたタオルを相手の首の骨を怪力で殺し、仇吉は三味線のバチで悪人の喉元を斬る。最終回前の「鳩に豆鉄砲をどうぞ」では時次郎が幕府の弾圧で殺された恩人・小関三英(史実上の人物で蘭学者)の仇を討つべく時の老中・水野忠邦の暗殺を狙い境内でライフル銃で射殺をするも未遂に終わり時次郎は爆破による自決をするのである。そして最終回、からくり人と曇り一家の最終決戦が始まり藤兵ヱは船の中で曇りの手下数人に襲撃され殺される。天平は職場である花火小屋を襲撃され小屋が爆破されてしまい失明してしまう。最終決戦は曇り一家のアジトで天平は大型爆弾でアジトをぶっ飛ばし自爆死してしまい仇吉と曇りの元締め対決では相討ちにより両者が死ぬというからくり人は全滅してしまうのである。これは必殺シリーズ崩壊劇3部作の1つである。また主題歌「負犬の唄」を歌ったのが川谷拓三で当時「仁義なき戦いシリーズ」で頭角を現し「どん兵衛」のCMで人気を博した時の歌で名曲中の名曲と呼ばれており第2話「津軽じょんがらに涙をどうぞ」ではドラマとしても高い評価を受けギャラクシー賞を受賞しました。にほんブログ村【歳末特価!】 必殺からくり人 VOL.1(DVD) ◆24%OFF!
2009.12.04
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「あんたこの世をどう思う」高度成長期から凋落し大不景気に見舞われた当時の日本経済や世相を描いたのがシリーズ第7弾「必殺仕業人」である。生活苦が故に余裕もなく虚無的で人間関係は常にドライという今現在の日本にも通じる作風となっています。前作「必殺仕置屋稼業」で市松を逃亡させた失態で、中村主水(藤田まこと)は小伝馬町牢屋敷の見廻り同心に降格させられてしまう。生活が苦しく心に余裕すら無い主水は、家族の内職や家の一室を他人に間借りするなど、貧窮さが現れていました。そんな時、主水の前に赤井剣之介(中村敦夫)とお歌(中尾ミエ)という大道芸人が現れる。剣之介は自身が惚れた芸人のお歌の為に人を殺し殺人罪で追われるお尋ね者となってしまい逃亡先で仕置屋の市松と出会い主水を紹介されたのである。彼は表社会では生きる術が無く、殺しでしか日常生活を維持する事が出来ない窮地に立たされている。殺し技は剃刀付きの指輪で悪人の元結を切断しその乱れた髪の毛で相手の首を絞め殺すという殺し道具にも予算のなく知恵で殺し技を考えたものである。そして鍼灸師・やいとや又右衛門(大出俊)は仲間には嫌味で冷たくキザでドライ。彼の殺し技は携帯している印籠に火種が詰まっており、その中で熱した真っ赤な針を相手の眉間や急所に刺す。この様に仕業人グループはお互いの信用は全く無く金だけが仲間を結び付けるドライな関係であるのです。またOPナレーションは宇崎竜童が担当し、「港のヨーコ、コヨハマ。ヨコスカ」をイメージとしたに内容に現代の不条理な浮世を語ったナレーションになっている。また「仕業人」というタイトルは一般公募から決定したもので当時の必殺シリーズの人気があったことを裏付けています。そして最終回、又右衛門の仕事のミスにより剣之介が奉行所に捕らわれてしまう。拷問にかけらた剣之介を又右衛門とお歌が救出するも失敗し、又右衛門は囚われてしまい、剣之介とお歌はドブ川で追い詰められ、数人の藩士に斬りつけられ殺されてしまう。しかし又右衛門に仕置きされた藩士の息子は逆恨みだと気がつき又右衛門を逃がし、主水と一対一の対決を迫ったのだ。ラストは主水と藩士の1対1の真剣勝負。主水の勝利に終わるも剣之介の無意味な最期は中村主水の心に深いトラウマを残しました。仕事人シリーズ終盤まで、必ず剣之介の事を思い出し、その傷が消える事がありませんでした。にほんブログ村【歳末特価!】 必殺仕業人 VOL.1(DVD) ◆24%OFF!
2009.11.19
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「人のお命頂くからは、いずれ私も地獄道」前作「必殺必中仕事屋稼業」で起こったネット局改変、いわゆる腸捻転解消により視聴率が30%台から一気に10%台になってしまった。制作陣は視聴率回復の為にシリーズで人気のあった中村主水を3度登場させた。それが「必殺仕置屋稼業」なのです。「暗闇仕留人」にて糸井貢を失い自信喪失していた中村主水(藤田まこと)は、ある夜一匹狼の殺し屋・市松(沖雅也)の仕置を目撃する。そんな矢先、主水は北町奉行所から南町奉行所へ転勤となり岡っ引きの亀吉(小松政夫)を従えるのである。ある日、主水の裏稼業を知る女髪結いおこう(中村玉緒)から仕置の依頼を受ける。一度は知らぬ顔を通した主水だったが、依頼人姉妹の悲惨な結末を目の当たりにし法の腐敗と自身の無力さを痛感、裏稼業への復帰を決意するのである。人を信用せず常に単独行動の一匹狼で浮世離れした雰囲気のクールな美形殺し屋・市松と怪力の持ち主で無類の女好きの破戒僧・印玄(新克利)そして密偵の捨三(渡辺篤史)と仕置屋を組み晴らせぬ恨みを晴らして行くのである。市松の殺し技は手製の竹串で、火や水を使って加工しながら竹串を削り仕上げ金属製の刃物に劣らない武器となり悪人の首筋を刺す。印玄は悪人を担ぎ上げて屋根の上まで登り相手を転落させ、複雑骨折にして殺す。また本作から中村家がコミカルに描かれており、後の必殺仕事人シリーズにも受け継がれていきます。オープニングも現代の市内でサラリーマン姿で歩く主水、カブに飛び乗る印玄、街中で本を読む市松というもしも殺し屋が現代にいたらという斬新なアイディアが話題を呼びました。最終回、仕置屋の窓口であった女髪結いおこうが奉行所に捕らわれて拷問を受けてしまう。印玄はおこうを救出するが腹部を刺されてしまいそのまま悪人と共に屋根から落ち相討ちして死んでしまう。市松によって、おこうはアジトに連れて来られるも仲間の前で息果ててしまう。今度は市松は奉行所に捕らえられ処刑場に送られるが、主水がワザとヘマをし市松を逃がすことに成功する。しかし主水は不手際で逃がしてしまった事が原因で、定町廻りから小伝馬町の牢屋敷見廻り同心に降格させられ給料も減俸となり収入難となってしまうのであった。にほんブログ村必殺仕置屋稼業 VOL.1(DVD) ◆20%OFF!
2009.11.05
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「金に生きるは下品に過ぎる」必殺ファンが最高傑作と呼ぶシリーズ第5弾「必殺必中仕事屋稼業」暗闇仕留人で必殺らしさを取り戻したのを機に本作より「必殺」の二文字が復活しました。今回のテーマとなるのはギャンブルで大の博打狂いでソバ屋を経営している知らぬ顔の半兵衛(緒形拳)と同じく博打狂で無職の遊び人の侍くずれの政吉(林隆三)が博打的スリルで悪人を殺すというドラマが作られている。この二人の殺し屋を雇うのは飛脚屋を営む、元締・おせい(草笛光子)その手下に元盗賊の利助(岡本信人)メンバーを見て分かる通りTBSホームドラマ「ありがとう」のプロデューサー・石井ふく子作品の情連俳優が出演しています。これは必殺のプロデューサーである山内久司が敢えて意図したのもである。殺し屋が殺し屋らしく見える事を嫌い払拭するためホーム的な俳優を起用しているのです。殺し技も半兵衛は剃刀で相手の喉を切り裂き、政吉は幼い頃に母と別れた際、預けられた女物の懐剣で悪人の急所を突き刺す。ちなみに、おせいと政吉は実の母子であり政吉は当初そのことを知らないのである。また必殺シリーズ始まって以来の殺しのない話が登場し、ポーカーで相手を裏をかき悔しがらせるストーリーとなっています。最終回は必殺シリーズ崩壊劇3部作の1つでヤクザに利助が殺され、政吉の情婦も殺されそして政吉が奉行所に捉えられてしまう。殺し屋の自白を迫った役人に仕置きされ身元引受人である母・おせいの目の前で自害してしまう。その後、政吉の敵討に成功した半兵衛だったが面が割れてしまい御尋ね者になってしまう。半兵衛はおせいと別れ際に「政吉は、おせいが母だった事を気付いていた」と告白し「残された俺たちは無様に生き延びるしかない」と言い残して放浪してしまうのである。にほんブログ村必殺必中仕事屋稼業(1) / 緒形拳
2009.10.15
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「尽きせぬこの世の怨み一切」必殺シリーズ第4弾「暗闇仕留人」はこの時期に起ったオイルショックという世情を時代劇に持ち込み黒船来航による江戸の大混乱を設定しています。ここで中村主水が再び登場し主水シリーズが確立し、必殺と言えば藤田まことのイメージが定着しました。そして仕留人・糸井貢にホームドラマ「ありがとう」で明るい好青年を演じた石坂浩二を起用し殺し屋という正反対のキャラを見事演じました。殺し技も刃を仕込んだ三味線のバチと針を仕込んだ矢立で相手の喉を刺す。同じく仕留人・大吉には近藤洋介が起用された。殺し技は心臓つかみ。これも仕置人同様、レントゲンによる手法と心電図で映像処理をしている。ちなみに大吉役は当初、竜雷太が演ずる予定だったが坊主頭という事で「太陽にほえろ」のゴリさん役に影響が出る為、降板したそうです。この暗闇仕留人の特徴として義母・せん(菅井きん)の娘が3人。その娘の夫が貢、大吉で殺し屋仲間が義兄弟というホーム的な設定がありました。また中村家も一段と騒がしくなり主水のヘソクリが見つかったりとかなりユニークな家族構成が演出されました。番組主題歌の「旅愁(歌・西崎みどり)」は大ヒットしオリコンチャート上位にランクされていました。そして最終回、貢は開国派の大物(現在でいう外務大臣)を殺すことを躊躇してしまい、「わしを殺せば日本の夜明けが遅れるぞ!」という言葉に動揺した貢は返り討ちに遭ってしまう。大吉は貢を蘇生させるため心臓マッサージをした。一度息を吹き返したが絶命してしまった。主水にとって最初の殉職者が糸井貢であった。にほんブログ村暗闇仕留人(1) / 石坂浩二
2009.09.30
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「この世は人情紙風船」必殺シリーズの第3弾となる「助け人走る」は弁護士でもある佐賀 潜の原作「清兵衛流極意」をモチーフにしています。助け人とは、大工の清兵衛が設立した人材派遣業で仕事や犬の世話、清掃業と企業や一般から手を貸してほしい時など助け人に登録している人達へ仕事を依頼し、派遣するというものです。これは表の稼業で、裏では晴らせぬ恨みや普段、残酷な日々を送らされている弱い人々に殺し屋を派遣する「裏の助け仕事」も引き受ける。前作「仕置人」とは違い、人を助ける事を前提に作られているのが特徴である。この「助け人」はシリーズの代名詞である「必殺」のタイトルが外されている。その理由は前作「必殺仕置人」の放送中、番組を見た男が興奮して女性を殺してしまう「仕置人殺人事件」が起こってしまったからである。(実際は番組とは関係のない事件だった)この事件と世論を配慮した結果、「必殺」のタイトルを外したのです。その為、前作とは異なり作風が明るくなっており酒が大好きで陽気な浪人・中山文十郎(田村高廣)と元武士で別居中の妻と子供がいるタバコ好きの辻平内(中谷一郎)というコメディ的な人物を取り入れている。殺し技も文十郎の鉄心の太刀、平内の仕込み煙管で首に刺すとバラエティに富んでいる。第12話「同心大疑惑」では、なんと中村主水(藤田まこと)がゲスト出演。仕置人と助け人の夢のコラボが実現している。また途中より参加する島帰りの龍は当時「仮面ライダーV3」で子供たちに人気のあった宮内洋を起用し更に人気を煽ったのです。殺し技は、何とプロレス技のブレーンバスター。この裏の助け人を仕切るのが元・義賊の清兵衛(山村聰)である。ここで注目するのはシリーズ初の殉職者が出たことである。第24話「悲痛大解散」で密偵の為吉が奉行所に捉えられ拷問を受け死す。最終回「解散大始末」では島帰りの龍が仲間を助けるため敵と相討ちになる。「助け人」は事件と言う問題を抱えた出発を余儀なくされたが、シリーズ継続の責任を見事に果たしました。助け人走る VOL.1(DVD) ◆20%OFF!
2009.09.18
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のさばる悪を何とする。天の裁きは待ってはおれぬ。この世の正義もあてにはならぬ。闇に裁いて仕置きする。南無阿弥陀仏芥川隆行のナレーションと江戸の処刑絵図で始まるオープニング。必殺シリーズ第2弾「必殺仕置人」これは前作「必殺仕掛人」が組織で成り立つ会社的だったのに対し独断で悪人に制裁を加える言わば自営業的なのが特徴である。前半のテーマは悪人を始末するのではなく、死にも勝る苦しみを悪人に与えること。後半に入ると闇の処刑人として悪人を次々と仕置していきます。殺しのテーマ曲もウェスタン調で時代劇とは思えぬカッコ良さがありました。ここで必殺史上最強の仕置人念仏の鉄が登場します。罪人だった鉄は佐渡金山で接骨術を自ら体得する。表稼業は「骨つぎ」殺し技は三本の指で背骨や首・腕・足の骨を外して殺す「必殺骨外し」 その描写をレントゲン映像で表現し話題となりました。もう一人の殺し屋は棺桶の錠沖縄出身で琉球空手も使用する。殺し技は手槍首筋や急所に突き刺す。そして何と言っても必殺シリーズの顔である中村主水が登場するのです。これは日本人に多いサラリーマンを時代劇に登場させるのだが江戸時代では同心が一番サラリーマンに近いので中村主水を同心とした。奉行所では仕事を真面目にやらないため「昼行灯」と言われている。家庭では中村家の婿養子で恐妻家、跡継ぎもないことから「種無しかぼちゃ」と言われる冴えない男である。だが裏の稼業では可なり腕前の剣術で悪党を斬る。数々の仕事人チームでリーダーを務め、長きに渡って法で裁けぬ悪人達を始末し続けてきました。必殺シリーズが長年に渡って変わらない部分が中村家である。婿で立場の弱い主水に対して、婿いびりを行う中村せんと主水のへそくりをせしめたりする中村りつの存在は最初から最後まで通されていましたね。【ぐるのバーゲン】 必殺仕置人 VOL.1(DVD) ◆24%OFF!
2009.08.22
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「人知れず仕掛けて仕損じなし」地獄絵図のオープニングで始まる必殺シリーズ第1弾「必殺仕掛人」裏番組「木枯らし紋次郎」が正統派の時代劇ならば仕掛人は闇の組織で生きる殺し屋を描いた作品です。原作は池波正太郎当時、金をもらって人を殺すというのはモラルに反する事であり視聴者の理解を受け入れられないという心配があったのです。そこで原作では殺し屋のイメージそのものだった藤枝梅安を明るく陽気な三枚目の男にしました。当初、梅安を演ずるのは天知茂だったのだがリアルな殺し屋に見えてしまう為三枚目、殺し屋を両立させることが可能な緒形拳を起用しました。さらに浪人・西村左内には林与一を起用。当初は竹脇無我を予定していたが竹脇本人から断られたので林与一に決定したという経緯があり西村左内のホームドラマを彷彿させる部分は竹脇無我のイメージの設定をそのまま残したのです。また元締・音羽屋半右衛門にホームドラマで父親役を数多く演じ人気が高かった山村聰を迎えました。まさに人を殺すイメージのない俳優を起用することによって反モラルな仕掛人を受け入れられるようにしたのです。殺しの技も普通に刀や十手を使うのではなく誰にも解らない身近にある小道具を使用、梅安の殺し技は必殺の代名詞である首筋や眉間に刺す針後の時代劇に大きな影響を与えています。また音楽もウェスタン調でトランペットを主体とした殺しのテーマは名曲で今でも聴くことができます。この仕掛人の成功により第2弾が制作され、やがてシリーズと化しました。必殺仕掛人 VOL.5(DVD) ◆20%OFF!
2009.07.14
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