人形を買ふ
北朝鮮旅行記５日目人形を買ふ
平壌もいよいよ最後。
市内のお店で最後の買ひ物を。
とはいへここも観光客専門の店。
買ひ物を決めると文字を書いた紙を渡してくれる。
その紙をレジに持つていき会計。
判子を押してもらつた紙をふたたび売り場に差し出して品物を受け取る。
さういふシステムだつた。
ここで買つたのは、クッキーの詰め合わせと煙草、チマチョゴリ、それから人形を一体。
＜クッキーとタバコ＞
このクッキーとタバコは会社の人へのお土産用。
なんせ同じフロアに40人くらゐゐるので、ひとりひとりには渡せず、この手のものを買つて一つニつつまんで
貰ふのが慣例なのですが、
いやあ、さすがに売れ残つた。ふつうは1日2日でカラになるのに。
まあしやうがないとは思ふ。北朝鮮のお菓子だし。
で、実際にまづいんだもん。
いつ作つたんだ？ つて感じでパサパサ。
賞味期限なんてどこにも書いてない。
大体、この手の詰め合わせ物はお土産屋には腐るほどあるものなのに、あつたのはこれ１種類でした。
選択の余地なし。
ほかのお土産屋にもこの手のものはありませんでした。
ちなみに帰りに大連の空港で買つたパンダのクッキーは好評ですぐなくなつた。
タバコにはニコチンもタールも書いてありません。
もちろん健康のために云々なんてひと言もない。
味は会社の同僚いはく「”しんせい”とか”わかば”とかに似てゐる」とのこと。
言はれてみればそんな感じかな。
チマチョゴリを選んで貰つて買ふ。
店員さんが「キムさんに試しに着て貰ひますか？」
おお、キムさんのチマチョゴリ姿！
キムさんも嫌さうではなかつたやうだつたが、なぜか遠慮してしまつた。
惜しいことをしたとあとで後悔した。
品物を眺めるうちに人形も買ふことに。
＜伝説に出てくる天女の姿です＞
昨日のサーカスでの天女が素敵だつたので買つたのだが、
キムさんは「私だつたら花嫁衣裳のはうを買ひますね」
あら、さう。
もう買つちやつたしなあ。
結婚式の話に。
「皆さんかういふ伝統的な衣装を着るのですか？」
「大体着ますね。式はウェディングドレスを着て、そのあとのお披露目ではチマチョゴリを着ることが多い
です」
「日本と同じですね。ウェディングドレスのあと、お色直しで着物を着ることが多いです」
しかし、この答へはキムさんのお気に召さなかつたやう。
「日本と同じ」といふのは褒め言葉にはならないんですな。
お土産でいへば、会社の人に意外に好評だつたのが、国旗のバッヂでした。
こんなもの付けて歩けないだらうと思つてゐたのだけれど、
「子供が喜んで、バッヂを付けてラジオ体操に行つてますよ」だつて。
知らねえ～～～。
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