影男の屋根裏部屋

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ストリートファイター

ストリートファイター <期間限定生産>
ストリートファイター <期間限定生産>
“ゲーム原作映画に当たりなし”“ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演映画に名作なし”
という格言がハリウッドにあるのかどうかは知りませんが、この禁断のコラボレーション に
果敢にも挑戦したのが「ストリートファイター」です。

1990年代初めに大ヒットしたカプコンの「ストリートファイター2」
その後対戦格闘ゲームというジャンルを確立し、自社含めて無数の亜流、名作を
生み出すもととなった歴史的名作ゲームがこの映画の原案となっています。
ここからはゲーム「ストリートファイター2(以下スト2)」をご存知であると
いうことを前提にしていますので、それ以外の方は読み飛ばして下さい。

映画化にあたり、ゲームに登場するキャラクターの魅力をストーリーに反映するのに
苦労した、というコメントがプロダクションノートにありましたが、
残念ながらその苦労は報われなかったようです。
キャラクターのモチーフはゲームのバージョンアップ版「スーパースト2」
をベースにしています。そこでは総勢16名登場しますが、設定を全部活かすのは
さすがに無理があったらしく、大幅に変更されています。

・バイソン将軍…ゲームでもそうなのですが、アメリカでは3名のキャラ名が
         変更されています。日本版では「ベガ」
・ザンギエフ…ロシアの闇プロレスラー→シャドルーの手下(無給)全キャラ中、
        一番似ていると思います。よく探してきたなw
・ディー・ジェイ…シャドルーの手下。格闘シーンほとんどなし。
・ダルシム…ヨガの達人→人体改造の化学者。手も足も伸びませんw格闘シーン皆無。
・ブランカ…ダルシムに人体実験された改造人間。格闘シーンほとんどなし。
      それにしてもメイクがしょぼすぎw
・サガット…武器密売商人。雰囲気はそこそこ似ている。が、敵なのか味方なのかよくわからない。
・ベガ…名前変更第二弾。日本版では「バルログ」コスチュームはそれなりだが、
     ヒスパニック系の濃い顔立ちに違和感ありまくり。
・リュウ…より強い敵を求めて放浪する格闘家…がケチな詐欺師(泣)
      あんまりだ。因みに、演じている俳優は後にダーク・エンジェルにて
     韓国系の刑事役で準レギュラー出演していますが、マイナー過ぎますねw
・ケン…リュウの同門でライバル…のはずが詐欺師の相棒(泣)
    一応ストーリーには絡んでいるのが唯一の救いか。
・T・ホーク…居るのか居ないのかよく分らない。クレジットには載っているので
       多分いたのだろう。
・チュンリー…間違っている訳じゃないけど何か違うw
・バルログ…名前変更第三弾。日本版では「M(マイク)バイソン」読んで字の如く
       マイク・タイソンをモチーフにしている。憶測だが当時何かと
       世間を騒がせていたタイソンと見た目も名前もソックリだとヤバそう
       だから名前を入替えたのではないだろうか?
・エドモンド・本田…純正日本人ではなくハワイ系なのは許せるアレンジ。
           横綱になるのをシャドルーに妨害されて恨んでいるらしいが、
           何故軍事独裁国家の将軍が斜陽化著しい日本相撲協会の
           横綱審議会に介入しているのか全くの謎。
・キャミィ…一応原作では十代の少女のはずなのだが、カイリー・ミノーグはなかろうw
      アクションも少なめで印象薄し。
・サワダ大尉…原作「スト2」には勿論こんな奴は出てこない。が、
         映画をベースにした別ゲームでは圧倒的な存在感を誇る。
         但し映画では地味。
・ガイル大佐…原作では少佐だったような気が?映画では主人公で、
        勿論演じるのはジャン=クロード・ヴァン・ダムです。
・フェイロン…唯一映画に出てこない可哀想なキャラ。
        まぁまんまブルース・リーだし出し様がないっていうのが本音かも。

内容については実はあんまり語るべきこともないですw。
有体に言えばすべてにおいて安っぽい、と言う言葉につきます。
ただ不運な時代であったことは否めません。1990年代半ば、CG技術も低く、
ハリウッド映画に最も活気のなかった時代。波動拳もソニックブームも再現出来ず、
吹き替え含め、アクションをすべて役者でまかなわなければ成らなかったのは
現在のCG全盛の状況からは考えられない事ではあります。
ちょっと前は当然だったのですがね。
現在の技術力でCGをフルに使ってリメイクしたら、ちょっとは見られるかも知れません。

そういう現状のせいかどうかは知りませんが、生身のアクションを得意とする
俳優の需要がなくなってきている感があります。
ヴァン・ダムその人も最近めっきり姿を見ませんね。
プリンセス・テンコーの狂言に使われたのも随分前の話です。
シュワルツェネッガーとまでは言いませんが、俳優としてアクション以外の部分で
脱皮しないことには、今後ますます活躍の機会は減りそうです。
冒頭の“ヴァン・ダム主演に名作なし”は事実ですが、私自身は嫌いではありません。
CGもいいですが、生身のアクションはやっぱり迫力があります。
劇中でもゲームと同じレベルの必殺技(サマーソルトキック)を再現出来ているのは
さすがとしか言い様がないです。

ハリウッド映画もネタが尽きたといわれて久しいですが、上述のように最新技術を駆使して
リメイクすれば、ちょっと前の作品でも意外と掘り起こしが出来るかもしれません。

この作品が、というつもりはないですがw


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