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「台所のおと」幸田 文

料理人である夫は胃ガンに侵されている。

その妻はそのことを夫に伝えてはならないと医者に言われる。

夫には二度の結婚経験がある。

彼は、妻と前妻、前々妻の台所の音に三人の性格の違いを見る。

言ってはならない現実と過去を抱えながらも、互いを思いやる気持ちにあふれている夫婦の姿が淡々と描かれている。

病床で調理場の音を聞く男のリアリティが切ない。

「深川の鈴」川口松太郎

「深川」と読んだだけで江戸情緒のある粋な世界が浮かんでくる。これは一読者としての勝手な思い込みに過ぎないのだが……。

では「深川の鈴」とは何なのか。この鈴の音は、洲崎の寿司屋の二階で聞こえた音なのだが、主人公の男からすれば、その音にはいろいろと深い意味がある。

そして数十年後の思いがけない再会。ラストシーンが味わい深い。

「斑鳩物語」高浜虚子

文章を読むと情景が見えてくる。

宿屋から見える大和一円の景色が美しい。法起寺三重の塔に登るところなどは読んでいて足がすくむようだ。

解説に「正岡子規の『写生』を継承発展させ、散文にも適用した」とあり、なるほどと思う。110余年前の大和を文章で味わうことができる。

ほかの作品も読んでみたい。






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最終更新日  2020.10.03 11:38:47
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