こんにちわ♪

こんにちわ♪

獣医になりたい若者へ捧ぐ!





その中で、まぁよくあるタイピカルなご質問に対して返答いたしたいと思います。


質問:『ホームページ拝見させていただきました♪私は動物が大好きなので、将来動物関係の仕事に進みたいと考えているのですが、kalunguyeyeさんのおっしゃるように、動物実験や、動物を殺す事のない、獣医科大学、もしくはそう言った系の大学ってないんですか?』


う~~~ん、初々しいですなぁ・・・。



正直、そういった大学が今日本にあるのかどうかは僕には分かりません。




でも、一つ言える事は。


そんな大学出たってろくな獣医になれないし、そんな同業者が増えるのは迷惑なのでやめて欲しいですなぁ!(笑)




まだまだ獣医の仕事内容はどうも知名度が低いのかもしれません。




『医』という文字がついているところから、治療をする、動物の病気を治すというイメージが非常に強いんですね。



いやいや、もちろんそれが獣医の仕事ではあるんですよ、そしてそれはメインの仕事でもあります。




でもね、獣医の仕事の中で重要なのがまだ他にもある。




その一つが。





殺す事 なのだ。









ちょっと、タンザニア獣医時代のエピソードを交えてお話しようと思う。







俺がタンザニアで、獣医として働いていた仕事の中に。

最も重要で、しかも最も稼ぎの良い、仕事があったんだ。


その仕事とは『Chinja』


Chinjaとは、スワヒリ語で『(食うために)殺す』という意味なのだ。いわば『屠殺』


この(食うため)というのがものすごく重要。


スワヒリ語には、『殺す』という言葉が2種類あるが、ただの『殺し』は『Ua』と言い、やはり人として良くない行為、もしくはネガティブなイメージがある。



しかしながら、『Chinja』の方は非常に重要な仕事であり、そしてタンザニア人生活の中でなくてはならない必要な仕事でもあったりする。


『Chinja』をする人を『Mchinjaji』と呼ぶ。いわば『殺し屋さん』である♪


このMchinjajiは、大抵の場合 肉屋 が兼ねていたり、もしくは ハンターさん が兼ねていたりするんだけれども。



Mchinjajiの中で、必要になってくる人物が2種類いる。


それは、『イスラム教徒』と『獣医』なのである(笑)



え?なんだ、この組み合わせはだって?



日本ではイスラムの方は数少ないので、イメージが沸き難いんだけれども。


イスラムの方々は、イスラム教徒が屠殺した動物の肉しか食べないのだ(と言われています)これは、解体を全てイスラムがしなければいけないと言うわけではなく、首を切って殺す時、イスラムの人がやりなさいと言うしきたりなんだそうな。



つまり異教徒が屠殺したのでは、イスラムの方に肉が販売できなくなってしまうと言うことであり、それはその分顧客を減らしてしまうと言うことなのである。





そして獣医。


伝染病のやたらめったら多い、アフリカでは動物から人間に感染する『人獣共通感染症』ってのもやたらといっぱいある。



それを防ぐために、めっさ、やばい伝染病に、実は感染してましたってな動物の肉を検査して、市場へ出るのをストップするのだ。



大都会なんかだと、屠畜場があってそこに集めてまとめてやったりしているけれど、田舎に行くと庭先でやることなんかが結構多い。


それでも、こうしたルールは田舎であれ、都会であれ、守られているのである。




さてさて、そんな感じで診療所を経営していた俺が考え出したもの。




それは 出張屠殺サービス♪



まぁ、簡単に言っちゃうと農家に赴き、屠殺の仕事を承り、しかも検査からすべてやってあげちゃおうってなサービスである。



さらに、エスカレートして農家が肉屋に売るときの仲介量などの削減を考え、肉屋やレストランへ肉を卸す、営業業務も担ったりしたのだ(笑)


もう、こんなサービスはない。



農家はただ単に、俺らと牛の値段を交渉すればいいだけなんだから。




そして俺らが、顧客に肉を売ったときに出る利益が、診療所の連中の収入となるのである♪



つまり、最初の農家との交渉と、それを売却するときの値段の交渉で、利益が決まるのだが。


それは、タンザニア人スタッフに任せた。その方が後々揉め事が起きないしね。



さて診療所の連中が俺を含めて7人いたんだけれども。



タンザニア人口の40%が、イスラム教徒といわれている仲、俺の診療所には一人もイスラム教徒がなぜかいなかったんだ。


ただ、ここでわざわざイスラムの方を雇うと、


人件費がかかってきてしまう。







と言うことで、俺らが考えたのが。



『それじゃぁ、今日はお前がイスラムになれよ、俺前回やったからさぁ・・・』




てな感じで、即席イスラム改宗行事でした(笑)



診療所の連中に『じゃんけん』と『あみだくじ』を教えてから、結構この作業ははかどったね♪


てか、結構率先して誰かがなってくれたからなぁ。



そんな僕も、イスラム教徒になった事ありますよ♪



え?そんないい加減な事で良いのかって?




いいんですよ!だってアフリカのタンザニアだもん♪





そんなこんなで役割分担が決まると、さて任務開始です。



まず、牛を屠殺するために牛舎から牛を連れ出します。


でも、牛さんたちは大抵、もう自分の運命を察知するからか、思いっきり抵抗します。


まぁそうだよね、殺されたくないもんね。



でも、 仕事 なのだ。



牛を倒せるだけのスペースがある場所に連れ出し、四肢を縛り横に倒します。



mchinjaji

ビクトリア湖湖畔での出張屠殺サ~ビス♪ 結構大仕事で、肉体労働なのだ。
正直きつい仕事です。
本当はこの後の画像もお見せしたい所なんだけど、かなりぐろいので自主規制させていただきます。





日本の屠畜場などでは、眉間に電子銃と呼ばれる弾が何度も使い回す事のできる銃をあて、打ち込んで即死させるのですが。




タンザニアのような貧乏なお国、しかも電気も水道も来ていないようなど田舎でそんな便利なものは存在しません。


期待しちゃぁいけません。



それじゃぁ、どうやるのか?



首を切るんですよ。






例えは悪いかもしれないけれど。


イラクの人質事件で、くびちょんぱされてしまった犠牲者がいましたよね。



やり方はあれとまったく同じです。対象動物が違うだけで。



牛の四肢を縛り、仰向けにさせて、一人が牛の頭に乗っかります。



そして、イスラムが首を切りにかかるのです。





これね、そう簡単にすぱっ!なんて感じに切れないんですよ。


まず牛の皮はものすごく硬いんです。



ナイフを当てて引いたところで、そう簡単に傷一つもつきません。



切る部分の皮を手で持ち上げて、そこをごしごしごしっ!てな感じでナイフを入れて切っていくんです。



もちろん痛いよ、きっと。俺は牛に聞いたわけじゃないから本当のところはわかんないけれど、ものすごい暴れるから、きっと痛いんだと思う。



皮を切ると今度は、肉を切っていきます。ここもすぱっってな感じではなく、何度もごしごしってな感じですが、皮よりは案外切れやすいです。



肉を切っていくとまず頸静脈を切ります。するとちょっと濃い目の赤色の血がどくっどくってな感じでものすごい出てきます。



切っている張本人はこの時点で、もう血だらけ。

全身が赤く染まります。





牛は、もう思いっきり暴れようとします。



そしてもう、ものすごい雄叫びを上げまくります。まさに断末魔。




その後、ナイフが気管にまで達します。でもかまわず気管も真っ二つに切っていきます。



気管を切ると、それまであげていた断末魔があげれなくなります。


気管からは、牛の呼気がものすごい勢いで、かかってきます。



非常に生暖かく、そして牛特有の曖気と呼ばれる香りのする呼気が切っている本人と頭を押さえている役目の人にかかるのです。



気管を切ると同時に頚動脈も切られます。


動脈から後は、静脈のようにどくっどくってな感じではありません。


シャーーーーーってな感じで勢いよく出てきます。


もう当たりはこの時点でかなり血の海地獄。




更に切り続けます。



すると頚椎部分の骨まで達します。


頚椎に達したところで、その骨を切ることはありません。


頚椎と頚椎の間にナイフをさくっと差し込んでおしまい。


すると牛は、四肢をぴーーーんってな感じで伸ばして痙攣し、やっと静かになってくれるのです。




ここで、決して首を切り落としてはいけません。


首を切り離しちゃうと、走り出しちゃうからだと言われています。


ニワトリでは、経験があるんですが、牛ではそれをやった事がないので本当に走り出すかどうかは知りません。



さて、こうしてやっとおとなしくなったら、今度は解体作業に入るわけなのです。



長と体の真ん中から左右バランスよくなるようにナイフを入れて皮を切っていき、そして内臓を取り出していきます。


この時、腸を破いちゃうと中のうんちが漏れてきちゃうので、注意しなければいけません♪


それでね、レバー(肝臓)とかちょっと切って、近くで火をあらかじめ起こしておいて、バーベキューなんかを始めちゃったりするのだ(笑)


少し熟成させた方が肉はうまいなんていわれているけれど。


いやいやいや、一番うまいのは取れたてだよ、やっぱ。



え?残酷~~だって?



日本人だって、魚さばいて食ったりするじゃないですか。


生き作りとか、おいしそう~~なんていったりするくせに。


しかも生で食うくせに。





『魚はいいけれど、肉は残酷~~』とかいう方は、もうこのページに来なくてよろしい。



そんな偽善者と会話をする気はまったくないのだ。




さて、獣医になりたい高校生諸君♪



こういうお仕事をする勇気があるならば是非是非がんばって勉強して獣医科大学に入ってください。




わんこ、にゃんこのかわいい動物だけの獣医になりたいの、そんなうしなんかみないもんっ!なんて考えている高校生諸君がいましたら、耳くそかっぽじってよくお聞きください。











そんなやつ、ぜってぇ獣医になれねぇから。


なられちゃ、世間が迷惑だからあきらめてくれ。



『かわいい~~~!!』って思う事と、『動物が好き』っていう事は全く別物だと言うことを理解するという所から始めてくれ。







生物の生死を理解してこそ獣医の仕事は務まるのです。



そして獣医の仕事はただ生かすだけではなく、殺すと言うこともあること。



それが、人医とは大きな違いなんです。






こんな事書いたら、殺すのが好きとかいうキチガイが獣医になりかねないじゃないかって??




そんなキチガイが6年間も勉強できるほど、世の中甘くはないですよ。



そんなやつも獣医になれないからご心配なく。


そんなところでした。





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