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今日10月10日は、日本百名山第79座目となる北アルプス笠ケ岳(標高2898m)にアタックです。笠ケ岳は、槍ケ岳や穂高連峰の西側に位置していて、どちらかとマイナーなイメージがありますが、昨年、槍ケ岳登頂時に、いつもどっしりとした山姿を見せてくれていた笠ケ岳に、興味を抱いていました。
今回は、3連休だったので土曜日夕刻に埼玉から全線下道で、新穂高温泉の深山荘横にある登山者用無料駐車場に到着しました。ただ現地は、雨が降り続いていて、またもや雨男全開です。この笠ケ岳のピストンは、コースタイムが長いので、午後10時過ぎにナイトで出発しようと計画していたのですが、この雨の中をレインウェアを着こんで出発する事に躊躇を感じました。「てんきとくらす」の山天気予報を確認すると明後日は天気も回復するとの予報。「今晩から登るの止~めた!!」と即決。持ち込んだビールとワインとツマミで、まったりと過ごして就寝。
朝は、まだ雨が降っていますが、やがて霧が出てきて小康状態に。朝食を済ませてしばらくすると雨も止みました。暇~、まだ午前9時過ぎ。「そうだ!朝風呂に深山荘の混浴露天風呂に行ってみよ!!」と徒歩5分ぐらいの深山荘に川沿いに向かいます。深山荘の帳場で500円を支払い、足早に露天風呂に向かいます。手前に女風呂の内湯があり、奥が男露天風呂で、階層構造になっていて、上段、中段の岩風呂です。そして下段は、混浴露天風呂になっています。川沿いで、解放感満点です。密かな期待をしていましたが、残念ながら貸し切り状態でした(笑)お湯は、硫黄泉ですが、それ程、硫黄臭はキツクも無く、丁度良い湯加減でした。お酒も持ち込み可との事、今度はぜひ気の合う山トモとまったりと楽しみたいと思いました。
駐車場に戻り、ビールで一人乾杯。朝から飲めるなんて、なんて至福なんでしょう。
お昼からは昼寝、そして早い夕食を作って就寝、深夜のナイトアタックに備えます。
午後10時25分、ガスッてはいるものの、すっかり天気も回復、新穂高登山指導センターで登山届けを提出、クライムオン!!まず、めざすは、笠ケ岳新道登山口です。ゲートをくぐり、登山口までは、林道歩きとなります。
依然としてガスッていて、見通しは利きませんが、トラックも行き来するような林道で、ルートは超明朗で問題はありません。午後11時28分、笠新道に到着です。笠新道は、北アルプスの三大急登とも評されていて、直ぐに急登がはじまり、杓子平を経て、次の目標の稜線部の標高2800mまで6時間20分と長丁場です。ただ真っ暗で先が見通す事が出来ませんから、ただただ一歩一歩を重ねて行くだけです。
午前1時12分、杓子平との中間地点(標高1920m)の道標に到着です。更に、高度を稼ぎ標高2100mに午前2時8分に到着です。この道標には、「槍、穂高が一望できます」とありますが、シルエットすら、まったく目視できず。唯一、麓のポツポツと僅かな夜景が見えるだけでした。午前2時30分に標高2200mの道標を通過です。
登山道は、除々にガレ場に表情を変えて来ました。杓子平に午前3時39分に到着。気温もおそらく氷点下、小休止で、じっとしていると汗冷えで、急速に寒さが襲ってきます。直ぐに、再出発して、稜線までのガレ場に取り付きます。うっすらと稜線部のシルエットが見えるのですが、まだ距離感は良くわかりません。
午前5時過ぎ、振り返ると槍、穂高連峰などが雲海から突き出しているのが目視できます。無風で、誰もいない静寂の中、素晴らしい眺望です。ここまで登って来た疲れなども吹っ飛び、夢中でシャッターを切っている自分がいました。午前5時53分、稜線部の笠ケ岳と双六岳の分岐点に、ほぼコースタイム通りの到着です。
次の目標は、標高2737mの抜戸岩です。軽いアップダウンのある稜線歩きとなり、正面には目指す笠ケ岳のモルゲンロート、左手には、槍や穂高連峰が朝日を背にして、荒々しい山肌をさらしています。登山道は、氷点下以下で、昨日の雨の水溜まりがバリバリに凍っており、霜柱も10cmぐらいに伸びていて、気温の低さを物語っています。
午前6時46分に標高2737mの抜戸岩に到着です。「抜戸で体が抜けなぁ~い」とオバカ写真を撮影後、先を急ぎます。
笠ケ岳は、極めて均整のとれた三角形で、まさに笠という命名がピッタリの山です。山体がデカイので、見えていても、なかなか着かないというのが実感です。
笠ケ岳山荘の手前の登りは、これでもかと言う感じ、岩に「ガンバ」とか、「山荘スグソコ」のメッセージに、励まされて、午前7時30分に笠ケ岳山荘に到着です。ともかく頂を踏もうと、そのまま頂上アタックです。午前7時51分、無事に笠ケ岳(標高2898m)に到着です。360度の素晴らしい眺望に涙ものの感激。この笠ケ岳をマイナーと思っていた私の認識が、200%間違いだったと気が付きました。次回は、笠ケ岳小屋で一泊して、まったりと過ごしたいなぁと思いました。
そして、今回の山行きには、もう一つの目的がありました。それは、FBで知り合った高山市在住のヤマ友のKさんとの出会い。リアルにお会いした事が無く、たまたま今回、同じ笠ケ岳を目指しておられる事をFBで知りました。Kさんは、私の3時間ぐらい後を、同じルートで登って来られていて、私が笠ケ岳頂上から下山後、笠ケ岳山荘直下のテン場でラーメンを作っている所に、ご夫婦で登ってこられました。とっても明るくて爽快なお二人に、リアルにお会いする事が出来て、山トモっていいなぁ♪と感じた瞬間でした。コースタイムは、明らかに私に比べて早く、お二人の健客ぶりに脱帽です。しばし談笑して、再会を約束、私は明日の仕事もあり、先に下山を開始です。岩に書かれた「サヨナラ」の文字に、また来るよ!と言い残して、先を急ぎます。
登りとは異なる稜線部の美しさに、何度も笠ケ岳方向を振り返り、その情景を心に刻みます。眼下には、豆粒ほど小さく左俣谷の川と建物が目視できます。あそこまで下りないといけないと思うと、テンションが下がります。午前10時25分、稜線部の笠ケ岳と双六岳の分岐点に到着です。この時間になると、どんどん登山者が登って来られます。すれ違いざまに、「もう下山ですか?早いですね!!」と、「いやぁ、ナイトピストンなので」と返事をすると、「えぇ!!凄いですね!?」と口々に。早目に、お昼ご飯を稜線部で食べようと、アルファ米の五目ご飯で腹ごしらえ。
午前11時39分に、杓子平まで下山。その先、待ち構えている笠新道のこれでもかと続く急下り、「飽きたぁ~」と一人叫びながら笠新道を午後2時15分に無事、登山口まで下山しました。ここで双六岳に登ろうとして時間切れで断念して帰って来た方からも、「笠新道って急登なんでしょ?笠ケ岳山荘で一泊されたんですよね?」との質問。「いや、昨晩午後10時30分出発で、今、ピストンで下山しました。」とお返事したら「ありえません。考えるのも嫌ですと(笑)」
確かに急登ですが、先にも記したようにナイトだと先が見通せないから、精神的に暗闇の閉塞感を克服さえ出来れば、意外と辛くないのです。しばらく小休止をして、水場で汗だくの体に、頭から水をかぶってリフレッシュ。
残りの林道を歩き通して、午後3時過ぎに無事に下山しました。長丁場でしたが、またもや山をやってて良かったと大満足のソロナイトでした。次の記念すべき第80座目は、10月30日に立山に登りました。また後日アップしたいと思います。
【コースタイム】(休憩含む)
新穂高登山指導センター ~ 笠新道登山口 ~ 杓子平 ~ 稜線分岐 ~ 抜戸岩 ~ 笠ケ岳山荘 ~ 笠ケ岳頂上(ピストン)
・登り:9時間15分
・下り:6時間45分
・総行動時間:16時間47分
【最高高度】2898m
【最低高度】1085m
【累計高度(+)】2252m
【累計高度(-)】2233m
【歩行距離】20.6km(沿面距離)
【歩 数】29428歩
【平均速度】1.2km
【最高速度】5.7km