かめさんの百名山日記

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TSANYO @ Re:幌尻岳(2052m 北海道)(日本百名山100座目)(08/04) お久しぶり! 日本百名山完全踏破!! …
名無しのツーリングライダー@ Re:羅臼岳(北海道 1661m) (日本百名山第97座目)(08/28) えーと、場外から失礼します。 大きな画像…
2019.07.07
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パソコンが不調で半年も前の山行投稿です。

先週末6月29日、30日は、台風3号をやり過ごして、南アルプス悪沢岳(3141m)に、日本百名山第91座目として登頂しました。南アルプス最深部というアクセスの悪さに、行ってみたいと言う気持ちとは裏腹に、ずっと躊躇していた山域です。

当初の登山計画は、百枚小屋に1泊、赤石岳避難小屋に1泊する計画でしたが、椹島ロッジに電話で確認したところ小屋開け前なので、椹島ロッジに一泊は必須ですとの事、計画を大幅に変更し、荒川椹島ロッジ6月29日午前2時に出発、悪沢岳を経て荒川冬季小屋泊、30日に赤石岳に登頂して下山の半時計周りの縦走登山計画を立てました。
さいたまの自宅から友人を都内でピックし、新東名を経由して新静岡インターでおり、大井川添いを畑薙第1ダムまで、もうハンドルを回すのが嫌になるほどの山奥まで70km、約2時間のドライブ。ダムの突堤を渡り突き当たりを右折した静鉄のバス停横が駐車場と東海フォレストの方に教えて頂いていたので、正午過ぎに到着したものの駐車してる車はゼロ。なんの表示も無いので駐車して良いのか、ここに果たして東海フォレストのバスが午後3時に迎えに来てくれるのか間違ってたらどうしよう??と心配になります。

 【中部電力畑薙第1ダム 駐車場は右手】        【高度感のある放水口】


【畑薙第1ダム横のバス停(この季節は運休中)】   【南アルプス国立公園入口の標】

そんな心配をしながら車中でコンビニ弁当を食べ仮眠、午後2時50分ごろバスではなくデリカバンが一台。「お迎えに上がりました!」の一言にホッとひと安心、「今日の椹島ロッジの登山宿泊者は、貴方がた2名だけです。あとリニア新幹線の工事関係者が15名ほどです。」と。洗濯板のようなガタガタ林道を18km、約1時間、途中、いくつかの吊り橋や南アルプス各方面の登山口を紹介頂きながら、その奥深さと、これから登る悪沢岳や赤石岳にワクワクして来ました。椹島ロッジに到着前に、「悪沢岳の登山口はどこですか?」とドライバーさんに尋ねると、「先に立ち寄ってあげます!」と、わざわざ登山口までも車で下見させていただきました。


【ここから先は東海フォレスト関係者のみ通行可】    【茶臼岳登山口の吊り橋】


       【畑薙大吊橋】          【東海フォレストの私有地である看板】

       【中ノ宿吊り橋】        【天気が良ければ明石岳が望めるという】

   【千枚岳→悪沢岳方面登山口1】       【千枚岳→悪沢岳方面登山口2】


 【東海フォレストのドライバーさんと友人】      【創業者 大倉 喜八郎氏】

椹島ロッジに着くと、今日は個室をご利用くださいとテレビも最新のエアコンもついた部屋に案内頂き、「お風呂も直ぐ入れますからどうぞ」と。至れり尽くせり。山小屋と思っていたので、そのギャップにビックリでした。風呂上がりは、もちろん生ビールで登頂成功を願って友人と乾杯!! 午後6時からの夕食も豪華で美味しく頂きました。


     【椹島ロッジの室内】         【椹島ロッジの夕食 美味しかった!】

出発の午前1時50分満天の星空に、「雨男返上だ!」とアタック開始です。昨日、崩落で新しく架けられた吊り橋先の登山口までフォレストの方に案内頂いていたので、不安はありません。取っ付きからいきなりの急登の九十九折、先が見通せないので、ともかく一歩一歩重ねて行きます。


【恒例のナイトでスタート椹島ロッジの室内】       【ロッジ入口の近道】


    【この鉄橋の先に登山口】       【崩落して新しい登山道が作られていた】


      【奥深い南アルプス】            【まだ元気いっぱい】


  【千枚小屋岳と二軒小屋の分岐】              【小石下】

登山道は、中部電力の作業道でもあり高圧鉄塔を2塔抜けると岩頭見晴という岩尾根を抜け、交差する林道を超えて小石下(標高1586m)に到着です。しばらく登っているとブーンとエンジン音。なんと並走している林道を東海フォレストのバンが登っていくのが見えます。「乗せってぇ〜」と叫びたくなります。あとから聞くと、迎えに来てくれていたドライバーさんで、二軒小屋ロッジへの送迎だったようです。
標高を重ねるに従いガスって来るなか、ようやく清水平(1870m)に到着です。ここは明治時代、林業に従事しておられた作業員さんの水場であり、今も変わらず清水が引かれています。冷たい清水をがぶ飲みしてひと息を入れました。更に標高2000mを過ぎると霧雨も。シラビソの樹林は、天然の雨傘となり、しっとりとした登山道を高度上げて行きます。


【林道を横切り鉄階段を登って登山道へ戻る】    【千枚小屋まで、まだ4時間】


  【林道と並行して登山道が続く・・・】     【清水平 標高1900m地点】


      【木洩れ陽が美しい】           【蕨段 シラビソが美しい 】


    【ようやく千枚小屋まで半分】          【標高2100m地点】

見晴台は、唯一の展望台があり荒川三山と赤石岳が望める場所ですが、あいにくガスっていて、荒川三山が辛うじて望めただけでした。見晴を超えると真っ直ぐな登山道が続きます。これは明治時代木馬道に続く木材の切り出しの為に広い作業道を作る必要があったのでしょう。昔の林業に携わっておられた方々の苦労が伝わって来ます。小屋泊なのでテン泊ほどでは無いものの、この真っ直ぐで先が見通せる登山道に、久々のフルアイゼンにピッケルの雪山重装備、ジワジワと体が重くなって来ます。千枚小屋まであと15分、ガンバの看板に力付けられますが、結構の急登で心折れます。


    【見晴台 唯一の展望台 天気悪く眺望無し】     【可愛らしい千枚小屋道標】


    【ようやく眺望が・・・】              【木馬道跡】


 【よく整備されたまっすぐな登山道】           【静かな駒鳥池】


    【千枚小屋まであと1時間】          【千枚小屋まであと15分】


     【残雪が少し出てきた】           【標高2500m地点】

それでも当初のコースタイムより早く午前10時30分に千枚小屋に到着です。千枚小屋の小屋開きは来週の為、ひっそり静まり返っています。早速冬季小屋の入口を探しますが、その二階部が鍵がかかっていて開きません。一瞬、「えっ、泊まれないんじゃ」と不安になります。あたりを見回すと百枚小屋の道票があり、冬季避難小屋は、この50mほど奥の百枚小屋でした。先客は誰もおらず貸し切り状態。お昼ご飯のぶっ込みメシを食べてると突然、バタバタと屋根を打ちつける雨が降って来ました。計画では荒川三山を超えて荒川小屋まで歩かねばなりませんが、悪天候を悪沢岳を超えて7時間の行程は厳しいと判断しました。そこで悪沢岳頂上アタックのみに計画を急遽切り替えました。


    【千枚小屋が見えて来た!】          【着いたぁ〜千枚小屋】


        【百枚小屋】              【百枚小屋で昼食】

ザックから頂上アタックに必要な装備以外をデポして午後0時10分に出発です。森林限界を超えて千枚岳の稜線に出ると風速も強まります。午後0時45分に千枚岳(2880.9m)に到着です。千枚岳の次のピークが丸山になりますが、稜線部はだだっ広く遮るものが無い為、時折、突風で足が止まります。丸山のピーク3032mに午後1時47分に到着です。風雨も強くなって写真を一枚撮るのがやっとでした。丸山から悪沢岳まで直線で約600mですが、岩場でハシゴ、雪渓もあり、ルートを外さないよう慎重に先を進みます。


     【千枚岳へ取り付きの標】      【いよいよ稜線部へ 風が強くなってきた】

    【時折凄まじい突風が チコちゃんに怒られる】   【写真では風雲凄まじさ伝わらず】


   【千枚岳(標高2880m)登頂】         【ガスって眺望効かず】


【ハイマツ帯 ルート外さない様黄ペンキ注意】      【唯一のハシゴ場】


【丸山(標高3032m)到着 遮るものない】      【雪渓が出てきた】


 【雪渓はアイゼン装着するほどでなく通過】         【岩場を通過】

午後2時33分、無事に悪沢岳(3141m)に登頂成功です。雨風が強まって来ているので、長居は無用、眺望ゼロ、周囲真っ白な山頂で写真撮影して、即刻下山開始です。


  【悪沢岳(標高3141m)登頂】        【千枚小屋が見えホット一息】

午後4時29分無事百枚小屋に下山。誰もいない小屋は人気も無く結構寒かったですが、テン泊に比べれば、ずっと快適な空間でした。冷えた体をホットウィスキーで暖めながらおツマミでミニミ二宴会。夕食のラーメンを取り午後7時半に早々就寝。時折、屋根に打ち付ける雨音がうるさく、耳栓もあまり役に立たずウトウトでした。


    【千枚小屋に無事に下山】         【友人と悪沢登頂の祝杯!!】


【火の気が無くメチャ寒い上、雨音酷い室内】

翌日は、午後2時に椹島ロッジの送迎車に乗る為に、午前5時17分に小屋を出発、下山開始です。登山道は、昨日からの雨で所々で川状態。滑って転ばないよう慎重に高度を下げて行きます。時折、激しく降る雨に、林道が通行止めになるんじゃないか?と不安がよぎります。もし通行止めになったら18kmの林道歩きが待っています。下山して18kmの林道歩きと言えば、上高地の横尾までですら11kmで萎えるのに、その倍近く。これだけは勘弁して欲しいと祈る思いで高度を下げて行きます。午前10時15分、雨風強まる中、無事に椹島ロッジに下山です。


   【登山口の橋まで無事に下山】        【鳥居で無事下山のお礼参り】

すぐスタッフに林道通行止めになっていませんか?と聞くと今は大丈夫だけど予定の午後2時の送迎車では、天候の悪化で林道が通れなくなるかもと。ご好意で、午前10時30分に、デリカバンで畑薙第一ダムまで送って頂きました。途中、いたるところで林道は川状態、横を流れている井川は、濁流と化しており、一部は林道も水没を始めている状況でした。ドライバーさん曰く、「今日の午後には、通れなくなるかもしれないなぁ。もし椹島に帰れなければ温泉に浸かって一晩過ごすから大丈夫です。」とノー天気なお返事。でもホント、危機一髪の脱出でしたが、下山出来て良かったです。

今回の山行では、終始誰一人登山者に会うことはありませんでしたが、南アルプスの奥深さと東海フォレストの皆さんの日頃のご苦労、そして、たった二人だけの私たち登山者への心使いがとても嬉しかったです。また、このルートで登れなかった赤石岳にリベンジしたいと思い畑薙第一ダムを後に帰宅しました。



      【悪沢岳の山バッジ】       【帰ってきたらマメができていた(>_<)】


【出会った花たち】








【コースタイム】(休憩、食事を含む)
 登り:12時間43分(椹島ロッジ→悪沢岳)
 下り   1時間54分(悪沢岳→百枚小屋) 4時間58分(百枚小屋→椹島ロッジ)
【累積標高差】2397m
【歩行距離】22.8km(往復)





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Last updated  2019.12.22 14:29:38
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