夢双

夢双

終章:別れ。そして・・・


女「ご馳走様。」
「ここのレストラン、安いわりに美味かったですね。」
女「そうでしたね。」
「それじゃあこの後どうします?」
女「あの・・・泊めていただけませんか?」
「はい、良いですよ。」

『ガチャ』
「どうぞ」
女「おじゃまします。」
「さあ、入って。」
女「失礼します。」
「ところで、如何して家に泊まろうと?」
女「家に帰っても、誰もいないんで、つまらないからです。」
「なるほど。・・・お酒、飲みます?」
女「はい。有難うございます。」





『チュン、チュン』
「ん、んん~・・・はっ!」
し~ん
「美津子(みつこ)さーん、美津子さーん。」
そうだ、彼女の名前は美津子だ。
「おトイレですか~?」
し~ん
「アレ~?夢だったのかな?」
『がさごそ、がさごそ』
「あれ、財布もない。という事は夢じゃない。・・・やっぱり、夜の間に出て行っちゃったのかな?そうだよな、おかしいと思ったよ。この俺にそんな都合よく彼女ができるはずないものな。やっぱり、夢にしておこう。」
ちらっ
「あっ」
紙がおいてある。
手紙『春人(はるひと)様へ、』
「あ、名前覚えてくれてたんだ。」
手紙『あなたと過ごした時間は、かけがえのない宝物でした。しかし、いつまでもここにいるわけには行きません。さようなら。お体に気をつけて。美津子』
「なんだよ・・・『さようなら』って。いつまでもここにいて良いのに。畜生」

男とは、未練がましいものだ。毎日、あの時の公園に行って、美津子を探す。
携帯にもかけてみる。しかし、通じない。

それから、1週間が過ぎた。
「やっぱり、見捨てられたのかな~。」
ふと、前を見る。そこに、美津子がいた。
「み・・・み・・美津子さん。」
美津子「・・・ごめんなさい。私、貴方に・・・!」
春人が口をふさぐ。
「言わんでください。また、辛くなる。」
美津子「がはぁ・・・そうですか。しかし、今だけは貴方に逆らいます。私、いつもボーっとしているから、この前、携帯も落としちゃったんです。だから、番号を変えたんです。この財布にまた新しい番号を書いたので、ここに財布を落としていきますね。また一からやり直したいのなら、電話をかけてください。」
ポトッ
美津子が立ち去る。
『プルプルプル』
手が震える。
「こ・・・この財布の中にまた新しい電話番号が・・・」
財布を開けるのをやめる。
「やめておこう。また、夢になるといけない。」




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