日々のあぶく?

日々のあぶく?

April 4, 2007
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カテゴリ:
a fish

[fish STORY]
1・ホラ話。大げさな話。作り話。釣り師が自分の釣果を誇張して言いがちなことに由来。
2・「僕の孤独が魚だとしたら」で始まる小説のタイトル。日本人作家の遺作。(作中作である)
3・3枚のアルバムを残して解散したロックバンドの最後のアルバムに収録されている、2(「僕の孤独が~」)の言葉をアレンジした歌詞と無音部分があることが一部で話題となった楽曲。
4・この本のタイトル。ある作家の13冊目の著作にあたる。

2以降は作品に関すること。この手法は陽気なギャング~の章タイトルの補助に用いられることが多い
相変わらず手の混んだ仕掛け?というかリンクを張ってくる伊坂作品。
今回は短編集だが、その多くに様々な話に登場・リンクされることの多い黒澤氏が活躍。
今回は主に「ラッシュライフ」から多くの登場人物が出張登場している。
本当にちょっと出ただけにみえる人がコチラの作品では鍵となっていたり、あちらの作品の主役が会話の中に出てくるだけだったり、と本当に気が抜けないのである。

~ネタバレ?あり~

・動物園のエンジン
恩田の入る夜の動物園にきた私と河原崎さん。
そこには動物園の元職員で、シンリンオオカミの折の前で倒れたままの永沢をみつける。
シンリンオオカミを逃がした責任を感じ動物園を辞職したあと、
(夜は)ノイローゼでいつもそうして倒れているという彼から発展して、殺された市長・小川の犯人を推理してみたり、
日中、マンション建設運動に参加するようにプラカードを持って立つ永沢の謎を追ったりする。

永沢が来ると動物園(動物達に)エンジンがかかったようになることがタイトルの由来。
河原崎~大学の先輩。当時40歳前後。塾経営
恩田 ~大学同期。当時は動物園の職員。役所の職員。その後、宗教にはまる。
永沢 ~プラカードには『動物園に行こう。休日をライオンと』とあった。

「ラッシュライフ」の河原崎の父の話。~塾の経営者で自殺した。

・サクリファイス
ある裁判の証言に立つ男・山田が失踪。捜索を依頼された黒澤は彼の足跡を辿って小暮村に。
そこで彼は「こもりさま」と言われる生贄の儀式を知る。

こもりさま・生贄に選ばれた人間は洞窟に閉じ込められる。現在は食事も運ばれ、生贄に選ばれた人間は籠るだけ。

黒澤 ~本業は空き巣。副業は探偵。30代半ば過ぎ
柿本 ~9年前に市役所を辞め、村に引っ越してきた60歳過ぎの自称芸術家。
     作品は黒澤が紹介した東京の画廊で売れるように。
花江 ~柿本の5歳年上の妻。
周造 ~大工。村の何でも屋のような頼れる存在。
     陽一郎とは幼馴染だが、30年以上仲違いしているらしい。こもりさまに当たる事が多い。
陽一郎~50代。歴代村長を務める盤一族の当主にして村長。
     村のバランス(それぞれが飴と鞭の様な存在に)をとる為、周造と友人であることをやめ、人前で会話をしなかった。
     だが、実は協力し、村のために「こもりさま」のシステムを身を隠したい人用のビジネスにしていた。
唄子 ~92歳。周造がこもりさまの時に食事を運ぶ用意様。
山田 ~53歳。その筋系の男?昔、周造の恋人を襲った犯人?殺された?

学生時代の友人が銀座の画廊に勤めているって「ラッシュライフ」の佐々岡のこと?あ、でも違うか…
黒澤は「ラッシュライフ」「重力ピエロ」等など多数出演。

・フィッシュストーリー
とあるロックバンドの楽曲を軸にしながら、あちこちに話が飛び、でもそれぞれが繋がっている話。
 20数年前~真面目な雅史が「楽曲」の無音部分の時に女性の悲鳴を聞き(気付き)、助ける話。
 現在  ~ハイジャック犯から華麗に旅客を救った瀬川は父親に正義の味方になれといわれて育った高校教師(2年目・担当数学)だった。(父親は20数年前の雅史?)
       麻美・エンジニア。恋人あり。男を引き寄せやすい?某本を読んでいるところを隣の席の瀬川に話し掛けられた。
       老夫婦・50年連れ添い、悪いことをして得たお金で旅行に。←「ラッシュライフ」の強盗夫婦?黒澤から得たお金??
     「正義の味方は職業や肩書きではない」「お礼は父に」と言うセリフが良い。
 30数年前~某楽曲が録音されるまで。メンバーは繁樹、亮二、吾郎、鉄夫。
       マネージャーは岡崎。プロデューサーは谷。最後の一曲。メッセージは誰かに届くのか?
 10年後 ~世界を巻き込むネットワークの欠陥を指摘し、大事になる前に防いだ橘麻美は言う。
       こうやって防げたのもハイジャックから助けてくれた人がいるから。「お礼はその人のお父さんに」と。

・ポテチ
「ラッシュライフ」で黒澤につきまとった空き巣の男が登場。

今村忠司~空き巣。不思議な雰囲気を持つ男。
大西若葉~忠司に自殺をとどまるように説得されたあと、彼と同棲。
尾崎  ~プロ野球選手だが、今はベンチを暖めるばかり。監督(女好き)と反りが合わないのが理由?
黒澤も登場。今村は黒澤に会うと落ち着くらしい。忠司の依頼で尾崎のことなど調べたことあり。
中村  ~今村の上司?親分や専務と忠司に呼ばれる空き巣。

忠司と尾崎のDNA鑑定をしたのは「重力ピエロ」の泉水だろうか?
忠司は血液型から自分と尾崎が産院で取り違えられた(同じ日に同じ産院で生まれた)ことを知り、
尾崎の家に忍び込んでみたり、彼を落としいれようとした人間を懲らしめたりする。
母親の本当の血のつながった息子は有名人「尾崎」だったのにと気にしている?
自分と尾崎を比べる発言に敏感。
あっけらかんとした今村母(真実は知らぬまま)はホッとする存在。

「人のことが分からない」という黒澤が静かに浮かび上がる話でもある。

オーデュボンの祈り ラッシュライフ 重力ピエロ アヒルと鴨のコインロッカー グラスホッパー 死神の精度 死神の精度〈再読〉 チルドレン 砂漠 I LOVE YOU 終末のフール 魔王
陽気なギャングが世界を回す 陽気なギャングが地球を回す・映画 陽気なギャングの日常と襲撃 その1 その2 海には、逃がしたのと同じだけの良い魚がいる





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Last updated  April 4, 2007 04:56:37 PM


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