シノコの勝手気ままワールド

出産(誘発二日目)




誘発二日目。

昨日の誘発の波が残るまま

痛みで眠れず朝を迎える。




ベッドで横になると辛いので

ソファで座ったまま一夜を過ごし

明け方少しだけ眠った。




朝食が運ばれてきた。

まったく食欲は無かったけれど

出産に挑むために無理に食べた。




10時、ナースコールで呼ばれる。

内診を受けると、子宮口は

相変わらず3センチほど。

ただ、破水していると言われ

感染防止のため誘発剤の点滴に抗生物質も

一緒に加えられた。




『今日中に頑張って産みましょう』




そう言われて始まった二日目。

昨日は陣痛室だったけれど、

今日は分娩室に通された。




分娩台で楽な姿勢をとろうとするが

ベッドが硬いし、狭くて

どう座っても腰が痛い。

何度も座りなおしていると

助産師さんがタオルを丸めて

腰の下に入れてくれた。

少し楽になった。




点滴が投与されて二時間。

お昼の12時を過ぎたあたりで、

だんだん痛みが強くなってきた。

昨日の痛みとは比にならないほど

強い痛みが襲う。




そして、陣痛の痛みとは別に

横っ腹辺りがつりそうに痛い。

体勢を変えても、どうやっても痛い。

陣痛と合い極まって

悶え苦しんでいると、

お腹の中で『パチンっ』っと

何かがはじける感じがして

溢れてくる感覚がした。




慌てて助産師さんを呼んでもらう。

横っ腹が痛い事を告げると

赤ちゃんが大きすぎて

横っ腹を圧迫しているのだという。

横向きになって、お腹をさすってもらって

なんとか痛みは和らいだ。




破水の方は、もうお産が始まってるので

問題ない・・・で終わった。




お昼ごはんのオニギリが出されたけれど

まったく食べる気がせず、主人が食べる。

私はひたすらお茶を飲んでいた。




夕方の3時ごろになると

陣痛もマックス。

体力も限界になってきた。

いきみを逃すのも一苦労で

全身、汗だく。

お茶ものめず、ちょっと口に含んで

潤す事しか出来なかった。




このときから、ときおり吐き気が

襲ってくるようになった。

何も食べていないのに、吐きたい。

バケツをもらって吐くと

なぜか黒い液体が。

これは何???





何を吐いてるのかわからないまま

その後も、何度も吐いた。




ここからは、ほとんど

時間の感覚がなくなった。

陣痛の感覚がもう2,3分になり

ほとんど体を休める暇がなくなったからだ。



規則正しい間隔で襲ってくる痛み。

小さい声で『痛い~痛い~』っと

お経のように唱えるしかできず。




夕方の6時頃、ようやく内診。

しかしまだ、子宮口は7センチ。

全開までまだまだ。




しかし、先生は言った。

『もう、生みましょう』




ようやく、いきめる。

ようやく出産できる。

そう思ったら、気持ちが楽になった。

(終わりの無い痛みに限界だった・・・)




いきむ姿勢をとり、

出産に備えてまわりも準備する。

陣痛のタイミングを見て

助産師さんと主人の声にあわせて

『うぅぅぅ~』っと息む。




が、そんなに簡単に産めなかった。

息んでも息んでも頭は見えてこず。




頭が酸欠でくらくらする。

吐き気もする。

血圧は200を越え、

血圧を下げる薬も点滴に加わった。





夜8時だったと思う。

再度、先生が内診。



『院長が来たら吸引かけよう』



頭が見えたところで

吸引で出産する事になった。

ただ、今、院長は外出中らしい。

私は、ただただ早く院長が

戻ってきてくれることを祈った。






いざ、出産へ。





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