今日も他人事

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6.華、咲きて



<197年 9月 永安の戦い>
■董卓軍

指揮:高順
兵力:二万

■劉璋軍

指揮:張任
兵力:一万五千

益州への楔を打ち込むことに成功した董卓は、劉璋軍に更なる圧力をかけるべく荊州からの永安攻撃を画策。

韓遂、ホウ徳、馬超らの騎馬隊一万五千を先鋒として向かわせ、更に高順の攻城部隊五千を続けて進撃させ、永安を制圧しようとしました。

董卓軍先鋒部隊は、渡渉して迎撃に現れた劉璋軍の歩兵一万、弓兵五千と対峙。

しかし、交戦しようとした矢先、韓遂の騎馬隊七千が突如として劉璋軍に寝返るという事態が発生。

この報告を受けた董卓は即座に先鋒部隊に撤収を命じ、江州攻めを断念。

成都の呂布、上庸の董白にも伝令を送り、守りを磐石にして拠点の確保に専念するように指示を出します。

この間に再び力を盛り返し始めた袁術軍は、宛から上庸へ、新野から江陵へと大軍を送り込んできました。

董卓は自ら近衛騎馬隊一万を率いて出撃し、黄忠の弓兵隊、馬超、ホウ徳らの騎馬隊と連携してこれに当たります。

この時、董卓の近衛騎馬隊には成人を迎えたばかりの呂布の娘である呂姫が将校として加わっており、果敢な突撃で袁術軍の程普を討ち取るという戦果を上げます。

一方、上庸では董白が迎撃軍の指揮を執り、隘路の出口に迎撃線を敷いて、袁術軍二万五千と交戦。

隘路沿いの防備を次々と突破して迫る袁術軍に対し、董白は出口付近で火計によって敵を分断。

統率の乱れた所へ、張遼、張シュウらと共に騎馬隊を率いて各個に撃破していきます。

この戦いで上庸の防備を失い、かなりの兵力を失いながらも董白は侵攻してきた袁術軍を全滅させることに成功しました。

この報告を聞いた董卓は「白こそ我が後を継ぐに相応しい」と喜悦を浮かべて幕僚達に告げます。

それからしばらくの間、江陵、上庸、長安では袁術軍との攻防が繰り返され続けることとなります。

戦いの中、武将として最も優れた活躍を示したのは上庸の董白でした。

彼女は、常に袁術軍の攻撃に晒されながらも騎馬隊を率いて駆け回り、上庸を攻囲していた孫堅を打ち破り、捕らえることに成功したのです。

孫堅は董卓と同時期に反乱討伐で活躍した宿敵ともいうべき武将であり、董卓軍を何度も苦しめてきました。

捕らえられた孫堅とその息子である孫権は董白の手で首を刎ねられます。

次に活躍したのは涼州騎馬隊三千を率いて江陵防衛に従事してきた馬超でした。

江陵東部で略奪を重ねていた劉表軍の騎馬隊一万を撃退すべく出動した馬超は、撹乱されて身動きを封じられた所を攻めたてられ次第に追い詰められていきます。

そこへ黄忠の率いる弓兵隊七千が救援に追いつき、僅か二百騎という壊滅寸前まで追い込まれながらも馬超は脱出に成功。

江陵に戻るとすぐさま五千の騎馬隊を借り受けて、黄忠の援護に回り、劉表軍を撃退することに成功します。

一方、江陵西部では向かってきた劉璋軍に対して、ホウ徳が騎馬隊七千を率いて迎撃に向かい、張任を一騎討ちで破り、楊拍を騎馬突撃で戦死させるという華々しい戦果を上げます。

この勢いに乗じて、董卓の近衛騎馬隊一万、高順の攻城部隊一万が永安、江州を制圧し、劉璋を南蛮の地へと追い払うことに成功しました。

こうして各地で董卓軍の新たな主力となる武将達が活躍する中、袁術は四万もの大兵力を襄陽へと送り込み、これを占拠すると即座に江陵へと南下の姿勢を見せます。

董卓は自ら江陵防衛の指揮を執り、各地から呂布、馬超、張シュウ、ホウ徳らの主だった武将を呼び寄せて五万もの兵力を動員し、迎え撃つ構えを示します。

<200年5月 江陵の戦い>
■董卓軍

大将:董卓
兵力:五万五千

■袁術軍

大将:孫策
兵力:三万五千

■劉表軍

大将:韓遂
兵力:一万五千

200年5月。荊州の大地に総計十万にも上る大軍が集結していました。

周囲に大量の弓櫓を配し、城壁を強化し、更に主だった諸将を集めて万全の布陣を敷いた董卓。

対するは父と弟を殺され、仇討ちに燃える孫策率いる三万五千の袁術軍と寝返りを繰り返す韓遂率いる一万五千の劉表軍。

北と東、両方からの侵攻に対して、董卓は李粛、董承らを派遣して渡渉中で長く伸びきった袁術軍に大規模な火計を仕掛けてこれを撹乱します。

そうしている間に、韓遂、呂蒙の指揮する劉表軍が江陵の城壁に取り付きますが、ホウ徳と馬超が騎馬隊を率いて出撃し、散々に打ち破ります。

この時、捕らえられた韓遂の首を刎ねたのは盟友・馬騰の息子である馬超自身でした。

火計を凌いだ袁術軍は江陵北部の平原に進出しますが、四方八方から弓櫓に射掛けられて戦力を消耗。

敵軍の勢いが衰えたのを見た董卓は、呂布、ホウ徳、馬超、張シュウらと共に騎馬隊三万を率いて出陣し、平原に進出してきた袁術軍を蹂躙します。

激戦の中、孫策の歩兵隊と董卓の近衛騎馬隊が直接交戦しますが、孫策の刃は董卓には届かず、呂布や馬超の攻撃を受けて壊走していきます。

大勝利を収めた董卓はこの機を逃さず、呂布と高順に二万の兵を率いて北進させ、奪われた襄陽を奪還することに成功。

こうして、江陵の戦いは幕を閉じ、荊州はほぼ董卓軍の勢力下となるのでした。


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