かずみん~あくまで自由に~

かずみん~あくまで自由に~

足音


子供にはまだ恵まれていない。
親達は最初うるさく言っていたけど最近は口に出さなくなった
気にしていると返ってよくないからと一度辞めた仕事に戻ることに。
以前の上司が声をかけてくれたので、一瞬ためらったけど新人の気持ちで新たにと甘えることにした。
懐かしい仲間と懐かしい場所。
でも私の居なかった間に入った人たちもいるわけで、ちゃんとその辺はわきまえてという加減が最初は難しかったがすぐに慣れた。
仕事と家庭の両立。
最初は時間がうまく使えず疲れたけど、子供がいない分手を抜ける部分がわかり今ではそれなりにリズムがとれている。

結婚生活も8年もたつと最初の頃のドキドキとかはまったくなく、それは安定という言葉に代わっているのかも知れない。みんなそうだろう。
大恋愛の末一緒になった筈だけどそれも記憶に遠い。
お互いに空気のようで交わす言葉も少なく、一緒に食事を取るときの食器の音が部屋に響く。

何に不満があるわけでもない。
ただ何かわからない隙間を感じ始めていた。
もしかしたら、子供でも居たらその忙しさで何も考えはしなかったのかもしれない。
共通の趣味も無く交わす言葉も思いつかない。
結婚前って何を話していたっけ。
時間がたつのも忘れるくらい話して笑って別れを惜しんだはずだけど。
この時点でお互いに相手に何かしら思いを伝えていれば変わっていたかもしれない。
自分の思い。漠然とした言葉でも。
そしてもう少し相手に歩み寄れれば。
でも人はいつでも過ぎてから気づくものだ。
もう戻れないほど通り過ぎてしまっていた。

そんな時に出会った。


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