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宇宙の果てという考え方(2)
宇宙の果てという考え方(2)
ボクに限らず、アインシュタインを好きだという人は多いだろう。しかし、中にはへそ曲がりな人が居て「彼が特殊相対性理論を打ち立てなければ原爆は生まれなかっただろうから、彼のことは好きになれない」というのをたまに聴く。それは誤った考え方で「車は多くの人を轢き殺すから、ダイムラー(ベンツ)やフォードが嫌いだ」というのと変わらない。美味しい刺身料理を食べながら「包丁は刺身を作れるが、人も刺し殺せるから刺身は食べない」という人は居ないだろう。そんな馬鹿な・・・と想う人は正常な考えの人だ。それなのにアインシュタインが好きになれないというのは数学物理の分からない人が言う言葉だ。
間違った太陽系の概念図(どの惑星も近距離過ぎるのだ)。
つまり無知からくる短絡した考え方に過ぎないということで、家庭的には不幸だったが彼の偉いところは、時間の概念を変えたことだろう。それはやがて述べる宇宙の成り立ちとか宇宙の果てについての基本になることだ。ボクは彼の相対性理論の論文は読んだこともないし理解したこともないのだが、様々な解説書や手引書を読んだ限りでは「時間は場所(空間・次元)によって違う」ということで「空間は歪む」とか「光の速さは何処に居ても同じ」ということなどを学んだぐらいなものだ。だから簡単に言ってしまえば浦島太郎の現象は起こり得るということである。
もし、光の速さに近い乗り物で宇宙の彼方まで行って戻って来たなら、その人は戻って来た場所の人々を観て自分よりも老人になっているのを知るだろう。というのは、速い乗り物に乗れば時間の経つのが遅い為に、その分だけ歳をとるのも遅くなるということなのだが、現実にはそういう乗り物はないから精々、宇宙飛行士がマッハ(音速)の何倍かのスピードのロケットで宇宙空間を移動する度に数秒だけ長生きをするという程度だろう。時間の遅くなる実証は既に為され世界的に確認されているから我々凡人が心配する余地はない。
それよりも我々自身、宇宙ロケットよりも速い乗り物に乗って宇宙旅行をしていることを知らない人の方が多い。その乗り物は我々の住む宇宙船地球号のことで、365日と6時間掛かって太陽の周りを一周する猛スピードで回っているのだ。太陽までの距離は1億4,960万kmだから光速なら499秒(8.3分)掛かることになる。地球が太陽の周りを楕円形で周回している距離は約9億kmだから、光速なら3,000秒(50分)で回れるところを現実はその1万倍余の31,557,600秒、つまり365日と6時間掛けて回っているのだ。これはマッハ83.8(マッハ1は気温 15℃、1気圧 (1013 hPa) の空気中を340m/秒で進む速さ)という実に超スピードなのだ。
アインシュタイン
それほど速く回ってもなかなか行きつくことが出来ない広大な存在である太陽系を図式化して地球を直径1cmにして描けば、太陽との距離は実に117mにもなる。実に地球の直径の1万1千7百倍だ。だから宇宙の概念図の初歩である太陽系の図式の殆どの本には間違った表記がされているということになる。太陽の周りを最初に水星が、その次に金星が、そして地球が回り、その外側を火星、木星、土星、天王星、海王星が・・・と続くのだが、2006 年の国際天文学連合(IAU)会議で冥王星は地球よりも小さい(図式すれば3mmしかない)為に惑星の仲間からは外されてしまった。
それよりも太陽系の中心である太陽を描けば109cmにもなるのだ。木星なんか地球の11倍もあって地球から25kmも離れていることになる。だから太陽系の図式は物凄く広大過ぎて幾ら大規模な建物でも入りきらないから概念図でしか表せないのだ。概念図はイメージとして分かれば良いだけのことだから頭の中で描けばどんなものでも観える筈である。しかし、宇宙の果てをその方法で描けば、常識的には分からないということになってしまう。何故なら誰も観たこともないのと元々何も無い処に太古にビッグバンという宇宙の大爆発があって現在も広がり続けているからだ。つまり何も無いという概念が分からなければ宇宙の果ても分からないということになるのである。
何も無いというので有名なのはインド哲学のゼロの概念だ。日本で言えば般若心経だろう。実に多くの無が出てくる。観自在菩薩行心般若波羅密多時(かんじーざい ぼーさつ ぎょうしん はんにゃーはーらーみったーじー)・・・と口ずさんで行くとボクなんか次第に心が落ち着いて来て無の境地になって行く。仏教の無は何も存在しない混沌とした状態を指し無我の境地になることをいう。だから気がむしゃくしゃする時は電車の中でも何処でも口の中でモゴモゴと般若心経を唱える。そうするとイライラが消えて行く。元来、無という混沌とした状態から生まれた我々には無は心の拠り所なのだろう。
般若心経の教文。
つまり、縦、横、高さの認識でしか空間をとらえることが出来ない我々は、地球上の生き物の中で人間こそが万物の霊長(代表)と勝手に決めていて、そういう空間のとらえ方をし、在ると信じているだけのことなのかも知れない。実際は空間なんてものは幻想(まやかし若しくはバーチャル)であって実は何も無いのかも知れないのだ。だから既成概念的に宇宙の果てを想像するに、子供のようにその向こうには何が?と同様の物体を期待する目には何も観えないだろう。ガス状になっていたり、次元(空間)がねじれたり反対側と繋がっていたり何処まで行っても行き止まりが無い状態なのかも知れない。時間の概念も次元と同じく混沌としているのだろう。(つづく)
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