ココ の ブログ

グーグル・アース(10)



グーグル・アース(10)

 そんなにユダヤ人が目の敵にする国イランとは、一体どういう国なのだろうかと興味がわく。遠く離れた文化圏の違う国の事は、アメリカナイズされた西欧文明しか知らない我国の一般常識からは正しい情報判断はしにくい。公平な目で世界を観ているつもりでも偏ったマスコミによる情報操作で幾らでも違った形の姿を想像させられるからだ。大学で学んだ者でさえ正しいその国の姿を知っている人は少ない。逆に、そういう我日本の事でさえ、海外では我々が思っている程には文明度や文化度は余り伝わっていない。極端に言えば、未だチョンマゲをして腰に刀を挿している男や芸者姿の女が今も通りを歩いていると想われているのだ。まさか新幹線やモノレールが走っているとは思っていないのである。

テヘラン(01)
GoogleEarthによる、テヘラン(01)。

 夏場は相撲取りに観るような褌姿が普通の庶民の男の姿だと想われている。それは冗談でなく、最近でも日本に憧れてやって来たヨーロッパの観光客が失望して不満を言っているのをテレビで観たぐらいだ。笑っていられない。日本の外務省はそういう無知に対する情報宣伝をする努力は一切せず、アメリカの高官やヨーロッパの貴族には卑屈なぐらいゴマをすり、日本国民に対してと同様、アジア・アフリカに対しても尊大な態度で臨んでいる。何せ、外務省の海外駐在員のトップ(大使)は自分のことを天皇の臣下だと想って、部下に閣下と呼ばせているのである。何か大いなる勘違いをしているのである。毎晩のようにパーティーを開き、鹿鳴館の再現をしているのが外務省の海外駐在員だと想って間違いない。

テヘラン(02)
GoogleEarthによる、テヘラン(02)。

 それが国力だと言う意見もあるだろう。海外からなめられないように惜しみなくパーティなどで金を使うことが国力だと勘違いしているのではないだろうか。そうする事で成果が上がっているのなら構わない。つまり情報収集(スパイ)することで正しい情報が政府に伝わり臨機応変な外交が出来ていればの話だが。チャラチャラとするのはポーズであって、実は相当重要な情報を掴んでいるというのは西洋時代劇の見過ぎである。ジェームス・ボンドの世界は過去の話で、今や政府高官の経済見通し能力による外交が物を言う時代なのである。それをバックアップするのが外交官僚の筈である。ところが、日本の官僚はアメリカの方ばかり見ている。アメリカのポチと言われる所以である。

テヘラン(03)
GoogleEarthによる、テヘラン(03)。

 イスラエルはアラブ諸国が敵である。中でもイランはアラブに大きな影響力をもつ大国だけにアメリカに楯つく生意気な奴と想っているのだろう。本気でイランが怒れば、イスラエルなぞ吹き飛んでしまう事を知っているからこそ敵対視するのである。「他のアラブ諸国は米英に上手く懐柔され、王侯貴族だけが白人以上の贅沢な生活をし、石油で得た金を潤沢に使いまくって堕落し馬鹿になっているから敵ではない。イランは前国王を追放し、ホメイニ師という坊主が国民を洗脳して一つのまとまった国に成ってしまった。その後も師の路線を行く指導者が強硬にアメリカに楯ついてイスラエルを地上から抹殺しようとしている。けしからん国だ」と米英を始め、イスラエルは想っているのだ。

テヘラン(04)
GoogleEarthによる、テヘラン(04)。

 イランから言わせれば「イスラエル(とそれをバックアプする米英)は中東の土地ドロボーだ」ということになる。「ある日突然、ヨルダン川西岸の砂漠にイスラエルという国が出来た。そこに居たアラブ人達(パレスチナ人や土着のユダヤ人達)は分け隔てなく共同で生活をしていたのに、ガザという地域にパレスチナ人だけを追いやって、世界からユダヤ人とその血をひくハーフやクオーター達がイスラエル目指して続々と集まって来て入植し、拡大して行った。ガザのアラブ人達は隣のエジプトにも自由に行き来出来ていたのに高い塀が出来てからは、それすらも出来なくなった。他人の土地を力づくで奪って身内を入植させ、何が自由と平和な国だ。盗人猛々しい、聴いて呆れるとはこの事だ」と息巻いている。

テヘラン(05)
GoogleEarthによる、テヘラン(05)。

 要するに、大昔にローマ人に追われたユダヤ人が世界に散って行き、跡地にはアラブ人が住み、その後、近代になって新たにイスラエルという国がイギリスの陰謀で無理やり作られ、アラブ人とユダヤ人との土地争いが始まって、力づくでユダヤが奪っている姿が今のパレスチナ問題である。ナチに大量殺りくされたユダヤが、今度は自分達がパレスチナ人を大量殺りくして第2のナチに成り下がってしまった。その事を何の疑念も持たず「自分達は正義の戦いをしているのだ」と言っても誰も認めはしない。後盾のアメリカもそろそろ手を引きたがっている。ユダヤにもアラブにも嘘をついてトルコから奪い取らせた土地(ヨルダン川西岸)の決着も出来ず、無責任にもUNに託して逃げたイギリスは誰に尻拭いをさせたいのだろうか。(つづく)

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