ココ の ブログ

癒し

癒し

 昔から音楽全般が好きでジャンルを問わず聴いて来ているが、中でも最近はクラシックとジャズに絞って聴いている。音楽は心を癒してくれるから聴くという人がいるが、心を癒す方法は幾らでもあり、人によって様々な手段がある。音楽の場合は聴力を利用して脳に癒しのシグナルが伝わるのだが、絵画や映像の場合は視力を利用し、その他五感を使っての様々な方法があるという訳である。だから是しか無いとは断言は出来ないのだが、スポーツの場合も癒し効果はあるだろうし、スポーツまで行かなくともウォーキングでも散歩でも同じ事が言える。尤も、自分で行動する事で癒される以外は受動的な方法に依る事になるが、音楽は自分で演奏しなくても聴くだけで端的に効果が表れる代表的なものだろう。

Mni1ni2Mni3Mni4Mni5

 いや、私の場合は名画を観て癒されるという人も居るだろうが、それは音楽の場合と同じ事なのだが、簡単に出来る点が違う。名画はわざわざ美術館や画廊へ出かけなくてはならないが、音楽はわざわざコンサート・ホールへ行かなくても小道具で出来るからだ。ボクの場合はMP3の携帯イヤフォンとパソコンで聴いている。MP3の携帯イヤフォンはiPodのシャッフルとかナノが小道具としては本当に小さいから楽に携帯出来、便利である。スーパーへ買い物に行く場合は、館内がスピーカー騒音で五月蝿いので必ず携帯イヤフォンを利用する。左の耳が3年ほど前に突発性難聴になって以来、耳管狭窄症から耳管開放症になったのか騒音が耳の中で反響して、それを止める方法としてMP3の携帯イヤフォンが効果がある。

Mni1ni2Mni3Mni4Mni5

 収録している音楽はクラシックの中でもJ.S.バッハが一番多く、バッハの原曲をジャズにアレンジしたものも収めている。バッハは構築的で安定しているので聴いていて安心出来る。それを建築的だと言う人もいる。たまたまボクが建築家だからバッハが好きな訳ではなく、建築家になっていなくても好きだったろう。バッハのジャンルで一番数が多いのはピアノ曲で次がギター曲、そしてオルガン曲と続き、コラール(カンタータ)、チェロ曲、フリュート曲、そして協奏曲という具合である。スーパーで聴いているのは雑音に対するブラインド効果を狙ったものだから音楽で癒しを期待すると言うよりも五月蝿い雑音排除の為である。だから外へ出れば直ぐに外してしまう。車の運転にも差し障りがあるからだ。

Mni1ni2Mni3Mni4Mni5

 自宅ではパソコンから同じ曲が流れるようにしてある。収録容量がiPodとは比較にならないぐらい大きいから10倍ぐらいは入っている。気分次第でジャンルを使い分けている。昔はオーディオ・セットで聴いていたものだったが、パソコンが普及してからは使わなくなり、先月だったか大型ゴミで処分してしまった。確かにオーディオ・セットの方が音質は良かったが、パソコンのような利便性が無いので捨てる事で踏ん切りをつけた。人生も後半に入ると物を整理する事の大事さが分かって来て、物に振り廻されない生活が大事に想え出したのである。死ぬ時は何も持って行く事は出来ないので残す必要はないという訳で、欲しい人に上げると言っても今時そういう物好きな人は居ないだろう。

Mni1ni2Mni3Mni4Mni5

 だから、これからはどんどん処分して行く積りである。究極は家だってそういう事だから、仮に大金持ちになったとしても邸宅を残しても意味はないと想うようになった。愚息の為には一切残さない事に決めたのである。子孫に美田を残さずである。その代わり教育だけはつけさせた。教育力で自分の人生は自分で切り開けばいいのである。今回の東北大震災で家を失った人々の状況を観て、つくづくそう想ったのだ。津波に依る瓦礫の山を観て、家なぞ堅持した処で何もならないと想った。アルバムの写真の方が意義があるのかも知れないとさえ想うようになったのである。だから物にこだわらなくなると肩の荷が下りた気がした。価値のあるものは無形の財産である知識や記憶や想像力である。

Mni1ni2Mni3Mni4Mni5

 つきつめて言えば、癒しの効果を期待するのは方法論ではなく、ものの考え方にあるのだろう。それが出来れば音楽でも絵画でも何でも利用すれば好い訳である。人間の生き様を小道具で調整するのではなく脳の整理をすれば幾らでも調整出来る訳で、出来るだけ慾を極力減らす事だろう。と言って人間らしく生きて行く為には少しばかりの慾も必要だから最小限の慾と道具で本当の意味での贅沢をすれば心豊かな生活が出来そうである。その為には見栄を張るのも人生の処世術として時には必要かも知れないが、出来るだけ本質をとらえて自分に合った生き方を模索するしか無いようである。物にこだわる内は未だまだ自分の生き様が分かって居ない証拠だとつくづく想うのである。

にほんブログ村 美術ブログ 建築家(芸術家)へ ←ブログランキングに参加中です、クリックをどうぞ!




© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: