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一年目の福島原発事故(2)

一年目の福島原発事故(2)

 日本は核の犠牲としてはヒロシマ・ナガサキでの原爆で世界初に成った国である。そして今度はビキニ環礁での日本漁船が核実験の死の灰を浴びて第二の犠牲者になった。原発事故ではアメリカのスリーマイル島やソ連(現ロシア)のチェルノブイリに続いて三番目である。しかし、原発事故(メルト・ダウン)後一年間も放置したまま唯単に原子炉に水を掛けて冷やしているだけの国は日本だけである。アメリカもロシアも決死の覚悟で高レベルの放射線が出ている中、後処理をした英雄がいたのだ。日本でも東電の下請けの東芝や日立の社員や孫請けの業者が決死の覚悟で今も現場で働いているのは時折ニュースで伝わって来るが、肝心の国や東電の技術者が原子炉の中に入って作業をしたというニュースは一度も無い。やっている事と言えば玩具のようなロボットで偵察しているだけだ。誰も死ぬ覚悟でやっていないのが現実である。

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 東大や東工大の御用学者達は自分の命は惜しいから原子炉に近寄ろうともせず嘘ばかり言ってせせら笑っていたのだ。そんなに安全と言うのなら現場に行って陣頭指揮でもすれば「流石、言う事と遣る事とが一致している」と評価の一つも受ける処だが、自分で嘘を突いているのが正直に顔に出ているものだから隠しようも無く、記者から疑問点の質問を受けただけで顔を真っ赤にして自己説を強弁していたに過ぎなかった。その為、世界から日本の学者や政治家のレベルの低さを軽蔑するコメントが多く寄せられ非難もしていた。「何とか頑張っている」と評価したのは原発汚染水の処理を請け負ったフランスのアレバ社の経営陣だけだった。日本は上得意先だけに決して悪口は言えない立場の連中の言葉なぞ誰が信用するものかと想ったものだ。地震や津波の無いフランスだからこそ原発大国になっただけの事で、決して絶対安全で安心だとは言えない代物なのだ。

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 フランスにも日本と同じ様な津波が来るとするなら、モン・サン・ミッシェルのような遠浅の海から来る巨大な波は原発を一飲みにしてしまうだろう。シェルブールの核燃料リサイクル工場だって危ない。華の都パリも核エネルギーにどっぷりと浸かっていて見掛けとは裏腹な危ない大都会なのだ。ところが彼等は言うだろう「フランスと日本とでは地理も違えば文化も違う。日本のような田舎者の言う事なぞ信じられるか」と。確かに文化の度合いは比較の仕様が無い。日本から憧れてパリへ行った芸術家や文学者達は西欧文化の香りに酔いしれて東洋の孤島の様な田舎から来た事を恥じ、フランス人に成った人々も居たぐらいだった。それでも我が日本が恋しいと帰国した人々はパリの香りを漂わせながらハイカラな生活をしつつ日本を徐々に西欧化して行った。だからこそシャンソンが流行り、化粧品が売れ、ファッションの発祥地から下流へと流行は流れて行った訳だ。

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 今もフランス崇拝者は五万と居て「おフランス」と崇める女性が何と多い事か。油絵と言えばパリ画壇が鎮座まして日本の芸術家は盲目的にフランスを目指す。ロンドンやニューヨークなぞ目じゃないのだ。そういう処で安全神話が出来上がった原発に何の疑いも持たず日本政府はアメリカ産の原発を後生大事にパテント入手し、買わされた東芝・日立は元を採り返そうと東南アジアやアフリカに再販したくてウズウズしているのが現在の日本の原子力産業である。ウランが駄目ならトリウムでと新たな原発産業はほとぼりの冷めるのを待っている。東北人はモルモットにされ人体実験の経過を観察しているのが日本政府である。その証拠に心の中では彼等を人間として観て居ず、口では復興とか故郷へ戻ろう運動を呼び掛けているのだ。セシウムが放射線を出している内は危なっかしくて近寄れないのに除染と称して地面を削っている。馬鹿のやる事は何処までも愚かしい。

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 住宅地や農地の土を削って、除染が出来たとして其処に生活基盤を据えろと言う。馬鹿も休み休みに言えと言いたい。広大な山野に降り注いだ放射性物質が雨に流されて下の農地や住宅地に流れ込んで来たり地下水になって来るのを平気で飲めと言っているのと同じなのだ。体内被曝をしたところで目に見えないから大丈夫だとでも言うのだろうか。矢張り東北人を人間とは想って居ないのだ。大好きな故郷に戻って商売をしたいとか農業をやりたいと言う無知な人々の感情論に訴えかけるマスコミも同罪である。放射性物質が放射線を出さなくなるまでの50年から60年間は人は住めないという簡単な理屈を口が酸っぱく成る程説明しても「おらが村さ戻りてえ」という無知な人々を説得するのが政府の仕事なのに逆の事を言って人体実験をしようとしている。寧ろ、こんな事を言うボクなんかは悪魔か鬼とでも想っているのではないだろうか。哀れというか情けない。

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 福島原発が爆発してメルト・ダウンして一年が経つのに何の手当ても出来ない状態が続いているのに未だ低次元の事をまともな顔をして論じている人々(政府も役人も地元民も)が居るのが呆れて物が言えない。何処までも無知な人々は成るようにしか成らないのだろう。「此処まで言って駄目なら仕方が無い、どうぞ好きな様にして下さい。その代わり後で恨み事は言わないで」とでも言うしか無い様だ。ところで、心臓バイパス手術をして何とか体力を回復された天皇陛下は3・11の記念式典に出席されるそうだ。二万人近い人々が津波で亡くなった哀しみもさることながら原発被害で苦しんでいる東北人にも労りの言葉を掛けられるのだろうが、心情的には理解できるものの決して感情論だけでは何も解決にはならない。単純な物理学の現象(放射性物質による被曝)は心情論では解決せず、物理的な避難と原発の遮蔽工事(石棺)が何よりも先決事項である事を強調しておきたい。(つづく)

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