ココ の ブログ

居眠りをするココ(2)

居眠りをするココ(2)

 戦後60年間で世界の通貨として世界中にドルが行きわたり、近年では日本以外にもBRIC諸国までもが大量のドル(外貨と米国債)を溜めこんでしまっている現状からすれば、ドルの格付けがトリプルAから少しでも転落しただけで金融相場は大混乱に陥り、仮にデフォルトにでも成れば米国債は紙くずになってしまうからドル大量保有国が一夜にして破産する羽目に陥らないとも限らない。日本を追い抜いて米国債を大量に抱える中国もバブル経済の破綻が囁かれつつある中で米国債や保有外貨の急落は大不況の嵐となるのは必至である。16億人が17億人にまで増えつつある過剰人口国は、先ず食料とエネルギーで大打撃を受け、GDPはガタ落ちに落ちてしまうだろう。幾ら人口の1割が富裕層だとしても9割は貧しいのだから、経済評論家で無くとも一市民でもそれぐらいは予測出来る時代である。

COCO-006
COCO-006(未だ陽の射さない早朝は、寒いからソファのムートンで居眠りする)。

 ココの居眠りを観てココとは無関係な世界経済の先行きなぞ心配したところで何にもならないのだが、肝心の日本政府は福島原発メルトダウン事故の未処理やTPP加盟の問題などで自主性も無く、迷いに迷いながら的確な判断も出来ずダラダラと状況を眺めているだけなのだ。多分、民主党の支持率アップを願って如何に不況脱出を図るかで学者や評論家を集めて無い知恵を絞ってはいるのだろうが、一向に妙案が出て来ない状態である。こんな内閣なら小学生でも出来る。さりとて政治家でも無い人間がとやかく言った処で今の内閣には馬耳東風だろうから一市民の愚痴で終わってしまうのが落ちだ。その点、ココは人間世界の煩わしい事なぞお構いなしに、居眠りばかりし、身体が温かくなれば庭に出て徘徊したり、気が変わればガレージの塀の上で道路を飽きもせず眺めている。幾ら眺めるのが好きでも民主党には負けるだろう。

COCO-007
COCO-007(毛並みがムートンに似ているから同化している)。

 ココも所在なげにやっている訳だろうが、居眠りばかりしているのは寒さだけのせいでは無さそうだ。猫の習性として24時間中、半分以上は居眠っている。そう言えば居眠する猫で有名な日光東照宮の「眠り猫」を想い出す。中学の修学旅行や社員旅行で行っただけだが、写真や動画で何度も観ているからリアルに想い出せる。左甚五郎の作だと言われるが、塗装を施してあるのでディテールが甘く名人の作には観えなかった印象がある。その同じ山門には三匹の猿も彫られていて、夫々手で目と耳と口とを押さえ、観ざる、聴かざる、言わざるのポーズをとっている。猿を引っ掛けて誰にでも分る様に人間の処世術を暗示させていて、いつの時代でも権力者の思惑は同じだと想わせる処が面白い。「余計な事は観ず、黙って言う事を聴け」と権力者は思っているのだ。

COCO-008
COCO-008(未だカメラのフラッシュに気がつかない)。

 政治家に任せておいて上手く政治をやってくれるのなら良いが、往々にして行き詰まる。それなのに人は権力者に成りたがる。権力を手にして自分の夢を果たしたいのだろうが、一人では何も出来ない。そこで優秀な政治家が現れないと往々にして衆愚政治に陥る。因みに衆愚政治の事をネットはこう言う。「有権者の大半が知的訓練を仮に受けていても適切なリーダーシップが欠けていたり、判断力が乏しい人間に参政権が与えられている状況を指す。その愚かさゆえに互いに譲り合いや合意形成ができず、政策が停滞してしまったり、愚かな政策が実行される状況を指す。また有権者がおのおののエゴイズムを追求して意思決定する政治状況を指す。エゴイズムは自己の積極的利益の追及とは限らず、恐怖からの逃避、困難や不快さの回避や意図的な無視、他人まかせの機会主義、課題の先延ばしなどを含む」と。まさに今の政治がそうだ。

COCO-009
COCO-009(ようやく気配に気付いて薄眼を開けている)。

 要するにリーダーシップが取れない政治家が多いと政治は行き詰ると言うのは古今東西同じだ。間違ったリーダーシップは独裁と言われ、上手く世の中が廻っているとそういう批判は片隅に追いやられる。独裁、ワンマンの政治は悪いとされるが、大衆は身勝手だからどうでも良いのだ。景気が悪く生活が苦しく成れば誰だって政治家に怒りをぶつける。総ての分野に平等に景気が良い状況なぞ造れる訳が無いから権力者の都合の良い方に目が行く。雨が降れば傘屋が儲かる理屈で風が吹けば巡り巡って桶屋が儲かるのが世の中の仕組みだから景気が上手く舞う状況を作り出せれば政治は成功だと言われる。しかし、国際政治はそうは行かない。国に依っては全く逆の事を望んでいる場合があるからだ。そこで問題になるのは国力(経済)である。金があれば軍備も福祉も充実させられる。世界覇権も出来る訳だ。

COCO-010
COCO-010(夜も開けて来たし、そろそろ窓辺に行って日向ぼっこでもしようか)。

 世界覇権は戦後、アメリカが長年やって来た。しかし、図に乗ってやり過ぎた。その尻馬に乗った日本は親分がこければ自分も運命共同体とばかりに一緒に成って必死にドル防衛の一端を担う。それを反対勢力がアメリカを見捨てて中国に鞍替えをしろと迫る。中国は手ぐすね引いて日本を属国にしたがっているから、様々なちょっかいを出して日本の出方を観ている。馬鹿な政治家は尖閣列島で腰ぬけ外交をして世界から嘲笑を浴びてしまった。自主独立国が主権を侵害されて黙ってしまうのは婦女暴行犯の仕返しが怖くてを訴えない腑抜け市民と同じだ。周りが慌てふためいて訴えないのを不満とする現場当事者が事件写真をインターネット動画で世界に発信して腹いせをすれば中国は世界から顰蹙(ひんしゅく)をかい、驚いて弁解をする。それは当事者間の問題だから良織をもって日本のその後の出方を世界は見守る。が、日本は黙っている。(つづく)

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