ココ の ブログ

晩秋(4)

晩秋(4)

 今日も風邪気味で腰が少し傷むのでゴルフ練習に行くのを躊躇している。朝ベッドから起きようとすると気に掛かる程度の痛さで、午後になれば治るのが常だから調子が良く成れば行こうかと考えている。週に二回ほどの練習場での練習は、主にドライバー等のウッドもさることながらアイアン・クラブの調子を見るには欠かせないのだ。グリーンに出てミスを出すのが意外とアイアン・クラブが多いからだ。18ホール廻って、ドライバーは四ヶ所のショート・ホールを除いて最低14回は使うものの、アイアン・クラブは総てのホールで使い、途中でボールがバンカー(砂場)に入ったり、ラフ・グリーン(フェア・ウェー横の草が伸び放題の処)に入ったりしても必ず使うから20回以上は使う事になる。ウッド・クラブはロング・ホールとミドル・ホールのフェア・ウェーでも使うにしてもアイアン・クラブの使用回数程迄には及ばない。

晩秋-01(山茶花)
晩秋-01(山茶花)

 だから矢張りアイアン。クラブはその使用回数からしてもミスの出る確立が高い。ミスと言っても打ち損ないでは無く単に飛距離が10ヤード短か過ぎてもミス勘定に入れている。グリーンに載せようとして手前で止まった場合、つまり寄せでグリーンに載らないミスを犯すのがボクの場合意外と多いからだ。言わば寄せが雑なのである。もっと慎重に打てば載る処を適当に打ってしまい、そんなものだと勝手に納得している癖が身についてしまっているのである。そういう悪い癖は直さなくてはならない。スコアの悪いのは大抵それで、10以上はそのミスで損をしている。つまり寄せが上手くなれば10は確実にスコアを縮める事が出来、ハンディキャップも直ぐに10を切るだろう。つまり、寄せが上手い人はスコアも良い。パターも大事だが、極端に下手な人も少ないだけに寄せで決まると言っても良い。

晩秋-02(ヤマモモとクロガネモチ)
晩秋-02(ヤマモモとクロガネモチ)

 誰でも最初のティー・ショットではドライバーを使うから当たり前の様にドライバーの練習をする。練習場で観る風景は大抵ドライバー練習である。想い切り飛ばしているのは気持ちが良いものである。だからアイアンを練習している人はドライバーの合間に少し居るだけである。何故ならアイアンは練習場ではミスらないのだ。否、ミスに気付かないのだ。飛距離が10ヤード短過ぎても方向性は合っているからミスには気がつかず、練習場のグリーンも小さく、ラン(落下して以降の転がり)も適当に行くから誤魔化されてしまうのだ。それに何回も打つからその場では修正されてしまう。本番では一回切りだから修正は効かない。打ったが最後、その落下地点まで行って意外にも飛距離の足りないのを知る事になる。だから寄せが更に1打増える事になり、全体で10は違って来るという勘定である。

晩秋-03(山茶花)
晩秋-03(山茶花)

 練習場でアイアン・クラブばかり練習している人は自分の欠点をよく知っている人で、ドライバーやスプーンなぞウッド・クラブは一応大丈夫というか出来上がっている人である場合が多い。ドライバーは最初にギャラリーが居る時に打つから失敗しない為にも人は練習をするものである。それでも右や左に曲がる。それはフォームが悪いのとボールの位置が確定していない場合が多い。ボールが中央過ぎたり左側過ぎたりするとボールにクラブ・ヘッドが当たるタイミングがズレ、右や左に曲がる。右に曲がるのをスライスと言って身体が開いている場合が多く、顎が上がっていたりボールの行方を気にして早く顔を上げてしまうと身体が開き易くなる。身体が開くとボールに右回転を与えてしまうのである。逆に左に曲がるのをフックと言う。フックが出るのはスライスの逆と想えば分り易いだろう。

晩秋-04(シマトネリコと百日紅)
晩秋-04(シマトネリコと百日紅)

 しかし、そればかりが原因ではない。プロはスライスとフックを意識的に使い分ける事が出来る。それはドッグ・レッグ(犬の足)の様にコースが曲がっている場合にフェア・ウェーの中央にボールを落とす事を考えているからだ。先日、プロがアマチュアとフォアッサム(プロとアマチュアの二人一組として4人で周り、ボールを自分の組の交互が打つやり方)の試合をしていて、アマチュアが林の中に打ちこんだのをプロがフック・ボールで見事にフェア・ウェーに出し、それもグリーンそばにまで走らせたのを観て感心したものだった。流石プロだけの事はあると想った。アマチュアが真似をすれば木に当てて失敗するか、真っすぐ打って単にフェア・ウェーに出すのが精々と言うところだ。プロの技量は誰もがプロ・テストに合格するぐらいだから上手いのは当たり前である。プロは技よりも器量で決まる。

晩秋-05(車輪梅とシマトネリコ)
晩秋-05(車輪梅とシマトネリコ)

 プロがアスリートとして伸して行くには試合経験と度胸と運で決まる。プロという根性もある。アマチュアの前で下手な演技も見せられない。ギャラリーはそれが観たさにコンペでゾロゾロと金魚のフンの様について廻って見物する。熱心な追っかけは遠くまで飛行機に乗ってでも応援に行くぐらいである。其処までのファンの為にもプロは頑張らねばならない。亦そうまでしないとファンは納得しないだろう。賞金は結果であって、手を抜かず一所懸命やっていれば日の目を見る様になるだろう。だからこそ一流のプロは人間的にもなかなかの人が多い。語らせてもそこそこの事を言う。それでこそアスリートと呼ばれる様になるのだ。そんな事を考えながら冬枯れの庭に出てみると山茶花が咲き始め、香りを嗅ぐと、ほのかに桜薔薇に近い香が漂っていた。桜薔薇よりも風雅さには欠けるが、それでも腰の痛みを労ってくれている様で気分的に元気になる。これからゴルフ練習場へ行ってみようかと言う気になる。(つづく)

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