05/夏≪1≫



ブック
2005年・夏 絵本&おはなし覚え書き≪1≫



162ひきのカマキリたち
    『 162ひきのカマキリたち
       得田之久 さく (福音館書店)

   春・・・カマキリのらんのう、見つけましたか?
   うまれた、うまれた・・・
   出てきた、出てきた・・・
   カマキリのこどもたち162ひき。
   広げた2ページに、ちゃんと162ひきが勢ぞろい。
   静かにしてないと、アリやカエルに食べられちゃうよ。

   次の日には、あれあれ~、162の枠に空欄が・・・・。
   食べられちゃったのかな?
   半分の数になっちゃったよ。
   2~3日、2~3週間と経つうちにカマキリも脱皮して
   大きくなっていきます。
   いろんな試練を乗り越えて成長していくカマキリたち。
   最後まで、残るのは誰かな?
   自然と生きることの厳しさが、伝わってくる絵本です。


やっぱりおおかみ
    『 やっぱり おおかみ
       ささき まき さく・え (福音館書店)
   この絵本は、自分を大切にする本だと思う。

   たった1ぴきのこっていたおおかみくん。
   仲間を探しに出かけます。
   たくさんのうさぎたち。
   おおかみくんを見て逃げていきます・
   『 け 』
   仲間は、ほしいがうさぎなんか ごめんだ。
   ヤギの行列
   たくさんのブタ・・・
   おおかみくんを見て離れてく。
   『 け 』
   しかたちが、たくさん。
   もし、しかになれたら、あそこでたのしくあそぶのに。
   おれに、似た子はいないかな。
   おれに、似た子はいないんだ。
   やっぱり おおかみはおおかみとして生きるしかない。
   そう思うと、なんだか不思議に愉快な気持ちになる
   おおかみくんでした。


太陽へとぶ矢
   『 太陽へとぶ矢 』ーインディアンにつたわるおはなしー
     ジェラルド マクダーモット さく / じんぐうてるお やく
     ( ほるぷ出版 )

   まず、色が特徴的です。
   黄色、オレンジ、黒が基調になっています。
   はっきりとした色なので、遠くからでもよく見えます。
   斬新なデザインなんだけれど、どこか古典的な雰囲気もあり。
   静があり動もあり。
   インディアンに伝わるおはなし。

   太陽の神がいのちの力を一本の矢に変えて大地に向けて飛ばしました。
   矢を受けた娘は、男の子を産みます。
   太陽の神の子です。
   男の子は、一本の矢になり、お父さんに会いに太陽に向かいます。
   神話という事もあるのかな?
   不思議な印象を受けました。
   力強さも感じました。


めっきらもっきらどおんどん
   『 めっきらもっきらどおんどん
   長谷川摂子・作 / ふりや なな・画 ( 福音館書店 )

   遊ぶ友達がいない。
   みんなはどこ?
   神社で、かんたは大声でめちゃくちゃな歌をうたう。
    ちんぷく まんぷく
    あっぺらこの きんぴらこ 
    じょんがら ぴこたこ
    めっきら もっきら どおんどん
   どどーっと風が吹き 「こっちぁこーい」と奇妙な声。
   声のする木の穴を覗いたら、ひゅーっと吸い込まれ、おちる、おちる・・・。
   へんてこりんな3人組。
    もんもんびゃっこ
    しっかかもっかか
    おたからまんちん
   「ばけものなんかと遊ばない」とかんたが言うと
   3人は泣き出した。
   しょうがない、遊んでやるか。
   でもやっぱり・・・
   だんだん心細くなてきた。
   「お・か・あ・さ・ーん」
   と言った途端、
   元の場所へ帰っていた。
   何度もあれから神社へ行ったけど、3人には会えない。
   かんたは、めちゃくちぁなうたを忘れてしまったらしい。
   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *  
   子どもの想像力があれば、きっとどんな世界へでもいけちゃうんだろうな。
   ばけものに会えるなんていいなぁ・・・。
   もう、会えないのかな?

   ちょっとトトロや千と千尋と通じるものがあるかもしれない。


王さまと九人のきょうだい
   『 王さまと九人のきょうだい
   君島久子訳 / 赤羽末吉絵 ( 岩波書店 )

   中国のイ族に伝わる民話。
   読んでいて、とっても痛快なお話です。

   子どもがほしと思っているおばあさん。
   池の中からあらわれた、白い髪の老人からもらった丸薬を
   いっぺんに飲んでしまったら・・・。

   ある日突然、九人の赤ん坊が産まれたのです。
   その老人が言うには、
   「なんにもしてやらなくとも一人で立派に育つ子どもだ」と。
   名前は『 ちからもち 』
      『 くいしんぼう 』
      『 はらいっぱい 』
      『 ぶってくれ 』
      『 ながすね 』
      『 さむがりや 』
      『 あつがりや 』
      『 切ってくれ 』
      『 みずくぐり 』 です。
   へんてこりんな名前ですが、
   悪い王さまをやっつけるための
   力を持つ不思議な名前なのです。
   この九人、顔も体つきもそっくり。
   九人で力を合わせて、王さまの難題を次々クリアしていきます。
   楽しい、楽しい・・・・。
   気持ちすっきり。
   読んでいくうちに、どんどん引き込まれていくお話です。

   *   *   *   *   *   *   *   *   *

シナの五にんきょうだい 
   これとよく似たお話で『 シナの五にんきょうだい 』というお話があります。
   これも面白いです。
   4年生に読んだとき、喜んでくれました。

   この絵本については ≪おはなしのトンネル≫ の方でも読みくらべとして紹介しています。
   興味のある方は、どうぞご覧になってくださいね。


かさ


みどりいろのたね
   『 みどりいろのたね
   たかどのほうこ・さく/太田大八・絵 (福音館書店)

   まあちゃんたちのクラスでは、畑に種を蒔くことに・・・。
   でも、まあちゃん、種と一緒にメロンあめを植えちゃった。
   なまけもののまあちゃんは、ちっとも水をあげません。
   のどがかわいた種たちは、文句を言い始めます。
   でも、一人だけ平気なものが・・・
   一緒に植えられたメロンあめです。
   さぁ、これからこのメロンあめと種たちが土のなかで
   バトルを繰り広げます。
   でも最後には、力あわせて、不思議なことになるんですよ。
   ほんとに、こんな事があったら楽しいだろうなぁ。


ジャイアント・ジャム・サンド
   『 ジャイアント・ジャム・サンド 』 
   ジョン・ヴァーノン・ロード/ぶん・え (アリス館)

   だんだん暑くなってくると
   見かけるハチ。
   ある日、四百万匹の蜂の大群が
   チクチクむらにやって来て
   むらは、大騒ぎに・・・。

   ブンブン ワンワン ウォンウォン チク!
   いったいこのハチ、どうすりゃいい!?
   村の人たち集まって、ハチ撃退大作戦を考える。
   パンやのおじさん考えた
   『ジャイアントジャムサンドを作ってわなにする』
   みんな、やんやの大賛成。
   村じゅう総出の大仕事。
   大きな大きなパンを焼き、
   ダンプでバターやジャムを運び
   トラクターとスコップでパンに塗る。
   さどうなるか!?
   この大作戦、成功するかな?



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